1.「日本は4重苦」
本日発売の「婦人画報」の私のインタビュー連載では、入社数年間を除いてエネルギー畑一筋、その道のプロ中のプロ、柳井準ちゃんに今回は話を聞いた。準ちゃんは元三菱商事副社長、私の雙葉小学校付属幼稚園のクラスメートだ(クラスは女子26名、男子4名の私の至福の時代)。この取材は、「サハリン2から日本がどれだけの権益を守れるか」の予想がつかない7月12日に行われたのだが、話してくれた内容は決して陳腐化していない。「日本は、この40年間で世界ダントツのビリ成長、そして現在、世界ダントツの財政赤字国家、中央銀行は世界最大のメタボ」の3重苦だと私は警告を与え続けてきたが、準ちゃんの話を聞いて、「エネルギー自給率がG20で最低」という4重苦目をつけ加わえなくてはならなくなってしまった。
2.「婦人画報10月号」
以下、婦人画報10月号の私の連載記事の一部。「金融マーケットは 世界のインフレの動向を知るうえで原油価格をかなり気にします。金利や為替に大きく影響することが度々あるからです。そこで、柳井さんに、原油価格の先行き予想を聞いたところ、「もう少し上げるかもしれないが、暴騰は無いのではないか」との回答でした。「それじゃ安心だ」と思っていたら、とんでもない、その後の話に背筋が凍りました。液化天然ガス(LNG)は、将来、高い金を払っても手に入らなくなる可能性があると言うのです。(略) 「これからLNG争奪戦に巻き込まれスポット市場(長期契約ではない)で購入すると5~10倍の値段を払わされる可能性もある」と柳井さんは言うのです。他の輸入国は、石油・ガス権益の見返りに「武器を提供する」とか、「産油国がいざというときには軍隊を出動させて助ける」との条件を提供して、獲得に走ることができますが、日本には同様の手段を講じる術はありません。「いくら高いお金を出しても買い負けるリスクさえある」と言う柳井さん。2度のオイルショックをバイヤーとして経験し、著名なサウジアラビアのヤマニ石油相とも交渉した経験があるので、総危惧するのです。ある準ちゃんは危惧するのです。(略)ところで現在、日本のエネルギー自給率はG20の国々の中でダントツのビリとのこと。「日本国民は危機感が無さすぎ。(略)」と嘆いていました(略)」。
3,「アベノミクスの核心は禁断の『錬金術』」
昨日の朝日新聞「多事争論」は、異次元緩和に渡し同様最初から反対していた原真人編集委員の論考。いわく「アベノミクスの核心、それは先進国家にとって禁断とされていた「錬金術」に手を染めたことである。日本銀行に大量の紙幣(電子データも含む)を刷らせ、国債を買い上げさせて悪化する借金財政を支えた。
おかげで増税や歳出削減という不人気策は先送りできたが、財政事情は著しく劣化した。一時は政治家や国民の間に醸成されつつあった財政健全化の問題意識を消し去ってしまったのも、きわめて深刻だ」まさにその通り。
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