1.「外国人の日銀利上げ期待(?)騒動が、連休明けからの円安加速の契機になるかも?」
先週末の外国人の日銀利上げ期待(?)騒動で、日本が世界中の投資家、リスクテーカーの注意を集めた。世界の注意を引くのは久しぶりだ。「日銀は金利を引き上げられないこと」を印象付けられた世界中の投資家、リスクテーカーが円売りに興味を持つかもしれない。米国の奴隷解放記念日の休日(月曜日)明けから、円安が加速する可能性も。
2.「日銀は超緩和策から撤退できない」
以下、開始当初から、私と同様「異次元緩和」に反対していた朝日新聞・原真人編集委員の記事。「それでも黒田日銀が異次元緩和から降りられない理由はいくつかある。(中略)
第三の理由。それは「財政ファイナンス」に組み込まれてしまったことだ。(中略) もし日銀が量的・質的緩和をやめて国債買い支えから手を引けば、国債価格は急落し、利回りが急上昇するだろう。今年度予算の国債利払い費は8兆円余り。日銀が手を引けば、これが兆円単位で急膨張していく恐れがある。黒田日銀は以上のように、もはや抜き差しならない状態に陥っている。これでは半永久的に緩和をやめられないのではないか。図らずも、主要中銀で唯一、超緩和策から撤退できない現状がそのことを国民に、そして内外のマーケットにはっきり示してしまった」。
https://www.asahi.com/articles/ASQ6K76ZQQ6KULZU00Z.html?iref=pc_ss_date_article
3,「日本が嫌いか?」
本日、私のツイッターに以下のリツイートがきた。
「よほど日銀(日本)憎いなんだな」
私の回答は以下の通り。
「JPモルガン勤務時代、外国人ボスが、『あんなに日本を愛していたフジマキが、このままでは日本は危ない、と言うんだから、本当に日本は危ないんだろうな』と言っていましたけどね」
4.「日本国民は日銀の財務状態など気にしたことがないから円は暴落しないか?」
本日、私のツイッターに以下のリツイートがきた。
「プロの目ではそうだ(注:日銀が債務超過になると円が暴落する)と思います。しかし円保有者の圧倒的多数である日本国民は日銀の財務状態など気にしたこともありません。 この状態で日銀が債務超過になったからと言って、円が突然紙屑になるものでしょうか?」
私の回答は以下の通り。
「紙くずです。そして『ほとんどのドイス国民は、慣れ親しみ信頼している通貨であるマルクを手放そうとしなかった。もうこれでマルクは終わりだという暴落が何度も起こっても、それは変わらなかった。マルクにしがみつく以外に選択肢がなかった者も多い』(ハイパーインフレの悪夢・アダム・ファーガソン著;新潮社)と同様の事態になると思います」
5,「経済学は科学。政策論の違いではない」
本日、私のツイッターに以下のリツイートがきた。
「需給ギャップが20兆あるのに利上げはあり得ない。アンタ立憲と同じ頭」
私の回答は以下の通り。
「立憲が何を言っているのか知りませんが、金融論はイデオロギーでも政党によって異なる政策論でもありません。採用された政策が正しいか正しくないか、だけです。経済を軌道に乗せる(=国民を豊かにさせる)金融政策か経済をどん底に落とす(=国民を不幸に陥れる)金融政策かの違いだけです」
5,「ボルカーの夏」
昨日、私のツイッターに以下のリツイートをいただいた。
「約一か月ぶりに戻ってきてくださりありがとうございました。藤巻先生のツイートが待ち遠しかったです。 これだけ質問させてください。ボルカーショックのように、利上げをするとFRBも債務超過になると思うのですが、それでもFRBはやると思いますか?」
私の返信は以下の通り
「金余りの悪性インフレで国民生活が立ちいかなくなるのなら、金利上昇を認めてまでお金の回収を図るのはmust でしょう。おっしゃるようにボルカーショックのようなことが起きればFRB さえも債務超過になりでしょうが、全世界の中央銀行も債務超過に陥ってしまうでしょう。しかし全世界のすべての法定通貨が石ころ化することはありません。最低限、どれか一つは残ります。それは世界の基軸通貨のドルだと思います。世界中の多くの国が日銀をまねて財政ファイナンスをおこなったツケです(日銀がとびぬけていますが)。昨晩、晩食後、英語のブルムバーグTV を見ていたら、MCがボルカーの夏と言っていました。ハッとして集中したのですが、内容を聞き損ねました。サマーズ元財務長官が言及していたくらいですから、ひょっとすると米国ではその可能性が論じられているのかもしれません」
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-06-07/RD2TOPDWX2Q601
6.「本の出版」
「新刊お待ちしてます。いつ出版されるのですか」というありがたいご質問をいただくので、現状報告です。5月中旬に原稿を書き終わり、今は、校閲も終わり(ご存じのように私は誤字が多いので、校閲さんも大変だったと思います(苦笑))、校閲後の私のゲラチェックも終わり、チェック後ゲラを本日、出版社に返送した段階です。本の出版は意外と時間のかかるものなのです。すみません、もう少しお待ちください。出版がX デイに間に合うといいなと思っています(ということはX デイはそんなに先ではないと思っているということです )
7.講演会後の飲み会
15日(水)、某社で(その会社のお客様相手の)講演会をさせていただいた後、若い人たち(東京教育大学(現筑波大学)附属OB と上智OB)の合同飲み会(幹事の江南君が筑波大学附属から上智に進学したので)。気が若返る。コロナでも私は旅行やコンサート、歌舞伎鑑賞、家族との外食は普段通りだったが、飲み会だけは、ほとんどなかったので、久しぶりで楽しい!