「おいおい、大丈夫か?日銀」

2022年04月11日

1.「膨らむ日銀 債務超過の足音」(2018年6月7日の日経新聞)

2018年6月7日の日経新聞記事。「膨らむ日銀 債務超過の足音、描けぬ出口戦略」。日本経済研究センターの分析で「日銀の自己資本は底をつき、債務超過に陥る――。日本経済研究センターは(藤巻注:2018年)3月、金融緩和の出口で待ち受ける未来に警鐘を鳴らした。2022年度に2%上昇の物価目標を達成した場合、24年度からの7年間の損失は計19兆円となり、自己資本(8兆円)が吹き飛ぶというのだ」「異次元緩和を始めた当初は物価を上げることに集中し、(藤巻注:日銀の)財務問題は二の次だった。だが、昨年末(藤巻注:2017年)ごろからはたとえば1%程度の物価上昇でも長期金利の誘導目標を引き上げられないか、検討を進めている」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31483580X00C18A6SHA000/

 

2.「膨らむ日銀 債務超過の足音」(2018年6月7日の日経新聞)は2022年を予想した」

この記事、「2022年度に2%上昇の物価目標を達成した場合」と、その日が2022年と4年前に当てている感じ。ただ国民に恐怖を与えてはいけないとの配慮からだろうが、消費者物価2%でとどまる仮定のことしか書いていない。今回は円安進行のせいで、損あところで止まるとは到底思えない。

円安進行で物価はあがるだろう。しかし金利を上げると日銀が債務超過になるから上げられない。そこでさらに日米長期金利差が開き円安は止まらない。ターボが効いていく感じだ。

 

3.「2018年の日本経済研究センター予想時点より、日銀はさらに大幅メタボとなっている。これから来るダメージは計り知れない」

この記事が書かれた2018年よりも、異次元緩和は大きく進み、日銀当座預金残高は、はるかに膨れ上がり、保有国債も巨大化し、その平均利回りは更に低下した。インフレ時の日銀のダメージは2018年当時予想の比ではない。日銀は生き残れないだろう。円は紙くず化。米国長期金利が上昇するたびに黒田総裁は肝を冷やしていると思われる。今日も日中、米金利は上昇し、米10年物金利は2,77%まで上昇してきた。円安進行はまだ序の口。通貨の信用を守るために中央銀行は値段が大きく動く長期国債など買ってはいけなかったのだ。私が金融マンの時の時の日銀は短期国債しか保有していない。インフレ時に債務超過になる長期国債を爆買いするなど、禁じ手の禁じ手だと伝統的金融論は教えている。結果がこうなるのは自明だったと思うのだが。私が異次元緩和は「あとは野となれ、山となれ」政策だと言っていた理由。