1、「スタグフレーション回避には金融引き締め強化」
欧米の市場関係者は「スタグフレーション予想」を聞くと、「金融引き締めを急速に強化し回避を狙う」と考えるが、日本人は「景気に配慮して金融引き締めを辞め、緩和に戻る」との発想になる。冷静な分析より希望が優先する日本人。だから負ける。それともマスコミに踊らされるせいかな?
2.「円安は、まだまだ序の口」
昨晩は1時、1ドル=137円をつけたが、まだまだ序の口だ。それゆえに日本は今後とんでもない物価高に陥る。昨晩は1ドル=137円をつけたが米長期金利の低下とともに日米金利差縮小で136円50銭レベルまでで戻った。しかし、今後、まだまだ相当に金利差は開く。かなりの円安が進行するだろう。
3.「世界的インフレの根底の原因は財政ファイナンスによる紙幣のバラマキ」
現在の世界的インフレの「根底にある原因」は財政ファイナンスによる「紙幣のバラマキ過ぎ」である。この原因分析を間違えるとマーケットで大やけどを負う。
財政ファイナンスが世界中で「禁じ手中の禁じ手」と言われていたのは、その経験から必ずや「ハイパーインフレになる」からだ。その先人の知恵通りに事態が展開しているに過ぎない。「金をばらまけばインフレ」なのだ
4.「インフレを抑えるのはばらまいた資金の拐取しかない」
「金をばらまけばインフレ」に気が付いたか、まだ気が付いていないのか知らないが、欧米はばらまいた資金の回収に入った。資金を回収しないことには、インフレなど収まりっこない。米国は6月から資金の回収をはじめ、9月にはその速度を倍加する。一方、日銀は資金の回収どころか、逆に大いにばらまいている。最近、がむしゃらに国債を購入しているが、国債を購入するとは資金をばらまいていることだ。
5.「137円の円安などまだ序の口だという理由」
「ばらまいた資金の回収に入ったFRB」と「今現在、資金を強烈にばらまき続け、かつ資金回収など未来永劫に出来ない(=回収を始めれば金利が暴騰し、日銀は甚だしい債務超過。政府はデフォルトなので))日銀」を対比させれば、強烈な円安/ドル高が進むのは明らか。「財政ファイナンスは禁じ手中の禁じ手との先人の教えを思い出し、方向転換をした欧米」と「先人の知恵を最後まで無視し、「ハイパーインフ」で、先人の知恵を証明しようとしている日銀」との違いだ。ドル/円は爆騰。円は石ころ化、
6.「ドル高円安進行の度合いはばらまいてきた資金の回収度合い」
為替マーケットは、いまのところ日米金利差で動いている。これからして今度とも更なるドル高/円安がかなり進むだろう。しかし、今後の最大のドル高/円安要因は、「ばらまいた資金を回収し始めているFRB」 と、「未来永劫回収など出来ない日銀」の差である。
7.「サタデイ・ナイト・スペシャルの復習は極めて大事」
1979年、当時のFRB 議長ボルカー氏は「悪性インフレを退治するのは政策金利の引き上げではない。市中にばらまかれた資金の回収だ」と金利上昇に目をつぶってまで、資金回収に全力を挙げた。そのせいで、長期金利は20%、FFレートは24%まで上昇した。世間の予想通り、景気は一時的に悪化したが、その後の1990年代の米国の繁栄はボルカー氏の貢献だと言われている。悪性インフレは経済を壊滅的破壊に導き、長期の不況を強いるから、それを回避したボルカー政策の評価が極めて高いのだ。それでも当時は、財政ファイナンスというとんでもないバラマキは行われていなかった。今日の事態の方が断然悪い。私は、サマーズ氏同様、FTB の引き締め遅れのせいでサタデイ・ナイト・スペシャル再来の可能性がますます高くなっていると思っている。なお、3月25日の日経新聞には「グッゲンハイム・パートナーズのCIO、スコット・マイナード氏によれば「高インフレとボルカー元FRB議長による大胆な利上げで景気後退を招いた1970年代から80年代にかけた状況と同様な事態に陥ることを懸念する市場関係者が多い」とある・