「著しい対照の結果、著しい円安ドル高を招く」「どこまでも続く米長期金利の上昇」「円安進行が、まだまだだという理由」他

2022年04月13日

1.「著しい対照の結果、著しい円安ドル高を招く」

これはとても重要なポイントだ。日経新聞いわく「日銀の保有資産が再び膨張している」。「こうした日銀の動きは金融政策の正常化に動く海外中銀と著しい対照をなす(藤巻注:著しい、である)」「日銀のバランスシートの膨張は、日銀の緩和の出口を遠ざけるジレンマにもなる。将来的に利上げに動いた場合に、日銀が債務超過に陥るリスクが高まるからだ」日銀の金融政策が、海外中銀と著しい差が出来る結果、著しい円安ドル高が進行すると考える。

市中から回収されるドル(5月から)と未来永劫に市中にばらまかれる円

(この要因が、最も強烈なドル高円安要因だと私はかねがね思っている)

5月から円安ドル高は加速すると思っている。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB06AG60W2A400C2000000/

 

2.「どこまでも続く米長期金利の上昇」

本日の日経新聞いわく「米国で歴史的なインフレが続いている」「11月の中間選挙を控え、野党の共和党はインフレ制御の失敗をバイデン米政権への攻撃材料として大々的に取り上げ始めた」「FRBはインフレの歯止めがきかなくなる事態を警戒している」歴史的なインフレと歴史的な金融緩和は両立しない。私が金融の現役だったころ「長期金利は最後の利上げで反転する」と言われて、ほぼその通りだった。今に当てはめれば、最後の利上げと市場が認識した段階で下がり始めるということ。まだまだ先は長い。昨晩のNY では米長期金利が多少反落したが、これは相場の綾に過ぎないだろう。米10年長期金利は一段と上昇するだろう。その場合、日部御金利差はとんでもなく開く。私自身はサマーズ元米財務省間が懸念している長期金利20%の世界もありうると思っている。ずっと推薦してきたTMV(債券ベアファンド)は年初来61%の上昇となっている。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1206Y0S2A410C2000000/

 

3.「40年におよぶ債券強気相場の終わり」

ブルムバーグ曰く「米国債の売りは12日も続き、40年におよぶ債券強気相場の終わりが視野に入った」

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-12/RA7JYLDWRGGI01?srnd=cojp-v2

 

4.「円安進行が、まだまだだという理由」

昨日も書いたが、こんなにわかりやすいマーケットはない。円安進行、米長期金利上昇、少し長い目で見れば日本の長期金利の上昇、に関して、だ。

円安進行の理由

①経常赤字の常態化予想

②日米金利差の拡大

③市中から回収されるドル(5月から)と未来永劫に市中にばらまかれる円

(この③の要因が、最も強烈なドル高円安要因だと私はかねがね思っている)

5月から円安ドル高は加速すると予想する。

 

5.「中央銀行が長期債など買ってはいけない理由」

昔は、債務超過で通貨の信認が失墜するのを防ぐために、「中央銀行は値段の大きく上下する資産を買ってはいけない」が鉄則だった。だから私が現役時代の日銀は株や長期債は保有していなかった。1%の金利上昇で、長期債は短期債より各段に値が下がる(長期に金利上昇が悪影響を及ぼすため)からだ。だから債務超過のリスクは無かった。

昔の日銀は成長通貨と言って回収する必要のない通貨分しか長期国債を買わなかった(経済成長に見合った通貨を発行しなければデフレになる)。

異次元の緩和は正式には「異次元の量的質的緩和」という。「質的」とは、長期債を買い始めたことを言う。

今、日銀の債務超過が問題になっている一つの理由は長期国債を爆買いしたからだ。なお、黒田日銀総裁が私の質問にも、健太の質問にも、「日銀当座預金への付利金利を上昇させ、支払金利を増やしても、保有国債の金利も上がるのでたいした問題ではありません」が詭弁、嘘八百だと、私がいつも言う理由。昔のように保有が短期国債の実だったら、ほぼ3か月ごとに新しい国債の代わり、受取利息が増える。現在のように保有国債が10年を中心とする長期国債なのだから受取利息が損あに増えるわけがない。長期債は固定金利で満期が来るまで新しい利廻りにならない。

 

6,「儲けてないと人格さえ認めてくれないのがディーラーの世界」

昨日、こんなにわかりやすいマーケットで、今、儲けられないディーラーは、未来永劫儲けることなどないと書いたら、「厳しいお言葉。自称伝説のディーラーのフジマキさん儲けてますか?」

私の返信は以下の通り。「残念ながら自称ではありません。JPモルガンの会長の命名で、本店の資金為替本部長のボスもそう呼んでくれていました」

ちなみにディーラーは勝ったときには大騒ぎ。負けた時は存在感を消す。それが出来ないと生き残れない。なにせ「儲けてないと人格さえ認めてくれない」世界。銀行の中で、最も銀行らしからぬ場所。JPモルガンNY本店が大勝した時は資金為替部長のP 女史(スペイン人)がスカートをたくし上げ、スペインと米国国旗を両手に掲げ持って、広いディーリングルームを走り回っていたと聞く。私は、部下のウスイ女史に「支店長、時々、自分が小学生だと思うことありませんか?」と聞かれる程度のはしゃぎようにすぎなかった」

 

7「筑波大付属高校の思い出その④」

悠仁さまが入学された筑波大付属高校は確かに進学校でもある。先日来、私の最初の本「外資の常識」(日経BP社)に「教育大附属(現筑波大附属)の生活と人間関係」という1章の一部を紹介した。さらに続けて紹介する。

「そのイチジマ君がイチムラ君を脅していた。『おい、イチムラ、あの時のことは覚えているだろうな』『エ、あの時って?』『慶應経済の入試の時のことだよ。偶然試験会場でお前にあったら<筆記道具忘れたから何か貸してくれ>ってとんでもないことを言っていただろう、それでさ 俺が余分な鉛筆を持ってなかったからお前に万年筆貸してやったじゃないか』『そうだったっけ?』イチムラも豪傑だった。 慶應経済は万年筆一本で補欠に滑り込み、東大は鉛筆で実験して正規入学している」

今は、あのイチジマもイチムラも鬼門に入った。寂しいことだ、合掌。

 

8.「筑波大付属高校の思い出その⑤」

私の最初の本「外資の常識」(日経BP社)に「教育大附属(現筑波大附属)の生活と人間関係」という1章の一部を紹介した。さらに続けて紹介する。

「大学入試の直前、担任のゴム天は我々に宿題を課した。 『内申書の性格欄に私が諸君全員のことを書くのは非常に大変な仕事である したがって私へのヒントとして各人が名簿で自分の前の人の性格を分析し 私に提出するように』 名簿で私の次だった宮本君は私のことを『人に優しい。女の子にはもっと優しい。パチンコをこよなく愛す』と事実と事実誤認を合わせて書いた。ゴム天は封印する前に内申書を皆に見せてくれた。私の性格には「優しい。花を愛する」とあった・ちなみに当時パチンコはチューリップという機種が大流行りであった 。すばらしい先生であった」