1.「日銀は、すでに中央銀行の体(テイ)をなしていない」
日経1面記事。物価対策だというのなら筋が極めて悪い。選挙目的のバラマキとしか言えない。財源が無尽蔵に必要になる。辞めるに辞められなく。政府がやる物価対策は対処療法でしかない。そもそも物価対策とは中央銀行の仕事(日銀法第2条)であり、中央銀行でしか出来ない仕事。日銀がインフレ対応能力を失っているからだが、それでは、日銀はすでに中央銀行の体(テイ)をなしていない。さらには政府が物価対策に奔走しているときに反対方向(金融緩和=インフレ加速方向)に、差し値オペを行う。それも期末には、黒田総裁就任当時と同規模の迫力のバズーカ砲さえ打った。もう日本は、はちゃ滅茶。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60181170R20C22A4MM8000/
2.「為替、米朝金利の動き」
昨日は米国債も為替も微調整があったが、G 20に多少の敬意を表した(何か出るかも?の警戒感)のかもしれないし、当局の必至の努力があったのかもしれない。昼休み等、市場が薄い時を狙ってドル売りが何度か入ってきたからだ。本当に高値で売りたい人は、マーケットが厚い時に売ってくる。薄いところで売れば値が崩れて高いところで売れないからだ。薄いところで多額の売りが出ればそれは利益よりも、なにか恣意性のある売りと見るのが常識。
しかし、このファンダメンタルズに置いて、子供が駄々をこねるようなもの。ドル高、米長期金利上昇の方向は微動だにしないだろう。
3.「通貨刷り刷りインフレ」
コストプッシィ・インフレとか、マスコミがいかにも、それらしい言葉に飛びついているが、本質がわかっていない。今、世界で起きているインフレは「通貨刷り刷りインフレ」だ。その上にウクライナとか供給制約がちょっと乗ったに過ぎない。日本は過激に刷りすぎたから過激なインフレ。すなわちハイパーインフレがくる。
4.「通貨を回収しないとインフレは収まらない」
「紙幣の刷りすぎ」で起きたインフレは「紙幣を回収しないと収まらない」米国は遅ればさながら5月から回収を始める、ドルの争奪戦になる。日銀は回収など出来ない。あまりに国債市場で巨大な存在になりすぎたから手を引けば金利急騰で入札で国債未達、日銀自身も債務超過。今後ともばらまき続ける。
5.「「5月3日、4日のFRBは超重要」
前から言っているように、5月からだと予想されている米国のQT(ばらまいた資金の回収)開始後にドル/円、ドル長期金利は、いよいよ本格的上昇を開始すると思っている。(急速か、じわじわか、はわからないが)5月3日、4日のFRB でQT開始が決まるだろうから、それまでに準備はある程度のめどをつけておいた方がいいのかも?
6.「米国は国債売りオペを開始するのか?」
FRB の2015年から2018年の利上げの時も、利上げと同時の資金回収の話は当初から出ていた。しかし、国債売りオペ(緩和と反対のオペ=保有国債を市場に売却しばらまかれた資金を回収する)を行うと、長期債市場が大混乱するとの懸念が出て、満期待ち(満期が来た保有国債を買い替えない)との穏健な政策を取った。今回は当時の2倍の速度で資金回収を行うと予想されている。国債売りオペがあるのか否か?私は必要だと思っている。ただでさえ引き締めの遅れているFRBがさらに遅れると、前財務長官サマーズの懸念するように1979年のボルカーのサタデイナイトスペシャルのようなこと(長期金利20%、FFレート20%)になってしまうと思っている。
7「金利差拡大や資金回収に織り込み済みは無い」
「金利差拡大は織り込み済みだから、円安はもうそろそろピークアウトするなどのコメントをする人がいるが実務経験の無い人の発言だ。
家を建てる時、建てると親族会議で決定しても、設計士に依頼したとしても(=いくら事実が明確になっても)、銀行は実際に着工するまで悪寒を貸してくれない。それと同じで、いくら金利差が開くとわかっていても、金利差拡大で儲かるビジネスは開くまで出てこない。だからおりこみずみということはないのだ・金利差が開いて初めて起こるドル需要は相当に大きい(=先物取引に付随するドルの直物買い)