1.「口先為替介入・為替介入の効果」
昨日のNY 市場は米10年金利が上昇したにも関わらず。円が3円近く買われ一時141円48銭までドル円は下落した。岸田・黒田会議で為替介入が警戒されたようだ。しかし、警戒感もすでに剥げはじめ、ドル/円は昨日底値から1円以上、円安方向に戻してしまった。終値は142円65銭。この無駄な口先介入の効果は来週初めには完全にはげ落ち円安方向が一層力強く進む結果となるだろう。口先介入は数を重ねれば効果が持続する時間が短縮し、最後は逆に介入した塗炭、ドル/円が逆に跳ね上がることになろう。実際に介入すえば、押し目を狙っていた遅れた投資家が最後の買い場。と殺到し、ドル円は跳ね上がると思う。長年マーケットにいて、当時、世界一の銀行と言われていたJPモルガンで、儲け頭だった経験者の予想だ(もちろん、だからと言って100%当たるわけではないが、素人予想よりましだろう)
2.「為替口先介入はドルの絶好の買い場。ましてや、実際の介入をや」
「為替介入が難しいわけ」は今朝の日経新聞がきちんとまとめてある。①インフレ抑制でドル高を望む米国の理解を得づらい②原資なしで介入できる「円売り介入」と異なり外貨準備の制約を抱える。③原資となるドル資産の大半は米国債で、大量売却すればかえって日米金利差の拡大を招く、またこの記事には「黒田氏は大幅な利上げは『経済にダメージとなる』とし、為替対応で政策変更に踏み込む可能性を否定している」とある。そりゃそうだろう。大幅な利上げをすれば日銀債務超過で、日銀倒産、日本経済は奈落の底に落ちるからだ。一方、長期金利の0.1%くらいのシミのような利上げだと、「やはり債務超過を怖がりそれしか出来ない」と見透かされてX デイの引き金になってしまう。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO64223600Z00C22A9EA1000/
3.「岸田・黒田会議」の邪推
昨日の「岸田・黒田会談」をマスコミは「為替のレベル、為替介入の是非」のための会談と断定しているが、本当にそうだろうあか?私の邪推は、以下の通り。総理「政府も物価対策に3兆円もの補正予算を組むのだから、日銀も協力していただけませんか?物価対策は本来、日銀の役目なのですから」」。黒田総裁「お手伝いしたいのはやまやまなんですが、無理なんですよ。金融引き締めすると日銀が債務超過になりがつぶれてしまいます。政府も金利上昇による支払い金利急増で予算組めなくなりますよ。こんなに巨大な借金額なのですから。デフォルトですよ。だから私は財政再建が重要だとずっと言ってきたではないですか!」総理「うーん。何か解決策はありますか?」日銀総裁「私たちの任期切れまでなんとかX デイを先延ばしするよう努力します。無理だという人が巷にはいますが」以上、邪推でした。
4.「ドルには『並外れた強み』、日本が介入しても勝算乏しい-サマーズ氏」
ブルムバーグニュースによれば、元財務長官でハーバード大学学長でもあったサマーズ氏は「一連のファンダメンタルズを考慮すればドルには一段の上昇余地があると述べた。日本当局が円の形勢を一変させるために為替介入に踏み切ったとしても、その効果は疑わしいとの見方も示した」そうだ。至極まっとうな意見だが、もしサマーズ氏が日銀財務の脆弱さを知ったら、FRBの引き締めの遅れをしばしば指摘してきた彼のこと、きっと私と同じように「円は紙くず化する」とおっしゃるのではないだろうか。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-09/RHYB22DWRGG001?srnd=cojp-v2
5.「日本政府が為替介入原資確保のために保有米国債を売れば、日米金利差拡大で逆に円安進行」
昨日、以下のリツイートが私のtwitterに来た。「米のインフレ退治の利上げによって金利差から円安が進んでいますが、外国資産を多く持つ日本政府がそこからドル調達して為替介入する可能性はありますか?」
私が行った回答は以下の通り。
「日本政府が持つ外貨準備の大半は米国債、大量ドル売りするには米国債の大量売りをせねばなりません。米債価格下落(=米国長期金利上昇)で逆に日米長期金利差拡大で円安ドル高要因となります。それに現在インフレ抑制が最重要命題の米国が、インフレ抑制の最大の武器のドル高進行を放棄するわけなし」
6「円が信用失墜したら、当面はドル決済が主流になるだろう」
昨日、以下のリツイートが私のtwitterに来た。「貨幣の退蔵という視点を入れた方が良いと思われる。 現時点では日本国内で米ドルを使って米やガソリンを買うことはできない。金塊でも買えない。 日本から出ない高齢者にとっての退蔵貨幣は円一択であり、ドルなどは紙切れと同じである」
私が出した回答は以下の通り。
「今は、お金を受け取る側が円を選択する限り円という法定通貨で払わねばなりませんが、両者が合意すればドルでの支払いは合法です。円の価値が失墜する場合、モノやサービスの販売者はすべからくドルでしか売らなくなると思います。モノがいくら余っていても石ころやは紙切れでは売りませんから」。
7.池田信夫先生のリツイート
昨日。私がtwitterに「来月に物価対策で補正予算を組むという。何という国だろう?物価対策の主役は中央銀行のはずだ。欧米はその常識通りに動いている。政府は裏方で微調整役のはずだ。それをこの国では中央銀行がダンマリどころか、金融緩和に固着(長期金利上昇を断固防止)し(続)」と書いたら池田信夫先生から、以下のリツイートをいただいた。
「それはそうでもなく、英トラス政権は価格統制と補助金というMMT的政策。単に首相が何も知らないだけかもしれないが」
私が出した返信は以下の通り。
「日本と違い、市場が機能している英国では、だから長期金利が上昇し、ポンドが下落しました。市場が監視役。日本は日銀が長期債を爆買いしているからいくら財政出動しても長期金利が上昇せず、政策ミスのつけがどんどん大きくなる。社会主義国家・日本の弊害」
8.「通貨は国力を反映するのか?」
昨日、以下のリツイートが私のtwitterに来た。「日本に売れる物、技術、サービス、住める環境、インフラがある限り円の価値は担保されますよね。ルーブルがそうであるように国に信用がなくとも、なぜかルーブルは紙切れになりませんね」
私が行った回答は以下の通り。
「通貨が国力を反映するのは『中央銀行が健全』という前提があっての話。 中央銀行の財務が棄損していればいくら国に力があっても通貨は信用失墜。もっとも国が健全で税収により中央銀行の赤字を補填出来るなら中央銀行の財務が劣悪でも通貨の信用は保たれる。しかし日本の予算は毎年大赤字。税種での補填は無理」