1.「ついに日経新聞もボルカーのサタデイナイトスペシャルについて書き始めた」
本日の日経新聞記事。きわめて重要な記事。ボルカーのサタデイナイトスペシャルの再来はテールリスク(起きる可能性が極めて低いリスク)ではもはやない」と何度も書いてきたが、ついに日経新聞も書き始めた。日経新聞いわく「似るのはオイルショックで物価が高騰し、米国の財政赤字が増え始めた1970年代だ。金・ドル本位制から管理通貨制度への移行は信用貨幣の膨張に扉を開いた」7「9年にFRB議長に就任したポール・ボルカー氏は金融政策の操作対象を短期金利から金融機関が持つ資金量に切り替え悪性インフレを抑え込んだ(藤巻注・この結果10年金利20%、FF レート24%)」「そして複合インフレの波は早晩、日本にも本格的に押し寄せるかもしれない。そうなれば、金融緩和は円への信認低下と財政の持続可能性への疑念の連鎖を呼び、社会不安のマグマをため込むことになりかねない」。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB00004_U2A710C2000000/
2.「日銀が金融引き締めが出来ない真の理由に外国人が気が付けば、日銀と円はThe End」
昨日、ブルムバーグは「金融政策決定会合で金融緩和スタンスを維持すると見込まれている。予想通りとなれば、インフレ高進に直面しながらも金融引き締めにちゅうちょする姿勢が鮮明になる」と書くが、日銀は、「金融引き締めにちゅうちょしている」のではない、引き締めが出来ないのだ。日銀が債務超過になり日銀と円がThe End になるからだ。
ブルムバーグは「ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のリポートは「日銀は難しい立場にある。超低金利策は中小企業の支援と政府の債務管理に必要だが、消費者は苦しんでいる」と分析した」と書くが、超低金利政策は「中小企業や政府の債務管理」のために必要なのではなく、日銀の生き残りのためにmustなのだ。
ブルムバーグでさえこうだから、外国人は、全く日銀の窮状に気が付いていない。いつまでも金融引き締めに入らない日銀を見て、その新の意味に気が付くだろう、その時は間違いなく日銀と円はThe End
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-07-17/RF58UXDWRGG001?srnd=cojp-v2
3.「インフレ燃料』を投下し続ける日本の未来は?」
本日の日経新聞いわく「『1.9兆ドルもの<インフレ燃料>を投下し、さらに無謀な支出を推し進めた』。(略)議会証言に立ったイエレン米財務長官は、冒頭から野党・共和党の上院議員らから集中砲火を浴びた」。米国はバラマキが、このインフレの原因であることを理解している。
日経新聞さらに曰く「本来なら財政出動が必要になるが、財政がインフレを悪化させた記憶は『恐怖症』として米議会の足かせとなる」。財政ファイナンスがインフレの元凶との認識が米国にはあるが、日本には皆無。世界段トツの財政ファイナンスを行い、お金がじゃぶじゃぶなのに、さらに、日銀、国、地方自治体がバラマキを行い「インフレ燃料」を投下し続ける。私がハイパーインフレになるという理由。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62694350X10C22A7FF8000/
4.「液化天然ガス(LNG)価格は日本の生命線」
本日の日経新聞いわく「燃料の調達コストは膨らんでいる。石炭の平均輸入価格は1年前の3倍強になった。液化天然ガス(LNG)も2倍だ。円安も進み輸入採算が悪化している」
昨日、液化天然ガスの値段高騰が日本を苦境に追いやるとの話を書いた。他国は原油価格が大きな問題かもしれないが、電力の原料を石炭と液化天然ガスに頼っている日本では液化天然ガスの値段こそが死活問題だ。ガソリン代の高騰、補填という次元の話ではない。
その液化天然ガスの値段が(サハリンⅡいかんなものの)今後さらに大幅に高騰しそうだと友人の準ちゃんは言う。もしそうなら貿易赤字のとんでもない拡大が予想される。円安/ドル高が大きく進む更なる要因。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62701440Y2A710C2MM8000/
5.「ロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプラインの話は他国の話では市生まされない」
本日の日経新聞記事。影響が日本に波及するかもしれない。日経新聞いわく「ロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプライン『ノルドストリーム』の供給途絶の可能性が浮上」。こうなると欧州勢が今まで馬鹿にしていた液化天然ガスを見直し、世界的なLNGの争奪戦が始まる。石炭とLNG に電力発電を全面的に頼っている日本は大ピンチだ。貿易収支も各段位悪化する。このニュースは欧米の話と高みの見物は許されない。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB13A4O0T10C22A7000000/
6,「出口戦略のシミュレーションをいまだに日銀は発表しない。なぜか?」、
先ほど、私のツイターに以下のyoutubeの紹介をいただいた。参議院財政委員会で質問に建っている動画だ
「藤巻先生が日銀に出口戦略を要求してから3年経ちます。出口戦略が未だになさそうな日銀、このままでいいですか。
私の返信は以下の通り。
「ご紹介ありがとうございます。私は財政金融委員会の理事でもありましたので、委員会としての要求にしようと努力していたのですが、私が落選して、立ち消えになりました。私の落選を一番喜んでいるのは黒田総裁と家内(注:政治が大嫌いでしたので)と言われれていた理由の一つです」