1.「じゃぶじゃぶのお金回収しない限りインフレなど収まらない」
今の世界的インフレは、お金がじゃぶじゃぶ、が主因だから、QT(量的引き締め)を終わらせないことには収拾が付かない、と何度も申し上げている。米国はQTをやっと始めたばかり。完璧にスタートが遅れた。だからインフレは今後とも、長期にわたりさらに深刻化するだろう、と言っている。1979年のサタデイナイトスペシャルの再来を予想する理由。
ウクライナとか供給制約インフレを多少加速させてはいるだろうが、主因ではない、そこを間違えるとマーケットを見間違える。11月7日の日経新聞の経済教室で森信茂樹氏の論考を読んでいたら、今の世界的インフレは、お金がじゃぶじゃぶ、が主因と考えているのは私だけではないとわかった。「8月に開催された米ジャクソンホール会議では、米ジョンズ・ホプキンス大学のフランチェスコ・ビアンキ氏と米シカゴ連銀のレオナルド・メロシ氏の共同論文が注目された。現在生じているインフレの要因は資源高やペントアップ(先送り)需要だけでなく、底流にはトランプ、バイデン両米大統領による拡張的な財政政策があるとの内容だ。今後その政策を修正しない限りインフレ圧力は弱まらず、金利上昇、景気停滞、財政赤字の拡大という悪循環が生じると指摘した」米国の長期金利はさらに上昇し。日米金利差拡大、円の紙くず化は避けがたい。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD274DD0X21C22A0000000/
2.「英トラス首相はなぜBOEに日銀と同じことをさせ退陣を回避しなかったのか?」
11月5日の日経新聞1面トップ記事は「経済対策、財源の8割借金」。注目はこの論考の最後の締め。「英国では財源の当てのない経済対策に市場の売りが広がり、トラス前首相は辞任に追い込まれた。日銀が国債の多くを保有する日本で市場の反応は限られる」中央銀行が国債を大奥保有すれば、日本のように市場の反乱(国債暴落)が抑えられるのなら
トラス首相は、なぜ辞任を回避するためにBOEに日銀と同様の抑え込みを指示しなかったのだろうか?そんなことをすると将来、さらにとんでもないことが起こる。政治家としての矜持が許さなかったのだろう。又BOEも中央銀行マンとしての矜持があるから、そんな要請など受け入れられなかったのだろう。素人ブレインにたぶらかされ、とんでも理論に毒された政治家、中央銀行マンとしての矜持を捨て去った中央銀行を持たこの国は、もはや詰んでいる。
「https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0473D0U2A101C2000000/
3.「誤解してはいけないこと」
今、FRB は利上げを継続し、またQT (量的引き締め)を開始したが、目的は景気を悪化させインフレを鎮静化させること。インフレが収まる景気悪化とは、リセッションまで行く悪化かどうかはわからない、というだけ話。リセッションになったとしても、それ自身が目標なのだから、すぐ利下げに方向転換などするわけがということ。インフレ率がたとえ減速しても2%で安定するまでは、まだ途方もなく先が長いということ。以上を認識していないとマーケットを見間違える。
4.「日本は何事も「超一流」だけに、破綻のレベルも『一流』になるだろう」
ワタミの渡邉美紀氏がジム・ロジャーズ氏にインタビューしたことを夕刊フジに書いています「日本はいつ破綻すると思うか?」との質問です。渡邉氏とは棟は違いましたが、財政危機に関しての意識では同志でした。その辺も記事にさらりと書いてくれています。
ジム・ロジャーズ氏いわく「(日本は)債務超過は増えるばかりで、常に紙幣を印刷している。歴史を見る限り、それをやった国は成功したことがない。日本が破綻するのは、私の意見でなく算数の問題だ」「日本は何事も「超一流」だけに、破綻のレベルも「一流」になるだろうと言っていた
https://news.yahoo.co.jp/articles/280d4128c7495d61f01449a7fa19ffaebd9923ba
5.「元財務官僚 笠原誠治氏の鋭いコメント」
体調を崩し、この5日ほど、ベットに臥しているが、スマホで出来るTwitter だけは多少なりともアップしていた。 元財務省、財務局に勤務されていた小笠原誠治氏がTwitterでのコメントが、かなり適格で鋭かったので、いくつか紹介させていただいた。
- 京都大学の藤井聡とか大阪大学の菊池誠のやるべきことは、「国債をどれだけ発行しても財政破綻はあり得ない」なんてホラを吹くことでなく、自分たちの専門の土木や物理学の分野で有益な研究成果を残すことでは、と思った秋の1日。
- また、大阪大学の物理学の教授である菊池誠が、アホなことをくっちゃべっている。おーい、大阪大学よ、恥ずかしくないんかい?学問の自由があるから言論を抑え込むことはできないだろうが、学生や教授陣は、恥ずかしいから止めてくれ、と言わへんの?
