「今後のマーケット(サタデイ・ナイト・スペシャルのリスクも)」「5月3日、4日のFOMC以降には大激震が起きるリスクも」「もう滅茶苦茶の経済・財政政策。」他

2022年04月27日

1.「ここ数日のマーケット」

ドル/円が127.10円まで下落しているが、3日連続の米長期金利低下で10年物が2.72%まで下落したせいだろう。ブルムバーグニュースによれば「利回り上昇を見込むポジションが過度に積み上がっていたせい」とのこと。いわばスピード調整だ。米金利の低下の割には、ドル/円の下値が固いのを確認したということか。5月にQTが始まる前のドル長期債売却、ドルの買いの最後のチャンスか?

 

2.「今後のマーケット(サタデイ・ナイト・スペシャルのリスクも)」

積み上がりすぎたショートカバーが出たとしても徹底的な時価会計が徹底している米国人投資家では、これからロングで長期債マーケットに向かう人はいないだろう。5月からはQTが始まり、米国債の需給が崩れていく。米長期金利は長い金利上昇の期間を迎えるだろう。

それ以上に、サマーズ氏が危惧する1979年のボルカーのサタデイ・ナイト・スペシャルの再来の可能性が高いと思っている。サタデイ・ナイト・スペシャルとは悪性インフレを抑えるために金利よりもジャブジャブのお金の吸収を図った政策だ。長期債は20%、FFレートは24%まで上昇した。当時は今のように財政ファイナンス(またはMMT )をFRB はおこなっていなかった。今は(日銀に比べればはるかに)小規模とはいえ、財政ファイナンスでジャブジャブに資金を供給している。当時以上に資金回収の必要性に迫られている。金利は暴騰する可能性が高いと思う理由だ。

 

3.「サタデイ・ナイト・スペシャルのリスクを考えているのは」

少し古いニュース(今年3月25日日経新聞)だが、「米資産運用会社グッゲンハイム・パートナーズの最高投資責任者(CIO)、スコット・マイナード氏もその一人だ。同氏は高インフレとボルカー元FRB議長による大胆な利上げで景気後退を招いた1970年代から80年代にかけた状況と同様な事態に陥ることを懸念する市場関係者が多いと指摘する」そうだ。サタデイ・ナイト・スペシャルを懸念するのは私とサマーズ氏だけではない。多くの米国市場関係者も、だ。のんきなのは日本人だけ?

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO59380660V20C22A3ENI000/

 

4「FF金利5-6%に」

昨日のブルムバーグニュース。 FF レートが5-6%なら米10年金利は7-8%だろう。一時的な景気後退を犠牲にしてでもFRBはインフレ鎮静化を狙うだろう。サタデイ・ナイト・スペシャル時と同じ。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-26/RAYDUIDWX2PS01?srnd=cojp-v2

 

5.「FRB は思い切ったアクションが重要」

昨日のブルムバーグ記事。「このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)」と巴あるものの、リサ・アブラモビッチ氏はれっきとしたブルームバーグ・オピニオンのコラムニストだ。「インフレストーリーの主導権を連邦準備制度が取り戻したければ、強気の発言に見合う思い切った行動が必要だ。行動までの時間が長くなればなるほど、踏み込んだと受け取ってもらえる条件はますます厳しくなるだろう」リサ・アブラモビッチ氏の主張通りであれば、米長期金利はぶっ飛ぶであろう。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-25/RAVHOGDWRGG001

 

6.「5月3日、4日のFOMC以降には大激震が起きるリスクも」

この日経記事どおりだと思う。円、米長期金利は、これからがベアマーケットの始まり。特に5月3日、4日のFOMC以降は要注意。金利上昇幅も急用だが、私はQT 開始の方に注意が必要だと思っている。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN25D6H0V20C22A4000000/

 

7「Bear market」

金融情報ポータルサイトInvesting.comがしばしば使う画面

The bears finally arrive on Wall Street とある。Bear market とは弱気市場(熊は攻撃の際手を振り下ろすから)でBull marketとは強気市場のこと(牡牛は攻撃の時、角を振り上げるから)。まさに米国長期金利、円はこの絵の通り。ベアマーケット到来。

ベアマーケット

 

8,「もう滅茶苦茶の経済・財政政策。」

昨日も書いたが、紙幣の刷り過ぎで起きる悪性インフレ(紙幣すりすりインフレ)を、さらに紙幣を刷ってインフレを抑え込もうという「火に油政策」

財政破綻危機―>紙幣を刷って財政破綻回避―>紙幣価値の希薄化によるインフレー>さらに紙幣を刷ってインフレを抑えようという「火に油政策」―>物価抑制の主力部隊のはずの日銀はインフレ加速のためにバズーカ砲をぶっ放す(=指値オペ連発)―>バズーカ砲の球が切れれば長期金利上昇で政府は予算を組めず財政破綻、日銀は債務超過。ハイパーインフレ、打ち続ければ日米金利差拡大で円暴落。悪性インフレ。最後はどうしようもなくなりハイパーインフレ。すべてのスタートは健全財政を後回しにしたこと。国民が金寄こせ、金寄こせで起きたこと。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60359720X20C22A4EA2000/

 

9.「なぜそこまで0.25%に固着するのか?」

この地合いでなぜ、0.25%に固着し「指値オペ」を連発するのか?上限を0.35%に上げればいいだけではないのか?答えは明瞭。そうはいかないのだ。0.25%以上に長期金利が上昇すれば時価会計上で日銀は債務超過。債務超過になればどういう行動を海外勢が取るかを日銀が熟知しているから。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60352060W2A420C2ENG000/

 

10.「海外勢主導、金利に上昇圧力 『日銀のタガ』突破狙う」

海外勢がこれを狙うのは当たり前だろう。まさにソロスが英中央銀行に勝ったのと、全く同じ戦術。0.25%で10年国債売ってそのままにしても、長期金利が0.25%以下に低下する可能性は極めて小さい。もし日銀が耐えきれずに0.25%の防衛ラインを放棄すれば長期金利は暴騰し(=価格は暴落)大儲け。極小リスクで極大リターン。プットオプションを無料で購入したようなものだ。タイムディケイも無いし。そもそも長期金利を中央銀行がコントロール出来ると主張しているのは世界でも日銀だけ。は政府・日銀が何でも思ったとおりに(短期金利以外の)マーケットをコントロール出来ると考えているのは市場の怖さを知らない、社会主義国家日本だけ。昔の日銀でも長期金利はマーケットが決めるものと公言していた。一時的にコントロール出来たように見えても、いつかは膿がドバ~と出る。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60352010W2A420C2ENG000/