1,「ドル長期債購入は?」
米国資産がいいと言うと米国の長期国債を買う人がいるが、辞めたほうがいいと思う。小さな利回りの上昇は気にしない方がいい。債券は値段と利回りがコインの表と裏の関係だ。金利が上がれば値段は下がる。今、米国では、サタデイ・ナイトスペシャルがしばしば話題に上る。ジャクソンホール会議ではパウエルFRB議長も1970年代後半からのボルカー時代に触れた(10年物金利20%)。同じようにFRB がインフレを制御できなければ長期金利は跳ね上がる(=価格は暴落)。満期が来れば元本が戻ってくるというが、それは名目上の金額で、インフレになれば実質的な価値は急落している。今はドルMMF 等。短期のお金で為替の益だけを狙うべきだ。もっとも販売サイドはドルのMMF は手数料の儲けがほとんど無いので、他商品を売ろうとするだろうが、耳を貸さない方がいいと私は思う。
2,「男は泣いてはいけない。泣いていいのは財布を落としたときだけだ」
先代の林家三平師匠のお言葉だったと思うが、「男は泣いてはいけない。泣いていいのは財布を落としたときだけだ」というのがある。1974年12月、私は最初のボーナス20万円を飲み屋の帰りに落とし(当時は現金支給だった)涙した。私が4月にもらった初任給は3万円。6月に期中改定があり、6万円となった。日本列島改造論で高度成長期だった10年後の初任給は10数万円くらいだったと思う。1974年4月の3万円の初任給で10年国債3万円かったとして、満期の時に受け取るのは平均初任給の5分の1でしかならない。初任給だけでなく物価も同程度には上がっている)、今後インフレが進むと考える時に低利固定金利の長期債を買うのは愚かだと思う。金利上昇期には短期で運用し、1979年のように、上がりきったと思ったときに長期債の祈り変えるのが鉄則。
(なお、数字は全てうろ覚えです、数字の正確さではなく、何をお伝えしたいかの趣旨をお読み取りください)
3,「邦銀は米国債の逆ザヤに耐えられなくなるのではないか?」
1か月前ほどの新聞に邦銀がまだ米国の長期国債を大量に保有しているとの記事が載っていたと記憶している。まだ売っていなかったら邦銀はかなり苦しくなるはずだ。邦銀は円をドルに換え、そのドルを買っているのではない。ドルの短期市場から資金を借りドルの長期債を購入している。政策金利が来年初めには4%超えていくのなら10年もの金利が今の3.27%でとどまっているはずがない。ましてやサタデイナイトスぺシャルのようなことがあれば跳ね上がる。
もしFF レートがそのような経路をたどれば、邦銀は完全な逆ザヤになり耐えられなくなるだろう。投げ売りがあるかもしれない。そうなると米国長期金利はそれなりに上がる。ドル高/円安要因。なお、先ほど述べたように邦銀はドル調達ドル運用だから、長期債を売却しても邦銀のドル売りは起こらない。
4.「見習うべき英国議会」
流石、英国議会。民主主義の歴史が違う。このような軽い(?)質問だけでなく、経済、財政、防衛等専門性が入る分野でも役人の原稿なしに議論するような議会であれば、本当に国のリーダーにふさわしい能力のある人が国会議員になり、勉強し、真剣に考え、単なる政治屋さんがいなくなるんでしょうけどね。
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