1.「長期金利を操ろうとしてきた日銀は、追い詰められている」
日経新聞が、やっと本質を突いた記事を書き始めた。いい記事だ。日経新聞いわく「「長期金利は将来の経済成長やインフレ率に関する市場参加者の予想を映すのが本来の姿だ。それをむりやり押さえ込んできたツケは重い。手品には必ずタネがある。投機筋はそこをつく。0.25%の上限をいつまで守り切れるのか。長期金利を操ろうとしてきた日銀は、追い詰められているようにみえる」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA054KT0V00C22A7000000/
2.「長期金類をコントロール出来なくなった日が日銀と円の終わりの日」
YCC などと日銀は、何か素晴らしい金融政策かのごとき幻想をふるまき、マスコミも当たり前のごとくにそれを扱ってきたが、YCCは所詮は長期金利をコントロールしようとした政策だ。先に述べた日経記事中の福井元総裁のお言葉にあるように、「中央銀行は長期金利をコントロール出来ない」。それが我々金融マンの常識だった。バーナンキ元FRB議長も明言しているし、黒田日銀以前は、日銀自身が一般向けホームぺージ「教えてよ、日銀」にも書いていた。出来ないことを行えば、必ずや膿が溜まって、とんでもないしっぺ返しを受ける。そのしっぺ返しとは日銀と円の終焉である。そもそもは財政赤字を放置し、その危機を財政ファイナンスで先送りしたツケ。先の記事には「10日投開票の参院選後に、黒田日銀がどう動くかに注目したい」で結んでいるが、黒田総裁は何もできない、出来て0.25%の目標を0.3%にするくらいだ。それ以上は評価損が大きくなり過ぎて出来ない。市場はそれだけか?と思い、さらなる売り浴びせをするだろう。円安が進行し、日銀は万事休す。
3.「今ほど為替が簡単な時は無い」
何度も言うが、長いディーリング人生の中で、今ほど為替が簡単な時は無い。136円など、まだまだ円安進行の序の口だ。マーケットは一直線ということは無くアップダウンをしながらトレンドに沿って動くが、今ほど一時的に円高に振れても心配にならいことは、かってなかった。トレンドとして円高になる要因がほぼ皆無だからだ。ドルを買ったら酒を食らって寝ていろ!だ。この記事も円安進行の理由の一つ。6月からFRBは財政ファイナンスでばらまいた資金の回遊を始めた。今後ともすさまじい回収が起こるだろう、そうしないとインフレが収まらない。ドル資金の奪い合いが始まる。一方の円は、6月に月間史上最大の国債購入(=お金のバラマキ)。未来永劫に円は垂れ流される。げっぷが出る以上に詰め込まれるとおなかを壊す。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62420080X00C22A7EN8000/
4,「消費税増税で財政再建は出来るのか?」
先日、私のtwitterに以下のリツイートをいただいた。「消費税を50%に上げれば歳入が80兆円増えるのでたった15年で国債全部を償還出来るようにも見えます…」
私の回答は以下の通り。
「80兆円増収だと、単年度だいたい40兆円くらいの赤字ですから、単年度40兆円の黒字になります。1240兆円の赤字を返済するためには1240兆円÷40兆円で31年必要です。ただし金利がゼロのままで政府の金利支払いがその間増えないとの前提ですが。しかし、この国で50%の消費税は政治的に無理。だから残る選択肢は踏み倒し(=ハイパーインフレ)になるだろうと言っています」
5.「日本の中でお金が右から左、左から右」」
先日、以下のリツイートが私のtwitterに来た。「なぜ回収しなけらばいけない? 単にばらまいた金は家計の預貯金などにあるだけ、日本の中で右から左に移動しただけ」
私の回答は以下の通り。
「右(政府)から左(国民)に移ったお金はハイパーインフレという形で左(国民)から右(政府)に戻るだけ。政府(右)は究極の財政再建達成だが、国民(左)は地獄」
さらに文句(?)が来た。「なぜハイパーインフレで戻る必要があるんだよ」
私の回答は以下の通り。
「右(政府)にお金が足りなくなってしまうから」
6.「ドイツやスイスでは、バラマキを主張する政治家は選挙で落ちる」
先日、私のtwitterに以下のリツイートをいただいた「最後は国民が地獄を見るってことですよね。今の日本進むも地獄、戻るも地獄ですけど」。
私の返事は以下の通り。
「バラマキ等の放漫財政のツケですね。それが分かっているからドイツやスイスは憲法に財政均衡を謳い、バラマキを主張する政治家は選挙で落ちる」