「日銀は経済環境が大きく変化する中、なぜ緩和政策にこだわるのか」「日銀に金融政策変更の余地はあるか?」他

2022年07月01日

1.「日銀は経済環境が大きく変化する中、なぜ緩和政策にこだわるのか」

これだけ多くの外国人投資家やヘッジファンドが日本国債の売り仕掛けに興味を持つとなると、今まで無視されていた日銀の惨状が世界から注目を浴びることになるだろう。

日経新聞には「大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは『日銀は経済環境が大きく変化する中、なぜ現在の政策にこだわるのか明確に説明すべきだ』と指摘する」とある。説明など出来るわけがない。「長期金利が上がると日銀が債務超過になり円が石ころ化するからです」などとはまさか公言出来ないだろう。公言しなくても外資系はそろそろ気が付き始めているはず。記事には「金融緩和の終了を見越して日本国債を売りと判断した」とあるが、本音は「金融緩和の終了」ではなく「日銀と円の終了」を見越しているのだろう。日銀が債券指値オペでヘッジファンド勢に屈したら、それは日銀と円のThe END wお意味する。円は風前の灯。私がドルを買って備えよという理由。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB294VQ0Z20C22A6000000/

 

2.「もし長期金利が0.75%上昇したら?」

本日の日経新聞によると「英ブルーベイ・アセット・マネジメントCIOのマーク・ダウディング氏は『日銀が現在の政策をやめると長期金利が0.75%まで上がる可能性があり、日本国債売りは魅力的な取引であり続ける』と強調するとある。昨年3月から今年3月までに、長期金利が 0.095%から0.214%と約0.12%の金利上昇で5兆円の日銀の評価益は消滅し4兆.4千億しかなくなったのだから、あと0.12%の上昇で評価益は消滅する。長期金利が0.75%に上昇したら、単純計算で26兆円の評価損発生だ。日銀の信用は霧散、円は石ころ化だろう。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB294VQ0Z20C22A6000000/

 

3.「日銀に金融政策変更の余地はあるか?」

昨日、以下のリツイートが私のツイッターに来た。「日銀が利上げをする可能性はないですか?」

私の回答は以下の通り

「ごく極、少量ならあります。たとえば長期金利の誘導目標を0.25% から0.3% にするとか、マイナス金利政策を辞めるとか。すべて誤差の範囲です。もっとも、マイナス金利が適用されている日銀当座預金は510兆円の内、28兆円に過ぎませんから、マイナス金利を解除したところで、実質的に何の意味もありません。マイナス金利政策とは、日本が円高に困っていた時、「日銀はマイナス金利政策を採用しているぞ」とのプロパガンダに過ぎなかったので(28兆円ぽっちにマイナス金利を適用して、よくマイナス金利政策などというよなという話です)、それを解消してもプロパガンダを下ろしただけの効果しかありません。

4.「国民は今、QE(金融緩和)とQT(金融引締め)どちらを望んでいるのか?)

昨日、以下のリツイートが私のツイッターに来た。「黒田さんは緩和継続しかないように思える。来年任期だから安部黒時代からの逸脱はしないだろう。 次の日銀総裁がどうでるか?は政権次第。この時、財界と庶民(有権者)がQE、QTどっちを望むだろう?」

私の回答は以下の通り

「QE(金融緩和)とQT(金融引締め)どちらを望むか?と聞かれても、日銀はQT の手段(俗に言う出口)を異次元緩和の結果、失ってしまったのです。財界と庶民がいくら望んでも、手段が無いものは出来ない。「あ、ぶつかる、ブレーキを踏め!」と乗客がいくら騒いでもブレーキが無いバスを運転している運転手は、何もできません。そういえば、昔、爆破犯に、一定スピード以下になるとバスが爆発する仕掛けを取り付けられたバスが空港内をスピードを落とさないようグルグル回る映画がありましたが、今の日銀はそれと同じ。ブレーキをかけるどころが、アクセルを踏み続けなければならない。OE を続けない(=国債を買い続けない)と金利急騰で日銀は債務超過、政府は予算を組めなくて一巻の終わり。円暴落は続く)

後にリツイートで、「この映画の題名はスピードです」と教えてくださった方がいらっしゃいました。そうです。映画のタイトルは「スピード」でした。

 

5.「第3者的評論家の言うことなど信じるな」

昨日、以下のリツイートが私のツイッターに来た。「本当にそう思うなら有り金全部ドル買いすればいい(笑)第3者的評論家は、極論だけ言う。言うだけで自らは行動しないし、責任も取らない(笑)全額ドル買いしてから言ってみてください」

私の回答は以下の通り

「それ私のことですか?私なら金融資産は、ほぼドルですが、それが何か、文句あるのですか、まだ足りない?私の職業人生の大半はプロのリスクテーカーですけど。人を批判するなら、ちゃんと調べてからにしなさい。もっとも、口だけの評論家の言うことなど信じちゃいけないという点は当たっていますが」

 6.「円は過小評価されているか?」

「昨日、以下のリツイートが私のツイッターに来た。「純粋な疑問なんですけど、ゴールドマンサックスが「円は過小評価されている」と主張しているのは何故なんでしょうか?」

私の回答は以下の通り。

「ゴールドマンサックスが、ではなくゴールドマンサックスの誰かさんが、です。特に為替など社の統一意見などないですよ。JPモルガンだってアナリストが、立派なレポート書いたって、シニアなリスクテーカーはそんなもの読みもしなかったですよ。どの会社が言ったかではなく、誰が言ったかは重要ですが

 

7.「FRB は大丈夫か?」

「金利上げて米国債価格下がって含み損絶賛拡大中で曰く金利上げたら時価評価で債務超過論の最中のFRBは債務超過大丈夫なんですか?」

私の回答は以下の通り。

「2015年当時で、FRB の受け取り利息は14兆円ほどありました。今ではもっと多いでしょう。債務超過になっても、毎年の通貨発行”益”で回復は可能。一方、毎年の受取り利息が1兆円にも満たない日銀は、FRB より超巨大な債務超過が生じたうえに毎年巨額の通貨発行”損”発生。FRB と比べるなどおこがましい」

 

8.「林家木久扇師匠、木久蔵師匠とのインタビュー記事」

昨日は締め切り遅れの「婦人画報」への原稿を書いた。インタビューは滅茶苦茶面白かったのだが、私の能力では、インタビューの面白さを文章に表すことが出来ず、苦労した。誤字で笑いとろうかしらん?

木久蔵師匠