「今の米長期国債の価格はバブル(長期金利が低すぎる)だ」「世界的インフレの原因はモノの需給ではない」.「購買力平価で為替を予想できるか?」

2022年08月01日

1.「今の米長期国債の価格はバブル(長期金利が低すぎる)だ」

昨日も書いたが、今の米長期国債の価格はバブルだ。9月に政策金利を0.65%上げれば、10年金利が今のままだと10年金利が政策金利より低くなってしまう。常識的には考えられない状況だ。起こるのはサタデイナイトスペシャルのように金利全体が暴騰した時のみだ。

逆イールドカーブでさえ、私の長いディーリング人生でも数回しか起きていない。その時は純イールドにすぐ戻ると考え、イールドカーブスワップを組んで大儲けした。その経験が2度ほどある。逆イールドさえめったに起こることは無いのに、政策金利より10年金利が低くなるなど超異常事態だ。まさに日本の株バブル期末と同じ。日経平均が8万円に行く、10万円に行くなどと冷静に考えれば異常なことなのに常識を無視して突き進んだ時代と同じということ(結局は38915円がピーク)米10年金利は急騰、日米金利差拡大でドル/円の急騰を予想する。

 

2.「世界的インフレの原因はモノの需給ではない」

確かのこの記事が書いてあることは間違い何のだが、今の世界的インフレの根本原因はモノの需給ではない点に注意が必要だ。そうでないとマーケットやFRB のスタンスを見違える。確かにお金の量が一定の時は、モノの需給でインフレの深刻さが決まる。しかし今、世界は、財政ファイナンスの結果、お金がとんでもなくジャブジャブだ。それが今のインフレの主因だ。金本位制を廃止してから、こんなにもお金をばらまかれたのは初めて。当然、お金の価値が劣化する(=モノの値段が上がる)

今までで、お金がもっともばらまかれたのは1970オ年代末期であるが、この時はボルカーが、「インフレの主因はお金過剰」と看破し回収を図った。それがサタデイナイトスペシャルだ。今は、その時よりはるかにお金が溢れているし、回収は始まったばかりだ(米国は7月から)。この回収が終わらない限りインフレは収まらないしFRB は強い態度で臨むだろう。日本は、財政破綻を回避するために世界の中でも各段にお金をばらまいた。そして回収手段もない。円暴落の理由。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB263SP0W2A720C2000000/

 

3.「購買力平価で為替を予想できるか?」

昨日、私のツイターに以下のリツイートが来た。「購買力平価との乖離が大きすぎて、気になりますね」

私の回答は以下の通り、

「グローバルマクロのヘッジファンドのオーナーで購買力平価で勝負する人など皆無です。購買力平価は後になって為替レートの妥当性を証明することに利用する机上のツールの過ぎず、将来を予想するものではありません。いつを比較対象転移するかで結果が異なります。(続)2012年あたりち比べれば円安でしょうし1972年の360円当時と比べれば円高過ぎるでしょう。それにマクドナルド平価も円高だからレタス、牛肉、小麦粉が安く買えるのでありマクドナルドが安くなります。それを持って購買力平価はいくらというのもどうかと思います。どちらが卵か鶏かわかりません」