1,「ぞっとするようなCPIの数字」
「ぞっとするようなCPIの数字」(ナットアライアンス・セキュリティーズのインターナショナル債券責任者アンドルー・ブレナー氏)にもかかわらず、昨日の米国株は急伸した。こんなことが起こるのは、世の中にお金が余っていて、絶えず底値を探しているからだ。資産効果(不動産・株を持った人お金持ちになったつもりでお金を使う)が残り、いくら待っても、景気は悪化しない(日本のバブルとそっくり)。景気下落によってインフレを抑えようとしているFRB は、いつまでも金利引き上げ続けるだろう。余りまくっているお金を回収しないことにはインフレは収まらない。米国金利は上昇を続け、QT(量的緩和縮小)を急速に進めなければならなくなるだろう。1979年のサタデイナイトスペシャルの再来(米10年物金利20%、FF レート24%)だ。一方の日銀は巨額の債務超過を恐れて、金利を引き上げられない。QTどころかQE(量的緩和)を継続せざるを得ない。私がドル/円は1ドル400円から500円を経て天文学的数字になってしまうと朝日新聞や週刊エコノミストで述べた理由だ、t
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-13/RJP0J3DWRGG401
2.「介入など気にしていたら、置いてきぼりを食う」
「マーケットは介入を警戒している」というニュースを時々耳にするが、経験がないから、「見えない者を怖がっている」だけ。ファンダメンタルズに反した介入など「虎に素手で闘いを挑む小学生」のようなもの。マーケットを経験すればすぐわかるが為替マーケットはあまりに巨大。日本政府や日銀ごときでは勝負にはならない(ファンダメンタルに即した、かつ金利を動かす場合は全く別な話)、介入などは無視し、淡々と買っていかないとドル上昇に取り残されて置いてきぼりを食う。たとえ介入が入っても次回は2日で、その次は1日で元に戻る。その次は介入が入った途端、ドルが半ベアがるだろう。色気を出して介入と一緒にドル売りをして短期の利益など狙わないこと。ドルショートのまま、上に持っていかれて大けがをした例をいくらでも見てきた。
3,「1ドル185円という予想すらある」
シティグループのアジア太平洋トレーディング戦略責任者、モハメド・アパブハイ氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「『これは実際、日本銀行がコントロールできることではないと思う』と述べた。『為替相場を動かしているのがQTであるかどうかにもよるが、185円という予想すらある』と話した」そうだ。何と控えめなこと。私は1ドル400円から500円を経て天文学的数時と言っている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-13/RJOAG3T1UM0W01?srnd=cojp-v2
4,「(英国)バラマキ政策に市場は手厳しい反応を示した」
本日の日経新聞の大樹小機。どなたが書いたのか知らない(注;私ではない)が、至極まっとうな論考。「1990年代はじめにバブルが崩壊した後、公共事業を中心に財政支出は拡大したが、期待された日本経済の回復はみられないまま21世紀を迎えた。慢性化した経済対策、補正予算の最大の問題は、効き目がないことだ(略)財政頼みの経済対策に効力はない。)」「(英国トラス政権の)大規模な財政拡大は市場で『バラマキ型』と一蹴され、就任前には2.8%だった10年物国債の利回りは、3週間で4.5%まで急上昇(価格は下落)した。ポンドも26日には1ポンド=1.03ドルと対策発表後8%も下げ(略)英国の債務残高のGDP比は108.5%(21年)だが、バラマキ政策に市場は手厳しい反応を示した。財政状況がはるかに悪い日本で金利が上昇しないのは、日本銀行が国債を買い支えているからだ。それだけ無理をしているのである。市場は財政赤字をどこまで容認するのか。円安は警鐘でもある」今でも財政出動を唱える政治家、MMT 教祖を妄信する信者、世界に目を向けましょうね。世界で何が、なぜ起こっているかぐらいは目を向けたら?
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65118850T11C22A0EN8000/
5,「G9の会」
昨日は、マーケット部門にいた一橋大OB9人の会@竹橋・如水会館。一昔前なら、セルサイドのセールスマンが、必死になって会いたがったバイサイドの大物かつ論客達だ。と言っても、もう皆引退したおじいちゃん(私と、水野君(高校の同期、大学の先輩)が一番若い)。20年前はマーケットの話を唾を飛ばしながら激論したものだが、コロナ前には「禿の話と両親の介護」の話に。そして今や「自分の病気話」がメインテーマ。それでもマーケットの話になると、昔、取った杵柄、熱が入るから楽しい。飲み過ぎた。鈴木憲章さん(農林中金)石橋さん(入社時山一證券)、平田さん(入社時東海BK)は欠席。
上の写真左から時計回りで、私(入社・三井信託、後JPモルガン)、加藤さん(住友生命)、中島さん(入社時:興銀)、渡辺さん(入社時三菱BK),水野さん(入社時三和)BK,岸本さん(入社時東京BK、後モルガンスタンレー)こうしてみると、銀行がいかに集約したかがわかる。
下の写真は左から時計回りで渡邊さん、水野さん、岸本さん、私、加藤さん、中島さん