「英中銀ショックは人ごとではない」「国民の命と財産」を守るべき防衛費の捻出に四苦八苦する理由」他

2022年10月07日

1.「デーリーSF連銀総裁、利上げペースの減速には高いハードル」

一昨日のBloomberg記事によると「米サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、金融当局が0.75ポイント幅の利上げペースを減速させるには高いハードルがあるとの見解を示した」たとえば。6.5%から6%の上昇とCPIの上昇“加速度”が減速すればいいのではない。CPI上昇率自体が2%くらいに落ち着く必要があるということ。それは先の先だと言っているわけだ。緩和に転換するのは、その先の先の先の話だ。それなら米国10年金利の3.82%は明らかに高すぎる。かなりの値段下落(=金利上昇)があるだろう、ドル高/円安要因。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-05/RJAJHKT1UM0W01?srnd=cojp-v2

 

2.「アトランタ連銀総裁、政策金利は年内に最高4.5%へ-早期転換なし」

これほどまでにFRB幹部が連日、インフレ退治の必要性を繰り返し、力強く説いているのに、なぜ市場は「景気が悪くなるとすぐFRB が緩和に転じる」などとの超楽観を保持し続けるのだろう?

金余りで、お金が溢れているのでどこかに投資せざるをえず、楽観論に飛びつくのだろう。インフレの怖さを知った市場関係者が多く引退したせいもあるだろう。ド痛いしっぺ返しを食らうと思う。このインフレは世界樹の中央銀行がQT (お金の回収)を回収しないと終わらない。日銀はQTは不可能。ドル高/円安要因

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-05/RJAQJKDWLU6C01?srnd=cojp-v2

 

3.「英中銀ショックは人ごとではない」

本日の日経新聞のバークレイズ証券調査部長の山川哲史氏の論考は、ごくまともだ。なのに、日本の国会では財源が不明確な大型補正が検討されている。それに対し、誰も文句を言わない。英国と日本は別世界だと思っているのだろうか?おできが破裂するときの衝撃は英国どころではない。すさまじいものとなろう、私が中央銀行のとっかえ。円紙くず化等言っている李通。山川氏いわく「財源が不明確な大型財政拡大が、不測の金利上昇および通貨急落を招いた英国の現状は、財政拡大が常態化しつつある日本を含む主要国の政策当局者に対する、市場からの強い警鐘ともいえよう」

「将来にわたる財政赤字拡大に対する懸念がインフレ懸念を通じ、金利上昇につながる展開は、『物価水準の財政理論(FTPL)』が示唆する通りだ。同時に財政赤字を実質的にファイナンスする機能を担ってきた金融政策が、既に臨界点に達しつつある点も改めて浮き彫りとなった」。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD031YJ0T01C22A0000000/

 

4.「私が採用した部下たちが外資系金融機関で要職を占め、大活躍中、うれしい限」

ちなみに山川さんが証券調査部長を務めるバークレイズ証券の代表取締役の木曽健太郎君は東大卒業時に私が新卒としてJPモルガンに採用した直属の部下。JPモルガンでは為替のトレーダーだったがバークレイズに移ってからは「債券およびシンジケート部門のアジア太平洋地域の総括責任者」だったこともある。JJPモルガン証券代表取締役社長 兼 JPモルガン・チェース銀行 東京支店長のステーブ李家くん、モルガンスタンレーMUFG証券取締役兼債券統括本部長だった橋本幸子さん、渋沢健君など、私が採用した部下たちが外資系金融機関で要職を占め、大活躍中。うれしい限り。

 

5.「国民の命と財産」を守るべき防衛費の捻出に四苦八苦する理由」

日本では社会保障費は国民の財産の再配分と考えられている(所得による保険料の違い。国庫補助等)。民生費が主体の地方交付金もそうだ。そうなると日本では集めた税金(70兆円)の大部分が「富の再分配」に充てている勘定だ。「格差税制」が金科玉条の社会主義国家だと私が言う理由の一つ。(社会主義国家でなければ)国の最大の責務は「国民の命と財産の安全」であり「格差是正」ではないはずだ。だから「再配分」のしわ寄せで「国民の命と財産」を守るべき防衛費の捻出に四苦八苦する。

ちなみに、米国の健康保険は富の再分配ではない。どの程度の保険に入るかは各人の自由。面倒の良い保険に入りたいなら保険料は高い。年収の多寡、年齢によって保険料が変わることはない。国庫補助もない。米国の健康保険はまさに火災保険と同じ年収によって保険料の変わらない「保険」である。本日の日経新聞によると「健康保険組合の収支悪化が深刻になっている」そうだ。再分配をさらに推し進めるのか否かが問題になるだろう。昔は「誰か他人のお金」で再分配が出来たが、今後はもう財源がなく「貧しい人が極貧者への再分配」又は「若者から高齢者」の再配分」を進めるのかが課題となる。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA034A10T01C22A0000000/