「榊原氏と当面の為替予想が同じ」「2022年末160円、2023年末 180円」

2022年09月12日

1.「榊原氏と当面の為替予想が同じ」

前にも書いたが、ヘッジファンドのオーナー会議を傍聴していたJPモルガン本店の米国人の営業部長からかって「会議で日本で誰が有名か?との話題になり、1位が榊原英資、2位が藤巻健太(私の長男。いつも私が日本経済のコメントに健太を引用していたから)、3位が橋本龍太郎首相という結論になったぞ」との連絡がきた。

ヘッジファンドのオーナー、世界の著名運用会社の幹部が来日すれば、榊原さんと私のところを訪問し、意見を聞くのが、ほぼ定番コースだった。ところが当時から榊原さんと私の為替予想は、いつも真逆。彼らはさぞ混乱したことだろう。その榊原さんと私の意見がこれからの2年間くらいは同じ方向のようだ。

 

2.「2022年末160円、2023年末 180円」

榊原さんは記事の中で「2022年の末ぐらいまでには、160円ぐらいまでいくだろうというのが一般的な見方ですね。さらに同じような状況が続けば、2023年の末には180円ぐらいまでいくんじゃないか」と言われています。私も榊原さんも過去の人とはいえ、「同じ方向の予想」の意味は多少なりともあると思う。それとも、いつも円高論の榊原さんが円安を予想するのなら、「これから当面は円高を主張できるファンダメンタルズではない」ということではないのだろうか?https://news.yahoo.co.jp/articles/b311b6ab7c1d0191d299743fa50e005b1258aa29

 

3.「どうやって金融引き締めをやるんでしょうか?」

榊原さんと私の意見がこれからの2年間くらいは同じ方向とはいえ、その後の引き締めで、円は反騰すると榊原さんはおっしゃるが、「日銀は金融引き締めをどういう方法でやるんですか?」とお聞きしたい。私も日銀が引き締めても自身が債務超過にならない手段を持っているのなら、まだ引き締めても政府がデフォルトしないのなら、何もハイパーインフレなど予測しませんが。

どう考えても引締めれば日銀はつぶれますし、政府は国債入札で未達発生、デフォルトになっちゃうと思いますけどね。

4、「為替を口先で動かせるか?」

昨日、以下のツイートがきた。「いつも勉強させて頂いていますが、『私も藤巻さんも余裕資産の9割は、ドルのMMFです』とワタミ会長渡辺美樹さんのブロクを引用は、いかがなものでしょうか? トレーダーの立場から円を売ってドルのMMFはわかりますが、それは見方を変えると円安をあおる道…。お二人とも元政治家、そのお立場としては?」

私が行った返信は以下の通り。

「なにをアホなことを。多少動かせるのは操作でいる人の発言のみ。操作出来ないのなら岸田首相であろうとバイデン大統領であろうと為替は動かせない。為替市場はあまりにも巨大。世界中の人を納得させ得るのなら神様。海辺に押し寄せる大波を子供が作った砂の防波堤で防御可能と言うのと同じほどあほらしい」

 

5.「ハイパーインフレになれば、放っておいても日本は復活か?」

昨日、以下のリツイートがきた「ハイパーインフレに、もしなったら日本企業は潤ってすごい強い日本が誕生しますね笑」

私が行った返信は以下の通り。

「超円安になると『海外進出した日本企業が日本に戻ってきて日本は大繁栄』というツイートを散見しますが間違い。正しく書きたいのなら『日本語の会社名が付いた外国企業が日本に帰ってくる』でしょう。すでに外国人が株主の日本名企業が多いですが、超円安になれば日本株は外国人にとって激安。日本企業の株は大部分外国人に買い取られるでしょう。(M&A という形でかもしれない)。会社は株主のモノが米国では当然(だから企業の国籍などに興味がない)。日本において日本人の安い労力(ドルで考えればタダで雇うようなもの)を使い、儲かった利益は外国人経営者と外国人株主に分配。日本名の外国企業が潤うことは日本が潤うことではない。ハイパーインフレになれば日本は安い労働力の供給国になり下がる」