- 学生時代私は、真理の探究のためなら権力を恐れぬ京都大学の姿に格好良さを感じていた。しかし、今、藤井聡の「日本が財政破綻する筈はない」などという発言を聞くにつけ、私は長い間幻想を抱いていたのだと思うようになった。どうした京都大学?
- そんなことは全然言ってない。あんたさ、海外ファンド=悪だという前提で考えているでしょ?彼らは、日銀のやっていることはsustainableじゃないと考えたから、円安に賭けているだけ。むしろ利上げを拒否している黒田こそ、円安を招いている売国奴。
- 税は財源ではない、自国通貨を発行している国では財政破綻はあり得ない、というような答案を書いて、経済学の単位が取れる大学が世界にどのくらいあるのだろうかと、考え込んでしまう秋の一日。
- 多くの国民は、今、日本の財政規律は相当悪化している、このままだと戦争中みたいに酷くなってしまうと思っている。でも、それは間違い。戦争中でも政府は市中消化の原則を守っていましたが、今は、事実上日銀が引き受けています。つまり、今の方が遥かに酷いのです。
- 「日本は円建ての国債しか発行していないので財政破綻はあり得ない」という人の共通点は、投資家の視点が全く欠如していること。自分が国債を保有していると仮定したら分かるが、超インフレになった後、価値の暴落した円で返済されても納得できないだろう、ということ。
- 経世済民派の教えを徹底して実践すれば、国債残高が倍増するのも時間の問題。でも心配ないという訳でしょ?ただお札を刷ればいいだけだから、と。でも、そうなると円の価値が暴落するのは必至。それでもお札を刷りますか?しかし、お札を刷れば刷るほど価値は暴落。日本を破滅に導く教えですね。
- 三橋貴明、藤井聡、高橋洋一、森永卓郎…どう考えても、この人たちが本当に貧困層の味方だとは思えません。目立ちたがり屋さんだというのはよく分かります。
- 日本経済が停滞しているのは、過去30年間の財務省の緊縮財政のせいだと主張する人々がいるが、全くの事実誤認。否、財務省がケチだというのは分かるが、先進国の中で一番借金が多いのに、どうして緊縮なのか?借金が多いのを緊縮だと言う輩と議論ができないのはむしろ当然だと思う霜月スタートの日。
- 税収は、財源でないとか、政府の収入と考えるべきでないとかというとんでも理論が流行り出しています。お金くれくれ病に罹ると、日本は、どれだけバラマキ財政を続けても、破綻などあり得ないと信じ込むようになってしまいます。皆さんは、そんなウィルスに感染しないように注意して下さい。
- 藤井聡氏とか菊池誠氏とかを見ていると、理系の学者は、本業で成果が出せなくても、日本は財政破綻する筈がない、税は財源ではない、などと言うだけでそれなりに食っていけるんだなと感心している秋の1日。
- 経世済民派に告げる。日本は財政破綻する筈がない、だからどんどん財政出動すべきだ、と主張するのは君たちの自由だが、それならまず格付け会社と交渉して、日本国債の格付けをトリプルAに復活させた上で、そうした主張をすべきだ。高橋でも団長にして、交渉してみてくれ。
- 「政府の負債がない時、日本円はどれだけの額存在できるだろうか?」とのMMT論者の主張に対し、小笠原氏答えて曰く「高度成長真っ最中の東京オリンピックを開催した頃、国債を発行しなくても成長通貨は供給されていた事実を無視する自称物理学者のMMM氏。
- 黒田日銀が、国債を買い上げた代わりに手渡したお金は、市中銀行の日銀当座預金勘定に振り込まれているが、そのお金をどのように使うかは市中銀行の自由。それに財務省や政府が口出しなどできる筈がない。自称物理学者MMMさんのデタラメトークは今日も続く。
- 貧困層への警告です。経世済民派の政策に従えば、貧しい人々が救われると思われるでしょう。確かにある時点まではそうでしょう。しかし、ひとたび酷いインフレになるや、一番被害を受けるのは貧困層です。インフレによる被害は逆進的ですから。富裕層はインフレ対策を怠りません。
- 経世済民派は、過去30年の緊縮財政が日本経済を弱体化させたと言うが、1955年から1972年頃までの高度成長期において日本は正真正銘の健全財政を維持してきたのだ。過去30年間は、むしろ国債の発行が爆発的に伸びた期間で、その期間と経済の停滞期が重なっている。彼らはそうした歴史的事実も無視する。