「商品相場下落ではインフレは収まらない」「サタデイナイト・スペシャルの時と全く同じ道を歩んでいる」「中央銀行とは、本来がインフレファイター」他

2022年07月07日

1,「商品相場下落ではインフレは収まらない」

こういうニュースを見て、世界的なインフレが鎮静化する、中央銀行は引き締めを緩める、と分析すると相場を見間違う。今の世界的なインフレの根本原因は、先人が「必ずやハイパーインフレになるからやっちゃダメ」と強く言い残した経験から学んだ教訓を無視し、財政ファイナンス(=政府の歳出を中央銀行の信用供与によって賄うこと)を多くの国が行ったから。他国はそれに気が付いてばらまいたお金の回収に入ったが、まだほんの序の口。これほどお金がだぶついた時期はかってない。だぶついたお金を回収し終わるまでインフレは収まらない。その中でも、日本は世界最大限の財政ファイナンスを実行し(発行国債の半分以上を中央銀行が保有!!)、回収にも直手出来ないどころか未来永劫にバラマキ続得ざるを得ないのだからハイパーインフレ一直線。先人の知恵()財政ファイナンスは禁じ手中の禁じ手)を証明する役割。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB047FL0U2A700C2000000/

 

2、「サタデイナイト・スペシャルの時と全く同じ道を歩んでいる」

スタグフレーションが予想されるから中央銀行は金融緩和を一時中断するだろう」とのド甘な分析が、この1週間近く蔓延していたが、ありえない。中央銀行とは、本来がインフレファイターだ。インフレは経済にすさまじい悪影響を及ぼすし、政治的にも致命的な悪影響を与える。

この1週間はまさに、1979年のボルカ―のサタデイナイト・スペシャルの時とそっくりだ。金があぶれている状態でインフレが進行しているのを見てボルカーFRB 議長は、金利引き上げではなく、お金の回収という異端の金融政策をとった。市場は「そんなことをすると景気が悪化するからお金の回収はすぐやめるだろう」と考えた。しかしボルカーは景気悪化も、金利暴騰(長期金利20%、FF レート24%)をも、ものともせずお金の回収を継続した。その結果、数年間、景気低迷期は続いたが、その後の1990年代の米国の黄金時代はボルカ―のおかげだと絶賛された。今は、当時以上にお金が世の中にあふれている(当時は財政ファイナンスなどしなかったのだから、ばらまいてもたかが知れていた)。お金の回収を終わらせないことには。インフレは収まらない。

 

3「中央銀行とは、本来がインフレファイター」

私が銀行マンだった頃は、「中央銀行とは、本来がインフレファイター」が世の常識だった。その意味で、インフレに対する対応手段を失った黒田日銀は、すでに中央銀行とは言えない。私が、先日、BS-TBS「報道1930」で日本に中央銀行はもう存在しない。あるのは紙幣印刷所に過ぎない。中央銀行の設立が急務と申し上げた理由だ、

昨日発表された6月のFOMC 議事録で、FRBは本来のイ姿であるンフレファイターであることが証明された。引き締めを加速させることはあっても、生半可なことでは引き締めをゆるめない。1979年~80年の時(=サタデイナイトスペシャルの時)と同じ発想だ。

ブルムバーグ曰く「高インフレが根付かないようにするには、経済成長の減速を伴うとしても、政策金利をより長期にわたって引き上げ続ける必要性があり得るとの認識で一致した」「その上で、「高いインフレ圧力が続くようであれば、さらに抑制的なスタンスが適切となり得るとの認識を示した」と記述。「インフレ期待が固定されなくなった場合、インフレ率をFOMCの目標に再び引き下げる上でより多くの代償が必要になる」と指摘した」

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-07-06/REM20UDWLU6A01?srnd=cojp-v2

 

4.「日銀が債務超過におちいった時マーケットは?」

日経新聞いわく「市場の反応が読み切れない面もある。日本総合研究所の河村小百合主席研究員は「政府債務が膨らむ中で日銀が債務超過になれば通貨の信認が毀損し、円安が一段と加速する」と予想する。あるヘッジファンドの幹部も「日銀が債務超過に陥ったというニュースが流れれば、海外勢は機械的に円を売る」と語る」この分析が正しいだろう。私は、債務超過拡大が明確化した段階で石ころ化だと思っているが。先日、衆議院財政金融委員会で藤巻健太衆議院議員の質問に対し、黒田総裁は「一時的には債務超過がありうる」と渋々認められた。しかし「中央銀行は継続的に通貨発行益(受取利子>支払利息)が生じるから大丈夫」と答弁された。嘘ツケ、だ。FRBは確かにそうだろう。しかし日銀の場合は債務超過になった後は、継続的な通貨発行“損” (受取利子<支払利息)の発生が予見される。益ではない。損である。日銀の信用失墜、円の石ころ化は逃れようもない。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB07APP0X00C22A6000000/

 

5.「浅田均先生」

私はもう政治には興味がない。自分が非力だったせいもあるのが、「この国は政治では変わらない」とつくづく思うからだ。結局、市場の暴力という形でしか日本は変われない。しかし市場が悪いわけではない。おできがドでかくなり、このままでは膿が全身にまわって死んでしまう。その前におできに針で穴をあけるのが市場なのだ。おできを大きくしてしまったのは政治のミスであり、国民はその巨大なツケを払うことになる。だから頑張ってもらわねばならない議員もいる。参議院議員時代、「この先生なら」と思った数少ない政治家の一人は、見識があり、頭脳明晰で、国を思う気持ちの強い大阪地方区の浅田均先生。

6.「銭湯の入浴料、なぜ統制するのか」

本日一番、驚いたニース。銭湯料金はいまだ「統制額」とされ、都道府県が物価統制令に基づき決めているそうだ。物価統制令は。終戦直後のインフレを抑えるために1946年に施行された法律だそうだが、何だ。この国は?やはり資本主義(=市場経済)国家ではなかった。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD0459A0U2A700C2000000/

 

7.「本日は七夕」

近所の幼稚園の七夕飾り。もう20年以上、毎年、我が家で間引いた笹を差しあげている。

七夕①

七夕②