「インフレ終息のシナリオが実現する可能性は極めて低い(英エコノミスト紙)」「財政ファイナンスをしたのだからインフレに向かっているのは当たり前」他

2022年07月05日

1.「インフレ終息のシナリオが実現する可能性は極めて低い(英エコノミスト紙)」

本日の日経新聞に載っていた英紙エコノミストの翻訳記事。

「インフレに関する悪いニュースが引きも切らない(略)さらに、インフレ率がエコノミストの事前予想を上回る「インフレ・サプライズ」がかつてないほど頻発している」で始まり「理論上は、消費財が値下がりすれば先進国のインフレが沈静化し、『生活費の危機』が緩和され、中銀には政策余地が生まれ、金融市場は活性化される可能性がある。だが、多くの指標は今後も物価上昇が続く可能性を示しており、インフレ終息のシナリオが実現する可能性は極めて低い。当面はインフレが猛威を振るっても驚くことではない」で締めている。まさにその通り。金融引き締めは、まだまだ始まったばかりだと私は思う。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB030NF0T00C22A7000000/

 

2.「財政ファイナンスをしたのだからインフレに向かっているのは当たり前」

今回の世界的インフレは先人が「ハイパーインフレになるから禁じ手中の禁じ手」とした財政ファイナンス(=政府の歳出を中央銀行の信用供与によって賄う)を各国で実こうしたゆえに起きており、先人の教え通りの展開だ。ばらまいてしまったお金を回収しない限り収まらない。

それにかけて加えて、withコロナによる需要拡大。ウクライナ侵攻、中国のゼロコロナ政策などのせいで需給が引き締まったことが事態を悪化させた(ただ根本は財政ファイナンスによるお金のバラマキ)。

それに気が付いた欧米諸国は、やっとこそばらまいたお金の回収を始めた(米国は6月から)。しかし回収が終わりインフレが鎮静化するのは、先の先。長期金利は今後とも急騰していくだろう。

 

3,「日本は世界で段トツの財政ファイナンス」

日本は世界段トツの財政ファイナンスを行った上に、ばらまいたお金の回収さえままならない。お金の回収とは、「日銀の国債市中売却」or[「満期時、政府から元本償却を受ける」。お金を回収しようとすると、金利急騰で、日銀は債務超過&政府の金利支払い急増で予算が組めなくなる。それどころか国債購入(=お金のバラマキ)さえ辞められない。

どんどん回収されていくルト未来永劫にバラマキ続けられる円。どちらに価値があるかは明らか。円暴落

 

4.「ハチャメチャなMMT論者、積極財政論者」

財政積極派(=いわゆるMMT)もMMT論者もいい加減だよな~。MMT では「自国通貨である限り、インフレが加速するまでは、財政出動問題なし。インフレになったら税金を上げてインフレを鎮静化すればいい。それが税金の役割」のはずだったのに、物価上昇が問題になったら「増税!」と叫ぶどころか「減税!」とか「ばらまけ(=財政出動拡大)!」とか反対方向に大声上げるんだから。理論的な節操、持てよな!