「ニューヨーク連銀の前総裁ダドリー氏の楽観論への戒め」「両巨頭は市場の楽観論に全く組しない」「各国の引き締め競争、自国通貨高競争が始まる」他

2022年08月02日

1.「明日、「X デイ到来 資産はこう守れ」発売!」

私のマーケットに対するスタンスは微動だに、していない。今はマーケットが一時的に舞い上がっているだけ。米国のインフレ状況、状況、中央銀行のインフレへのスタンス、日本の財政事情、日銀の窮状等が、頭の中で整理出来ていない人達が、この1週間の市場の動きでオタオタしているだけ。オタオタしいないためにも是非、明日発売の拙著をお読みドンと構えていただきたい。きちんとした現状分析がまずは第1歩。

X デイ到来

2,「ニューヨーク連銀の前総裁ダドリー氏の楽観論への戒め」

ニューヨーク連銀の前総裁ウィリアム・ダドリー氏のコラム。私の考え方は全く同じ。「投資家の間では最近、奇妙な楽観が広がっている。米連邦公開市場委員会(FOMC)がそれほど積極的に追加利上げをしなくても済むという楽観だ。インフレを制御できる日は近いという希望を背景に、株式や債券が買われている。この希望的観測は根拠がないだけでなく、非生産的だ」

インフレを制御するには、これまでより多くの雇用が犠牲になる必要があるということだ」「市場の希望的観測は金融環境を緩くすることによって、金融当局の任務を難しくするだけだ。それを相殺するために、さらなる金融引き締めが必要になるからだ」

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-01/RFXTQNDWX2PW01?srnd=cojp-v2

 

3.「両巨頭は市場の楽観論に全く組しない」

昨日のブルームバーグ記事。ブランシャール氏、サマーズ氏の世界の両巨頭はダドリー前ニューヨーク連銀総裁と同じ意見だ(ついでにフジマキも)。FRB(&バイデン大統領) の現在の最大の懸案事項であり、目標であるインフレ鎮静化には、「失業率の急上昇を伴うほどの強烈な金融引き締め」が必要ということ。両巨頭は、マーケットの楽観論に全く組みしていないということだ。。ボルカ―のサタデイ・ナイトスペシャル(10年金利20%、FF レート24%)の到来が近づきつつある。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-01/RFY68SDWLU6801?srnd=cojp-v2

 

4「楽観論への戒め」

ウォールストリート紙記事。さすが、米紙はきちんとした冷静な分析が多い。投資家たちは、非常に暗い気分から抜け出し、曇りがちなニュースの中からさえ、株価を支える幾筋かの光を見いだした」「来年には利下げに転じるのかとの質問に対しては、2023年に入ってもさらに金利が上昇するとの先月の予測内容を改めて指摘した。市場はこうした発言を無視した。米経済は減速しているようだとの認識をパウエル氏が示したことだけに、投資家は注目した(中略)。これを受けて投資家らは、来年の利下げペースが想定よりも速くなることに賭けた。このため債券利回りは低下し、ナスダック総合指数は4%急騰した」「現実を無視して、聞きたいことにのみ耳を傾けるという対応は、おかしなことのように思える」「相場上昇維持のためには、単なるセンチメント以上の支えが必要だ。FRBの来年の動きについて、投資家の判断が正しく、FRBが間違っていなければならない」「FRBが適切なタイミングで方針変更を図る可能性が最も高いとの確信を持っているとは、とても言えない」

https://jp.wsj.com/articles/the-power-of-positive-thinking-returns-to-markets-11659319095

 

5.「各国の引き締め競争、自国通貨高競争が始まる」

昨日のブルムバーグ記事「(英中銀)はここ40年で最悪のインフレを抑え込むため、歴史的な金融引き締めを加速させる。英中銀は今年のインフレ率が11%に達する可能性があるとしている。中銀目標は2%」「英中銀は他の金融当局、特に過去2回で計1.5ポイントの利上げを実施した米連邦準備制度に後れを取ることも懸念している。ポンドは今年ドルに対し10%下落しており、利上げは通貨下支えの意味もある」マーケットに広がる「米国の金融引き締め解除予想」などちゃんちゃらおかしい。世界の金融引き締め競争はこれからが本番。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-01/RFX7ASDWLU6801?srnd=cojp-v2

 

6.「日本経済全体が停滞してもいいのか?」

私の尊敬する元日銀理事の山本謙三さんのコラム。今月は金融関係ではないが、納得のいく記載が多い。「大都市圏と地方圏に成長力格差がある限り、大都市への人口移動は続く。万一これを人為的に止めれば、日本経済全体が停滞する。言い換えれば、日本経済の活力を損なうことなく、地方創生を実現するには、地方産業が大都市圏並みの所得を稼ぎだすしかない」「人がそれぞれの好みに応じて住居を選ぶ自由は、当然尊重されなければならない。テレワーク移住もその一つだ。地方自治体が、自己努力として移住支援金を出すのも自由である。しかし、国が国民の税金の一部をテレワーク移住に分配することに、どれほどの合理的な理屈と効果があるか」まさにおっしゃる通りだ。地方選出議員の票獲得のためにバラマキが行われている。これでは、日本が世界最大の財政赤字国であり続け、近き将来、国民が大きなツケを払わされるのは致し方ない。

https://www.kyinitiative.jp

 

7.「獺祭の売上高が最高更新へ』が意味するもの」

昨日、ブルームバーグが獺祭の売り上げを取り上げている。獺祭の発売元「旭酒造」の櫻井会長とは獺祭がブレークする前からのお付き合い。櫻井社長の岩国での結婚式にも呼んでいただいた。私が連載している婦人画報の連載でも、5月号(5月1日発売)でご登場していただいたばかりだ。以下、その記事の一部。「円は急落する。だからこそ保険の意味でドルを買っておけと私は普段から口を酸っぱくして言っているわけだが、櫻井さんはそれを実践しているのだ。日本の原材料でお酒を造り海外で売れば円安/外貨高時には、利益は大きく膨らむ。外貨資産を保有しているのと同じ効果がある。円安/外貨高で外国人にはおいしいお酒がより安く買える。販売増は間違いない。 さらに櫻井さんはNYの物価上昇は半端でないとおっしゃった。私の仕入れていた情報通りだ。獺祭も値上げしたという。輸出用のコンテナ船の予約が取れなかったとき、倍の値を出しても船を抑えろと号令を出したが、その大幅支出増も値上げで埋め合わせが出来たそうだ。このお話を聞き、私は、米国の利上げで日米金利差が開き、円安は加速すると確信した」

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-08-01/RF54ZUDWLU6801?srnd=cojp-v2