1.「止まらぬ円安,物価高日本経済は大丈夫か?」
昨晩、生放送された「Arc Times」のオンラインのニュース番組「The News」のタイトルは「止まらぬ円安,物価高 日本経済は大丈夫か?」でyoutube チャンネルでご覧になることができます。
2「ハイパーインフレは中央銀行が信用を無くしたときに起こる」
昨晩、以下のリツイートが私のtwitter に来た、「終戦直後のハイパーインフレは戦災による物資欠乏も重なったからああなったのであって現在はどちらかと言えば物資過剰だからハイインフレぐらいに収まりそうな気がするんですが間違ってるかな?」
私の回答は以下の通り。
「終戦直後より戦争中の方が物資不足です。ハイパーインフレはモノの需給で決まるのではなく、中央銀行が信用を無くし通貨が信用を失ったときに起こります。いくらモノがあふれていても石ころ化した通貨では誰もモノを売ってくれません(=それでもその通貨で買おうとするとリヤカー一杯の通貨が必要)。戦後、ドイツが古い中央銀行ライヒスバンクをつぶし(=ライヒスマルクは紙切れ)、財務が健全な新中央銀行ブンデスバンクを作ったことによりハイパーインフレは鎮静化しました。モノの供給量はほとんど変わらなかった、にもかかわらずです。
3「ばらまかれた金はどこに?」
昨晩、以下のリツイートが私のtwitter にいただいた。「拝聴いたしました。 司会の方がまともな見識を持っていたので議論になっていましたが、荻原さんはピンときていないようでしたね。 見ていて長年の疑問を思い出しました。 日銀が刷りまくった紙幣の行方です。 国民にまで染み出して来ていないと思うのですが、どこで滞留(流出)しているのでしょう?
私の回答は以下の通り。
「現在ばらまかれたお金は銀行間市場にとどまっています(=マネータルーベースの急増)。ここで景気が良くなり銀行融資が活発になると信用創造により市中にお金が溢れかえってしまいます(=マネーストック急増)。銀行間市場のお金はマネタリーベースというくらいでこれはべース、タネ銭です、タネ銭が大きい時、景気が良くなれば、銀行貸出によって(=信用創造)とてつもない額のお金が世の中に流通して悪性インフレになってしまいます。「逆説的だがオリンピックで景気が良くなれば日本は悪性インフレでアウト」と私が予想した理由はそこです。幸い(?)オリンピックではそれほど景気が盛り上がらず貸し出しが伸びないので破綻は避けられました。それがゆえに現在、悪性インフレが発生していないのです。ところが貸出が伸びなくても、銀行間市場へのお金の放出で、日銀の財務が急速に劣化してきました。債務超過の危機です。これが起こればハイパーインフレです。もし日銀がインフレにもかかわらず低金利に押さえたら実物買いのための銀行融資が急増する可能性もあります。そうすれば市中に金が流れ出し、インフレは悪性インフレへと向かう。そのようなシナリオも考えられます。何はともあれタネ銭がジャブジャブであることに変わりはありません。種銭は未来英語に増えざるを得ません。辞めると政府が財政破綻を起こすからです。要は私たちは火薬庫の上で寝ているようなものなのです。
4『禁じ手中の禁じ手』の財政ファイナンスを行ったのだからインフレくらい起きて当たり前
昨晩、以下のリツイートが私のtwitter にいただいた。「歴史を見る限り、どの通貨も例外なくインフレに見舞われて減価しているように思いますが、違うのでしょうか? 韓国のウォンとか、ベトナムのドンは通貨単位が安いですが、これは過去に大きなインフレが起きた証拠でしょう」
私の回答は以下の通り。
「G 20の多くの国では財政ファイナンスをしたせいで通貨の価値が下がっています(=インフレ)。財政ファイナンスは『ハイパーインフレが起きるから』と世界中で『禁じ手中の禁じ手』だったのですからインフレくらい起きて当たり前でしょう。ただ為替は相対論です。もっとも大規模に財政ファインナンスを行った日銀が発行する通貨・円が最弱になるのは当たり前。これから日本はすさまじいインフレに見舞われると思います」
5「ドル高に暗黙の承認か、米当局けん制発言なく-高インフレで様変わり」
昨日のブルムバーグニュース「大統領経済諮問委員会(CEA)のジャレッド・バーンスタイン委員は18日のブルームバーグテレビジョンの番組で、『それは確かにわれわれが大統領と話している話題だ。彼のドルへの関心は非常に高い。インフレ圧力が心配なら、より強いドルは輸入物価を安く抑える効果がある』と語った」