「動かない日銀を見てヘッジファンドのオーナークラスなら日銀財務の窮状を理解する」「ボルカーのサタデイナイトスペシャルはテールリスクか?」「フジマキはマネタリストか?」他

2022年07月12日

1.「動かない日銀を見てヘッジファンドのオーナークラスなら日銀財務の窮状を理解する」

本日の日経新聞1面トップ記事のサブタイトルは「首相  物価高対策『優先』」。どうして、物価に対して金融政策という最強の武器を持つ日銀が前面に出ず、私が習った金融論では、「中央銀行の最大の責務は物価対策とそれによる通貨価値の維持のはず:」だったが。この隠れてしまった日銀を見ただけで、ヘッジファンドのオーナークラスなら、日銀財務の窮状を理解するはずだ。政府が物価対策の前面に出るのは、「火災防止運動」の旗を警察が降るようなもの。警察では放火の数は減らせても火災被害総額は減らせない。武器が無いから。消防庁の仕事。

 

2.「政府がMMT 通りに動くならば」

MMTではインフレになれば増税や財政出動を絞って対処すると言っていたはず。政府がMMT 論者で理論通りのアクションを起こすなら、物価上昇対策として増税とし、財政出動を絞ることで対処するはず。

米国ではインフレ対策として財政出動を絞り、赤字縮小に努力する(その点だけはMMT と同じ)という。もっとも物価対策の主たる機関は中央銀行で、それを助けるための政府の努力が赤字削減努力。日本は全てが真逆。私がハイパーインフレ一直線という理由。

 

3.「日本の為替単独介入を米国は許すかもしれないが、効果は無い」

本日の日経新聞「、経済観測」。「FRBのシニアエコノミストなどを歴任したロバート・カーン氏いわく『(日米金利差が大きい限り、円への売り圧力はあり、自然な帰結だ。日本政府による単独介入なら米政府は理解し、大きな問題にはしないだろう。ただ、日銀が金融緩和政策を見直さない限り、効果もないだろう。一方、協調介入の要請には応じないはずだ。今の円の下落や為替市場の動きが無秩序とは到底言えないからだ」

日銀は金利を引きあげれば債務超過になるから金利を上げられない。したがってドル/円はどこまでも上がる続け、物価上昇も大変なことになる。国民が物価上昇をヘッジしたいならばドル高で儲かるものを買うしかない、それはドル。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA06B4H0W2A700C2000000/

 

4,「ボルカーのサタデイナイトスペシャルはテールリスクか?」

本日の日経新聞記事。この記事は「物価が十分に下がるまで金融引き締めを続け、景気の谷も深くなった1980年代の再来はないか。米景気の先行きは楽観を許さない状況にある」で締めている。この記事にもある通り、米国ではしばしばボルカーのサタデイナイトスペシャル(FFレート24%、10年金利20%)の再来の可能性の話が出るのに、日本では誰も気にしていないようにみえる。日本では相変わらず「見たくないものは見ない」主義なのだと思う。本当に起これば悲惨なのにテールリスクと片づけてしまう。私は決してテールリスク程に低い確率のリスクだとは思わないが。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62517470R10C22A7FF8000/

 

5、「フジマキはマネタリストか?」

昨日、以下のリツイートを私のtwitterにいただいた。「藤巻さんはマネタリストなんですね」

私の回答は以下の通り。

「私がマネタリストかどうかは知りません。世界の金融の世界で以前、常識と言われていた(日本以外では今でも常識と言われている)金融論を信じている人間です。一橋大学で財務会計&原価計算を専攻し、邦銀で金集めの実務をし、米国のビジネススクールで金融論を学び、その金融論を駆使して(市場で勝負をし勝たせてもらい、その実務を一橋大学で13年間、早稲田の大学院で6年間教えてきました。日本金融学会にも所属しています。その私が学び実践してきた金融論から、とんでもなくかけ離れたことをしているのが黒田日銀。私の主張は過激だと言われますが、そうは思っていません。黒田日銀がやっていることが、昔の金融論からすると、あまりに過激であるがゆえに、過激と思える結論(=中央銀行のとっかえ、円の石ころ化)しか残っていないと思っているだけです。

6.「時、すでに遅し」

昨日、以下のリツイートを私のtwitterに来た。「でもそれは、一般庶民に塗炭の苦しみを味わわせることになるんですけどね。地銀の倒産、国内生保の破綻など、機関投資家が持っている国債がパーになることによる負の現実は恐ろしい」

私の回答は以下の通り。

「だからバラマキ、財政赤字放置はいけないと私は25年間ずっと言い続けてきたのです。議員に立候補したのもそれを訴えるため(力及びませんでしたが)。日本は1945年8月15日に終戦を迎えましたが8月10日に「敗戦は国民に塗炭の苦しみを与える」と言われても時すでに遅し。どうしようもありません」

 

7.「私は根拠なく煽っているのか?」

一昨日、以下のリツイートが私のtwitterに来た。「大煽り。 根拠となるデータが一切出てこない時点で察してるけど」

私の回答は以下の通り。

「山もりの根拠データ。私が説明する必要もない。日銀のBS ,PLを見てみなさい」。