1,「今後数日のドル円相場」
昨日は、米金利が大幅に下落したのに、為替は微調整程度の円高にしか行かなかった。マーケットの最後の方では米金利下落にもかかわらず円安方向に戻った。
以下、昨日のブルムバーグ記事。「サクソ・バンクの外為戦略責任者、ジョン・ハーディ氏は米国のデータがリセッションのシグナルを確認するまでに至らず、指標となる米国債の利回りが上昇すれば、ドル・円は『今後数日に大幅に値上がりする』準備が整うとリポートで指摘した」。
私はこの意見に賛成。ただしデイトレーダーではないのだから、短期間の動きは気にしないこと。トレンドとして強烈なドル高/円安が継続するだろう。こんなにわかりやすい相場は無い。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-07-01/RECP1FT1UM0W01?srnd=cojp-v2
2.「豪中銀の反省は。では黒田総裁の反省は?」
昨日の日経新聞夕刊に論考を書いていた菅野さんは私の高校テニス部の1年先輩。日銀の為替課長、調査統計局参事等を歴任の後、頼んでJPモルガンの調査部長に来ていただいた。その菅野さんの論考曰く「(いち早くYCC から撤退した豪中銀は)『出口では市場の混乱をもたらした」『もっと早く止めるべきだった』『中銀の信用と評判にダメージを与えた』『今後は、YCCよりも資産買い入れ政策が選好されるだろう』との反省を率直に述べている」と書かれている。黒田総裁から将来聞くだろう反省は「『中銀の信用と評判を奈落の底に落としてつぶしてしまった』となるだろう。
YCC などと、わけのわからない名をつけているが、要は「長期金利を中央銀行がコンとロールできる」というおこがましい思想は、古今東西、黒田日銀(と、一時豪州中央銀行)だけのものだ。他の中央銀行は長期金利を政策金利に入れていないし、黒田総裁以前の日銀も、「長期金利はマーケットが決める」と説明していた。
「短期金利は中央銀行が決める、長期金利はマーケットが決める」が金融界の常識だった。それに黒田総裁がチャレンジし、やはり間違えた!ということだろう。しかし、そのツケは非常に大きい。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB293F30Z20C22A6000000/
3.「指値オペで日銀が国債を買いささえていればどうなるか?」
昨日の日経新聞夕刊の菅野さんの論考は、続けて「市場が出口近しと判断すると、大量の国債売却投機が発生する」「(日銀は)いくらでも買い入れることが可能だが、出口では大量の国債を買い支えせざるを得ず、日銀の国債保有は急速に膨らむ。こうしたなかで利上げが進むと中銀預金(銀行からの預かり金)への付利がかさみ日銀の収益環境は悪化する。最終的には日銀が債務超過となるリスクも出てくる」
これって「もう日銀に出口は無い」としか私には翻訳できないのだが菅野さんは本音で、どう思っているのか、今度、お会いしたら、聞いてみよう。
「日銀は大丈夫」とお念仏を唱えている方々も誰も出口を見出しているようには見えない。「出口を教えてくれれさえすれば、私も『ハイパーインフレ説』を撤回するのだが。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB293F30Z20C22A6000000/
4「市場経済に根差す『資本主義』への回帰が不可欠」
私の尊敬する元日銀理事の山本謙三さんが昨日更新されたブログ。
「アベノミクスは「新自由主義」と称されることがあるが、誤解だろう。(略)巨額の財政赤字と超緩和的な金融政策は、市場機能と競争原理を歪めた。むしろ市場経済からの離反が進んだ時代だった。(中略)岸田政権が取り組むべき課題は、生産性の向上だ。その実現なしには、分配に回す資金も出てこない。「新しい資本主義」というよりは、まず、市場経済に根差す「資本主義」の基本に立ち返ることが重要ではないか」大いに賛成。その通り。日銀が日本1の株主で、日銀が長期債市場で圧倒的存在で金利をコントロールしているなど「The 計画経済国家」そのものだ。
5.「ウインブルドンでコロナでの棄権相次ぐ」
ウインブルドン・テニスでコロナの陽性反応による棄権が相次いでいるそうだ。この事態に対しナダル選手は「(大会運営の)適切なやり方を怠っているわけではない。ある時点で普通の生活を送る必要がある。非常に危険な健康問題を起こすかどうかという点では、今それほど危険ではないように見える」と私見を述べたそうだ。私の考え方は、これに近い。(専門家ではないので、単なる一個人の感想)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62270400R00C22A7UU8000/
