1.「呑気な国:日本」
昨日のマネックスメールに載っていた松本大氏の「松本大のつぶやき」の一部。
金融機関でそれなりの経験、実績のある人間は、今、皆、同じ危機感を持っていると認識している。
「しかしこの円安、本当に(こんな言葉は使いたくありませんが)ヤバいと思います。(中略)しかし日銀は、或いは政府は、ろくな議論もしない中で、財政ファイナンス(或いはMMT)をまっしぐらに進めていて、かつインフレになってきてもそれを止める気配がないので、これは制御不能になる可能性があるかも知れません。しかし国内を見ると、そのような危機感は極めて乏しく、なんとなく平和に日々が過ぎています。呑気な国です、日本は。恐らくこのような円安・インフレが更に進行し、呑気で居られないレベルまで生活環境が実感として変わった時に初めて、日本は大きく変わり始めるのでしょう」。
2.「エッ、政府が巨大物価対策?財政赤字拡大で物価高の最悪ループ」
本日の日経新聞夕刊1面記事。今の物価高は「紙幣刷り刷りインフレ」なのだから、またまた財政ファイナンスをすれば(あるいはMMTをやれば)、さらに物価高を推し進めるだけだ。
物価対策で、対処療法しか出来ない政府がこんなに出しゃばってきたのは過去の日本でも他国でも聞いたことがない。インフレ対策は中央銀行の仕事ふぁとは世界の常識だし、中央銀行しか出来る仕事ではない。しかし日銀はすでに(インフレ対応手段を失っているから)中央銀行の体をなしていない。日本には中央銀行がすでに消滅したのと同じ。中央銀行が無いから政府が出ざるを得ないのか?財政赤字拡大でお金を刷ってさらに物価高騰の最悪ループ。これでは円が下落し続けるのは当然の帰結。まだまだこれからだろう。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA253JN0V20C22A4000000/
3,「なぜ『政府がインフレ抑制・日銀はインフレ加速』との相反する政策を継続するのか?」
もし、日銀が異次元緩和(国債の買い取り市中にお金を流す)を辞め政府と同じ方向の政策を取ると長期債の価格急落(=長期金利暴騰)で政府は予算を組めなくなる。支払い金利が急騰するからだ。そこで、「物価対策は政府が行うから日銀は国債を今後とも買いまくる(=緩和継続してね)」とのハチャメチャなアコードが出来ているのだろう。それしか選択肢はなくなった。財政ファイナンス(中央銀行の政府への信用供与)がこういう結果になるのは 昔だったら常識、歴史の教え。だから異次元緩和には大反対だった。逆説的だが景気が良くなったら(=金融引き締めが必要になったら)日本は終わると、私が警告し続けてきた理由。MMT論者. 財政拡大論者、放漫財政論者、「統合政府で考えれば財政は大丈夫」論者の罪は大きい。国民生活を地獄に追いやりつつある。これらの教祖様たちは、絶対安全なはずの円を見捨てて、すでに自分たちの資産を大方ドルに換えてしまっているんじゃないの?そうだったら信者の方は怒りなさいよ。