「レートチェック」「世界的インフレの理由」他

2022年09月14日

1,「レートチェック」

経新聞いわく「レートチェックは円買い介入に向けた準備段階にあたり、当局が一段と警戒度を高めたことを意味する」。マスコミにこう書かせ、為替介入を経験したことのない現役トレーダーをビビらせる効果しかない。為替介入を経験したことのあるトレーダーなら、金利操作を伴わない為替介入など全く効果のないどころか、意図とは逆方向へ大きく動く契機になることを知っているから、円売りの絶好のそして最後のチャンスととらえるだろう。こんな状況で為替介入をやって、スカとなれば「日本は円安に対して何も手段がない」ことを世界にしらしめ、X デイ(日本宇路言い)の契機になる可能性大いにあり。金利をシミ程度しか動かせない為替買い介入は「やるぞ、やるぞ」と言っているうちが華。実施すれば悲劇のきっかけに。しかし、これまた何もやらないと市場に馬鹿にされるし、何も知らない政治家がうるさいから財務省もつらいだろうな~。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB144B50U2A910C2000000/

 

2、「世界的インフレの理由」

何度も書くが、今回の世界的インフレの原因は財政ファイナンスによる紙幣の刷り過ぎだ。それがわかわず、コロナ禍後の好景気のせいだ、ウクライナ問題のせいだなどと分析すると市場参加者にしろ、中央銀行にしろ、現状を見間違える。

お金がじゃぶじゃぶのまま、金利を上げても、株を売ったお金、債券を売ったお金は底値捜しをするだけで、再び市場に戻ってきてしまう。資産価格は、何時まで経っても暴落しない。日本のバブルと同じで資産効果による狂乱経済は何時までも続くということ。日本のバブル時代は自国通貨(円)が毎年30円、40円と急伸し続けたからCPIは安定したが、米国はドルの急騰が無いからCPIの上昇もいつまでも継続する。思い切った資金回収をしないと、いつまでもインフレは継続するということ。私が、1979年のサタデイナイトスぺシャル(FRB がお金の回収を政策目標とし、市場金利の高騰を放置。結果10年債金利20%、FF レート24%)再来を予想する理由。

欧米中央銀行が資金を回収し始めた(QT)のは、インフレの原因は「お金のジャブジャブにある」点に気が付いたから。一方、日銀はQTが出来ない。QEを辞めれば金利高騰で、日銀は債務超過、政府は支払い金利急増で予算を組めなくなるからだ。このことにより、円安進行は金利差の話どころではなく、とんでもなく跳ね上がるだろう。私が1ドル400円、500円(その後天文学的数字に)と予想する理由。

 

3.「経済がドン底に落ちても幸福でいられるか?」

昨日以下のリツイートが北。「米国経済が日本に大きな差をつけても合衆国市民が幸せになっているわけではなさそう」

私が下返事は以下の通り。「確かにそう。私(72歳)が小さい頃は冬、多くの子供の上着の袖はテカテカ光っていた。栄養状態が悪く鼻汁が出るのを上着の袖で拭いていたからだ。小学校(東京教育大額附属)の教室には石炭ストーブが鎮座して、順番に朝早く着て石炭をくべる当番が回ってきた。給食はアルマイトのカップに脱脂粉乳だった。緊急時の連絡網に「呼び出し」と書いた生徒が4分の1はいた。自宅に電話が無いから隣家の電話番号を登録したのだ。お役様が来ると出前の鮨を取る。年に数回の大ごちそうだった。デパートの食堂に年数回行った。それが外食のすべて、東芝に勤めるサラリーマンだった父が、私が大学生の時1000㏄の車(カローラだったかな?)を買った。「フジマキ家でも車を持てる時代になったか!日本経済の発展はすごい」と感慨にふけりながらつぶやいたのを鮮明に覚えている、財政赤字を放置し、財政破綻を先送りした結果、ハイパーインフレで、日本はこのような時代に(うまくすれば一時的で済むかもしれないが)逆戻りだろう。私は経験があるから耐えられると思うが、豊かな生活に慣れた若者が前述したような生活に耐えられるのか?米国人が幸福に思わなくとも、日本人は不幸を感じて生きることになるだろう。財政赤字放置のツケはまりに大きい。