6.「暑い!!撤退しておけばよかったのに」。
本日は午前中、テニス。ただ1試合で撤退。明日もきっと1試合で撤退だろう。黒田さんも「赤字垂れ流しは辞めてください。ばらまきはやめてください。日銀はもう国債を高ニュしません」と、途中ででも、ちゃんと安倍政権に対し、財政ファイナンスを断っていればよかったのに。断れなくてずるずるインパールまで行ってしまうのが財政ファイナンスの常。だからハイパーインフレ、
7.「日本保有の米国債をすべて売却したら?」
昨日、以下のリツイートが私のtwitterに来た。
「日本が保持する莫大な米国債をこの際、売ってしまえばどうでしょうか。日本がそれで金買えばどうなりますか?」
私の返信は以下の通り。
「米国の長期金利暴騰で、日米長期金利差急拡大。円暴落で、とたんに悪性インフレ発生、日本は即刻、死亡宣告となってしまうでしょう。米国に『米国債売るぞ』と橋本龍太郎元首相のようにプレッシャーをかけられたのは財政が健全、日銀財務も健全で、インフレ対応が出来たころの話です。放漫財政はすべてをぶち壊してしまいました」
8.「日本人の頭脳程度は低くない」
昨日、以下のリツイートが私のtwitterに来た。「何度も、何度も円は石ころになる、円を売ってドルに換えなさいと言ってます。日本人皆が円売りすれば本当に石ころになるのに、です。これを一般的には煽りと言います」
私の返信は以下の通り。
「そんなこと言うと世界中の金融マン特に為替ディーラーから顎が外れるくらいに笑われますよ。日銀財務が健全で財政も健全なときに岸田首相やら東大総長が毎日『円は石ころになる』と言ったとこで日本人全員が、それ以上に世界中の人が、円売りをしますか?馬鹿にされておしまい。あなたはそんなに日本人の程度が低いとお思いですか?」
9.「危ない通貨を売るのはまずは自国民か?」
昨日、以下のリツイートが私のtwitterに来た。「同じように円安が止まらないと民衆が思えば、みんな競って円を売ろうとしますよね。 こうなると藤巻さんの言うように1ドル500円なんて事になりますよね。 民衆心理が一番怖いんです」
私の返信は以下の通り。
「危ない通貨をまず忌諱するのは外国に住む外国人です。自国民は最後までしがみついて、もっとも悲惨な目に会うのが歴史です。外国人は、冷静にその国を見ていて、危ないと思えば、すぐ逃げます。さらに売りあびせます。彼らではなくそのような脆弱通貨や中央銀行を作ってしまった政治等が悪いのです」
10.「金融不安の分岐点は?」
昨日、以下のリツイートが私のtwitterに来た。
「日銀と世界の中央銀行の政策を比較すると、円安はまだ続くでしょう。 ほどほどで止まると思いますけどね。 ちなみに2013年4月から日銀は異次元緩和やってますが、なぜ最近になって金融不安になったのですか?貴方の仰る金融不安の分岐点はどこにあったのでしょうか?」
私の返信は以下の通り。
「最初は日銀が純資産だったから。だんだん債務超過に近づには学問的には以下の3つの条件。債務超過が一時的。債務超過が金融システム不安で起こった時で中央銀行自身は健全の時、債務超過になっても税収で資本投入出来るとき。日銀には一つも当はまりません」
11.「藤巻は著名経済学者や評論家に20年間、失笑されているのか?」
昨日、以下のリツイートが私のtwitterに来た。
「藤巻の論理が破綻しているから誰も相手にしないだけ。 世界中の人は円が石ころになるなんて思ってません。 藤巻の論理を相手にしている人は皆無。 著名経済学者や評論家に20年間、失笑されています。 あまり相手にしない方がよろしいかと。」
私の返信は以下の通り。
「へ~そうですか。欧米では筆者の選考委員の顔ぶれでその雑誌の権威が決まります。The International Economy という世界的権威ある経済誌の選考委員はグリンスパン元FRB議長、トリシェ元欧州中央銀行総裁、ドラギ元欧州中央銀行総裁、サマーズ元米国財務長官、ジョージソロス氏等、錚々たるものです。彼らに選ばれて、著名大学教授、各国財務長官経験者等の20~30人が特集記事の執筆を依頼されます。私はかなり頻繁に執筆を依頼されています。私はきっとピエロ役なのでしょうね。気が付かせてくれてありがとう。もっとも黒田総裁が、選考委員に入っていたら、間違いなく私は選ばれないでしょうが(笑)、」