「世界の金融機関の中で世界最大の借金王は日銀」「中央銀行のインフレ対策、政府が台無しにする恐れ-IMF専務理事」「池上彰さん曰く『金融緩和は進むも地獄、辞めるのも地獄』」他

2022年07月19日

1.「大きな勝負をするときは、現地を実際見てくることが重要」

昔から、大きな勝負をするときは、自分で現場を見ることを常としている。情報が重要なのはもちろん基本のキだが、最大限の勝負をするときは、現場に飛び、自分の5感で感じ取る必要がある、現地を実際見て、リスクテーカーだった昔の友人等と会って議論をしなければならない。先日1か月間米国に行って実感したことは「米国のインフレはすさまじい。1980年代を彷彿させる。少しぐらい景気が減速しようが関係ない。(マーケット参加者はいざ知らず)引き締めが必要だと、皆が感じていること。

 

2,「世界の金融機関の中で世界最大の借金王は日銀」

本日の日経新聞1面トップ記事。いわく「各国の金融引き締めで債券利回りが急上昇し、利回りと反対に動く価格は急落した。債券市場が収縮し、債務に依存してきた世界経済が曲がり角に差し掛かっている。下落が続けば、国債を多く持つ金融機関の経営リスクも高まる」。世界の民間金融機関が大量の国債を抱え窮地に落ちっているとの話だ。日本は民間金融機関保有の国債を10年近くにわたって「異次元緩和」の美名のもと、日銀が買い漁ってきた。民間銀行のリスクの大部分を日銀が肩代わりした状態。金利が上昇すれば民間金融機関であろうが中央銀行であろうと危機に陥るのは同じ。世界最大の国債保有銀行・日銀は虫の息に。日銀が「債券指値オペ」で必死になって長期金利を抑えにかかっている理由である。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB07B490X00C22A7000000/

3.「財政が行き詰まるリスク」

 本日の日経新聞1面トップ記事いわく「エネルギーや食料高で家計を支援するための財政出動圧力が高まり、南欧や新興国の財政が行き詰まるリスクが意識されている」「低金利の環境下で債務に頼って成長を底上げしてきたが、その前提は揺らいでいる」

世界段トツの借金大国は日本。金利が上昇すれば借金額が大きいだけに日本が一番危ない。何とか、今のところ日銀が債券指値オペで長期金利を低位に抑え込んでいるが、円安でインフレが加速していったとき、どうなるか?抑えきれなくなると日銀も財政もアウト。平時にバラマキを続け世界最大の借金国とし、財政ファイナンスで危機を先送りしてきたツケ。政策ミスの代償。「MMT論者」「積極財政論者」「統合政府で考えれば財政は健全」論者のせいで、国民は塗炭の苦しみを味わうことになる。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB07B490X00C22A7000000/

 

4.「中央銀行のインフレ対策、政府が台無しにする恐れ-IMF専務理事」

昨日のブルムバーグ記事。ブルムバーグいわく「Michelle Jamrisko国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は16日、中央銀行によるインフレ対策の取り組みを台無しにしないよう、各国政府は最も脆弱(ぜいじゃく)な層への生活費支援に集中する必要があるとの見解を示した」要は(日銀を除く)世界の中央銀行が金融引き締めを行うなか、政府が「物価対策」として「バラマキ」を行えばインフレが加速するぞとの警告。

国と地方政府だけでなく、肝心の日銀が「インフレ燃料」をバラマキ続けているのだから、近いうちに日本は悪性インフレ、ハイパーインフレ必至。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-07-17/RF53SRDWRGG001?srnd=cojp-v2

5.「池上彰さん曰く『金融緩和は進むも地獄、辞めるのも地獄』」

昨晩、Twitterに以下のリツイートをいただいた。「今日、池上彰さんが地上波で金融緩和は進むも地獄(円安・物価高)、辞めるも地獄(日銀の保有国債評価損)と言ってました。つまりもう終わったと言ったのと同じです。これがトリガーにならないか心配です」

私の返信は以下の通り。

「もう10年ほど前でしょうか、私が大阪毎日放送のお化け番組「ちちんぷいぷい」でコメンテーターをしていた時、池上さんと一緒になったことがあります。『今度私の本お送りしますね』と申し上げたら、『藤巻さんの本はいつも買ってますから大丈夫です』とおっしゃってくださいました。彼の勉強量は半端ではないです」

 

6「海外での知名度の急落」

昨晩、Twitterに以下のリツイートをいただいた。「一つだけどうしても理解できない点ですが「外国人はまったく気付いていない」のくだりです。世界的に著名な藤巻先生が何年も前から声を大にして訴えておられるのに何故⁇」

私の返信は以下の通り。

「私が現役を退いてから早20年。現在の海外での私の知名度は格段に落ちているでしょうから。雲泥の差でしょうね」