「だらしね~な、介入」「元に戻るのは時間の問題だろう」「昨日の介入の成果が簡単に泡と消える理由」hoka

2022年10月22日

1「だらしね~な、介入」

朝起きてスクリーンを見て、ドル売り介入で一時146.05円までドルが下落したのかと思ったら、日経新聞1面トップによると144円まで下落していたとのこと。一瞬かもしれないが144円をつけたのだろう。だとすると終値が147.73銭だから、その日のうちに半値戻ししてしまったということだ。だらしね~な、介入。なお、昨日の米10年金利は多少下がったがTMV は₊8.88ドル上昇の175ドル。20年金利は上昇しているということ。

144円

2、「元に戻るのは時間の問題だろう」

昨日の介入はかなり大規模だったようだ。政府は必至だ。このまま円安が進行したらハイパーインフレに向かって走ってしまうだろうから。しかし介入実施点の152円台まで戻るのは、時間の問題だろう。ドル買い遅れの輸入業者、投資家に絶好の、しかし短期間の、絶好の買い場を与えてくれた。ファンダメンタルズに需給で対抗するのは愚の骨頂。為替の市場規模に比べれば、日本政府の介入額などピーナッツ(本日の介入規模を今後360日継続するなら話は別だが)。

どのくらい外貨準備を無駄遣いしてしまったのか?Xデイ後の国民の命綱となる外貨準備を浪費して、政府は責任を取るのか?外貨準備は介入でしか増減しない。減った外貨準備を元に戻そうといずれドル買い介入をするのか?そんなことしたら、ドル暴騰、円は奈落の底。

 

3,昨日の介入の成果が簡単に泡と消える理由」

昨日の介入の成果が簡単に泡と消える理由を書いた拙稿(「日本人は「みんなで貧乏」になるしかない…金融のプロが「1ドル=500円の大暴落が起きる」と断言する理由」というタイトルになるそうです)が、本日の「プレジデントオンラインに載りました。以下から全文が無料で読めます。

https://president.jp/articles/-/62826

 

4.「日本は、一種の破滅ループに陥ちこむのではないか?」

サマーズ元米国財務長官¥元ハーバード大学学長がBloomberg ニュースで

他国が(英国と)同様の問題に直面しないと結論づけるのは『本当の間違いだ』と言明。英国から学ぶべき最初の教訓は『状況は異常な速さで変わり得るということだ』と語った」そうだ。彼の頭の中にあるのは、英国より財政状況がはるかに悪く、財政ファイナンスを、ぶっちぎりの先頭で走っている日本だろう。彼は「財政赤字予測がコントロールを失い始め、実質金利が急速に上昇し始めれば、一種の破滅ループに陥りかねない」と警鐘を鳴らした日本の大型補正予算の発表に際し、ヘッジファンドをはじめ市場がどう反応するかは、おおいに注視しなければならない。なにせ英国と言う成功例があるのだから。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-21/RK3TQQT0AFB401?srnd=cojp-v2

 

4,「邦銀の外債運用、逆ざやに、はかなりのドル高円安要因」

マーケットに大きな影響を与える重要なニュース、米長期金利の反落を待っていた邦銀がついに耐えきれなくなって米長期国債を売り出せば、かなりの米長期金利が上昇しよう。何度もいているが逃げるのは早い者勝ち。なお、邦銀はドル調達ドル運用が主流だがら直接為替には影響ない。それより長期金利上昇で日米金利差拡大で、かなりのドル高/円安要因

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB216IB0R21C22A0000000/

 

5.「財政出動が物価を押し上げる簡単な例:旅行支援」

物価上昇時に大型財政出動をしようとし市場の反乱を受けた英国トラス政権の失敗政策のミニ版。

案の定、旅行割に夜需要急増で宿泊料が上昇しているとのこと。いずれ(将来の消費増税を原資とする)旅行支援という財政出動のせいで、宿泊料自体が値上がりし旅行割を引いた後の値段が、「なんだ、昔の安かったころの値段と同じだ」になる。さらに下方硬直性があるから、旅行割が無くなっても宿泊料が高止まりし、日本国民は旅行というレジャーを失う。宿泊業者の倒産が増える。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65365690R21C22A0EA5000/

 

5,「平成中村座」

昨日は、私が後援会長をしている坂東 彌十郎さん&坂東新悟君の出る平成中村座@浅草寺での観劇。「綾の鼓」と「唐茄子座。坂東彌十郎さんはNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で北条時政(北条家のお父さん)役。今日の慎吾君の顔の作り(表情)が秀逸だった。日に日に素晴らしくなる。 中村勘九郎と中村獅童の啖呵がめちゃくちゃ素晴らしい。さすがにどこかでアドリブが入っているのだろうが、あの暗記力と、かまないところが流石プロ中のプロだ。 一部、冗漫なところ(カエルの場面)もあったが宮藤官九郎の作品は相変わらず面白い。

平成中村座

6.「シュウメイギクと財政・日銀破綻論」

植えてから20年間、花をつけなかったシュウメイギクが今年初めて花をつけた。それも満開の花を。「20年間、花をつけない」からと言って「この木は花をつけない」と断定するのは大間違い。私の「借金を増やし続ければ、やがて財政破綻・日銀破綻論」と同じ。

シュウメイギク

7.「レモンと円安論」

昨年は1個しかならなかった門の横のレモンが今年は鈴なり。黄色くなってきた。円安が去年はほとんど進まなかったから今年も進まない、と思っていると大間違い。

レモン