「東京市場以外での介入はあるのか?」「観光立国・日本。ああ、情けなや」「日本人サラリーマン・ディーラーのメンタリティーが変わったのか?」他

2022年10月13日

1.「日本人サラリーマン・ディーラーのメンタリティーが変わったのか?」

昨日は少し驚いた。私の長いディーラー生活の経験からすると、為替が大きく動いたり、方向転換したり、注目ポイントを突き破るのは、欧米市場に限られていた。それなのに今回は、前回の介入ポイントを超えて円安進行が継続したのが東京市場だったのだ。目標を超さなければマイナス評価、目標以上に儲けてもボーナスも人事評価もほとんど上がらない日本人サラリーマン・ディーラーがリスクを取ることはまず無かった。儲ければ儲けるほどボーナスが巨大化するためリスクを取るデーィラーが集まる欧米市場の後追いが常だった。

しかも介入の可能性は東京市場のみだ。それなのに今回は、一番リスクのある東京市場で、9月22日の介入ポイントにチャレンジした。

これは日本人サラリーマン・ディーラーのメンタリティーが変わったというより、やむにやまれぬドル買いポジションが巨大に積みあがっていたせいだと私は思っている。介入待ちで買い場を逃した輸入業者、介入と一緒にドルを売ってしまい買戻しを強いられている投資家等の一群のポジションだ。

 

2、「東京市場以外での介入はあるのか?」

介入では他人のテリトリーに土足で踏みこむことはしない。日銀の介入(財務省の決断とお金)は通常、東京市場のみで行われる。他国市場での介入は委託介入だ。ドル売り介入ならFED に委託しての介入だ(もちろんお金は財務省保有のドル)。協調介入が否定されているのなら、委託介入は考えにくい。今後の東京市場での介入でドルの押し下げ分は、翌日の欧米市場を経て、ほぼ完全に元に戻って東京市場に帰ってくると予想する。前回の介入も、東京市場に戻ってお来るまでに8割は戻ったと記憶している。

 

3.「これでもか、これでもかと出てくるタカ派発言」

連日のように、これでもか、これでもか、と出てくるFRB幹部のタカ派発言攻撃

Bloomberg ニュースいわく¥(ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は)『私としては、そのような変更(=金融引き締めの軟化)が起こるためのハードルは非常に高い。サービスインフレや賃金インフレ、労働市場といった基調的なインフレが軟化しつつあることを示す証左がまだほとんどみられないためだ』」

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-12/RJNAMTDWLU6801

 

4,「観光立国・日本。ああ、情けなや」

今年は1か月ずつ、2回米国に滞在した。大きく世界が変わるとき、大きな勝負をするときは、実際に現地を見るのが私の哲学だからだ。2回目の8月、JP モルガン時代の

友人とマーケットに関する意見交換をすることになり、ニューヨークとボストンの真ん中の街で会うことになった。友人が2件のホテルを提示してきた。1件はとんでもなく高い、のでパス。安い方のホテルは休日1泊40万円、平日20万円とあったので、先方に休暇を取ってもらい平日に会うことにした。(需給に合わせて値段を大胆に動かすダイナミックさが米国らしい)。ホテルは満室だった。彼らにとって、このホテルは給料対比で、別段高いものではないようだ。超高級ではなく、感覚から言うと日本では室料5万円くらいのホテルに相当する。為替の問題ではない。この40年間で、日米の経済格差が大きく開き、生活レベルが違ってしまったのだ。日本人が昔、生活水準が低く物価が安い東南アジアに競って出かていたが、その東南アジアに日本がなりつつあると感じた。観光立国日本として、外国人を呼び込んで経済発展をしようなど、何と情けない国になってしまった、というのが私の感想。外国人を見て(=外国人は高級ホテルや高級、旅館、日本人旅行者はビジネスホテル)彼私の経済力の差を実感し、「これじゃいかん」と社会主義的国家運営を反省出来れば不幸中の幸いにはなるが。

 

5.「米国の人手不足」

1泊20万円(休日は40万円)のホテル(日本ではせいぜい5万円)を予約した後、会うことになっていたJPモルガン時代の友人が言った。「タケシ、今、アメリカは人手不足だから、ホテルでおもてなしを期待してはだめだぞ。ホテル従業員は学生アルバイトばかりだからな」。エ~1泊20万円出して、従業員は学生アルバイトばかり?人手不足。家賃、労賃が物価上昇を引っ張っているのを実感。簡単なことではこのインフレは収まらない。今晩はCPIの発表。予想の8・1%より多少低ければ多少の円高。予想より高ければ、ドル高にぶっ飛ぶ可能性もあるのかも。リスク・リターンが正規分布ではない。気を付けなければいけないのは、CPI 上昇率が7.5とか7%に減速すればいいのではない。2%に戻らなければならない。ゴールは、はるか先。

 

6.「物価上昇期にバラマキを行うとは」

昨日、以下のリツオートが私のTwitterに来た。「,馬鹿な総理大臣がインフレ対策でまた配ろうとしている」

以下のように返信した。

「英国で起きていることは他人事だと思っているようですね。もしくは何がどうして起きているか、理解していないのか」

 

7,「新しい中央銀行は現実問題として簡単に作れるのか?」

昨日、以下のリツオートが私のTwitterに来た。「新しい中央銀行など「現実的」に作れるのですか?」

以下のように返信した。

「ドイツが第2次世界大戦後に作った(旧中央銀行のライヒスバンクを廃して新中央銀行ブンデスバンク)のに、なぜ日本で出来ない?」