「10時間半のために貴重な外貨を無駄使いでいいの?」

2022年10月24日

1,「10時間半のために貴重な外貨を無駄使いでいいの?」

朝8時半に149円70銭くらいをつけていたドル/円は介入(まず間違いない)で145円46銭まで下落したが今は149.40に戻った。何だ、朝の介入は。10時間半しか持たなかったのか。貴重なドルを浪費して10時間半とは、とんでもない話。円はMMT論者によればほぼタダで刷れるじゃないか。何で貴重なドルを手放すのだ(皮肉)。だんだん1992年のソロスに似てきた。英国の景気低迷、東西併合後のドイツというファンダメンタルズに反してポンドを買い支えようとした英中央銀行は無残にソロスに敗れた。ファンダメンタルズに即して動く為替資金の規模に比べて政府・中央銀行の金などはした金。マーケットの経験があれば、いかに市場が巨大化で介入などはした金かが分かる(ファンダメンタルズに即した介入、特に金利を動かしながらの介入は市場資金が同方向に動くので話は別)。

 

2.「財政・金融拡張、ひずみ蓄積」

昨日の日経新聞1面記事。かなりまともな論考。一読をお勧めする。いかに日本が危機的な状況にあるかがわかる。日経も危機を国民が認識できるような、まともな記事が多くなってきた。楽観論をばらまいて、国民をぬるま湯につかった状態のままに放置しておくわけにはいかなくなったからだろう。

論考曰く「日本の国債市場はというと、なお別世界にある。日銀の『管理下』にあり、長期金利は0.25%以下に抑え込まれている」「債券自警団は警告を発しない。そのため、低金利時代の発想に安住しているかのような動きがみられる」「政府が10月末にまとめる経済対策を巡って、与党幹部からはなお規模重視の発言が相次ぐ」「ひずみは着々と蓄積している」「このひずみが円安圧力となっている」「ただ、円安が一段と加速してインフレが本格化し、日銀が金利を抑圧できなくなれば財政への懸念が噴出しかねない」「米金利上昇を主因とした円売りが『日本売り』に転じるリスクはないのか。円安は『通貨』自警団による警告の様相を帯びている」。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2182B0R21C22A0000000/

 

3.「単独再介入、急場しのぎ」

昨日の日経新聞。タイトルからしてそのものずばり。曰く「効果は短期的とみられ、背景にある日米の金利差や日本経済の成長力の乏しさは今後も変わらない。本来の問題に向き合わない急場しのぎにも映る」「構造要因の日米金利差が縮まないかぎり、介入は円安スピードを遅くする時間稼ぎにしかならない」日銀は金融緩和の維持を決める公算が大きく、米国では急速な利上げが続くことがほぼ確実で、日米金利差は今後も拡大が続く。貿易収支の赤字拡大によるドル買い・円売りの需要も根強い」。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65374890T21C22A0EA1000/