「ドしょぼい介入?」「オーストラリアの中央銀行が債務超過になってもなんともないのに、日銀が債務超過になったら大変となぜ騒ぐ?」他

2022年09月26日

1「ドしょぼい介入?」

本日は午後3時から三井信託銀行千葉支店時代の先輩・後輩の爺さん2人円と銀座ライオンで飲み会。今帰宅。3時直前、携帯でドル/円を見たら144.30円くらいから143.65 円くらいまでとんと落ちた。介入なのか、誰かの単なる仕掛けかはわからないが、もし介入なら、ドしょぼ~い。金曜日は一時的であれ6円近く押し下げたのに、今日はたった65銭?この動きは介入ではないのかもしれないが、なにはともあれ、介入は数を重ねるほどに効果は薄れる。昔、株価を押し上げるために年金が株買い介入をしたことがあるPKOとは自衛隊の海外派遣を連想する人が多いだろうが、その前は、この買い介入のことをPKO(プライス・キーピング・オペレーション)と呼んでいた。最初はPKOが入ると株価は大きく値を上げたが、そのうちちっとも上がらなくなり、最後はPKOが入ると瞬時に株価が大幅下落するようになった。機関投資家が買い介入を株式市場から逃げる機会ととらえたのだ。そしてPKOは大失敗に終わった。今回の為替介入も同じ経路をたどるだろう。

98年のドル売り介入は3回で計3兆円と言われる。金曜にはどのくらいの規模の介入だったか興味がある。98年の介入規模と比較されるだろう。9月30日にわかるはずだ。大規模に行ったにもかかわらず6円ぽっちしか下がらず、その下げもすぐ値が戻ってしまったのなら市場に馬鹿にされる。今後は効果が全く無くなるということ。

 

2「介入の失敗は何を意味するか?」

国の威信をかけた介入が失敗に終わると(まずそうなるだろうが)、「政府といえども何もできない」と信用を失う。日銀も信用を失いつつある(=債務超過ギリギリ)。政府・日銀が信用を失えば、日本経済はメタメタ。その原因は放漫財政で借金を極大化し、財政破綻を禁じ手の禁じ手と言われていた財政ファイナンス)=異次元緩和)で先延ばししたことにある、

 

3「オーストラリアの中央銀行が債務超過になってもなんともないのに、日銀が債務超過になったら大変となぜ騒ぐ?」

昨日、以下のリツイートが私のtwitterに来た。「オーストラリアの中央銀行が債務超過になりましたね先生。オーストラリアの中央銀行が破綻して通貨が大暴落しハイパーインフレが起こるのか?楽しみにしてますよ、先生」

以下のように返事した。

「やっと反論することが出来たと先日から大喜びしているようですが、馬鹿らしいので放置していました。が、しつこいので答えます。私は何度も、そして本にも明確に書いていますが、中央銀行が債務超過になっても信用失墜(=自国通貨暴落)しない条件が3つある。①債務超過が一時的②債務超過が銀行システムの危機によるものであり中央銀行のオペレーション自体は健全である③政府の財政が健全であり税金で中央銀行の足りなくなった資本を補填できる。日銀はその全部を(=しかも過激に)満たしていないから、債務超過になれば日銀は終わりと言ってきています。オーストラリア国家の財政は日本ほど悪くなく、いざとなれば税金で損失を補填できる。財務内容がそれほど悪くないから、通貨発行益でいずれ債務超過が解消できるとマーケットが読んでいるのでしょう。日銀の場合は、通貨発行“益”では無く通貨発行“損”が相当の期間続きます。きちんと物事を理解しないで鬼の首を取ったかのように騒ぐのは見苦しいです」