「実質金利で考えれば米国の現在の引締め政策でインフレが鎮静化するはずがない」「イーロン・マスク氏のTwitter社社員大量解雇について」[とんでもない『旅行割』と『ふるさと納税還付』」他

2022年11月23日

1.「実質金利で考えれば米国の現在の引締め政策でインフレが鎮静化するはずがない」

私は実質金利で議論するのは、あまり好きではないのだが、今米国の実質金利は

短期で考えると4%―7.7%=△3.7% .長期で考えると3.75%-7.7%=△3.95%。実質金利がこんなに大きなマイナスなのだから、引き締め効果は現在のところほぼない。インフレが簡単に収まるわけがない。ターミナルレート(利上げの到着点)は、はるかに高い(なお一番重要なのはバラマキすぎたお金の回収(QT))。一方日銀は上げても長期金利0.1%のシミ程度か、マイナス金利解消と言う言葉の遊びでしかないし、お金の回収は全く出来ない。金利差ますます拡大、QT (FRB 等)VS QE(日銀)ででドル/円は暴騰。

 

2,「イーロン・マスク氏のTwitter社社員大量解雇について」

以下、元マイクロソフト日本法人社長の成毛さんの昨日のFB。「イーロン・マスクによるツイッター社員虐殺的な記事に憤慨している人がいるようなのだが、USツイッター社員のリアルな年間平均給与って29万4千ドル=4000万円くらいなんだよね。その10分の1とか5分の1の給与の日本人が憤慨するようなことじゃないと思うけどね。(中略)このたぐいの大量解雇は自分の能力がクズだったことがバレて、一人だけ解雇されたのではないので、再就職には有利なのだ。だからついでに多くの人が辞めているのだが、そいつらこそはじつはクズかもしれないのだ。(中略)日本企業にしかいなかった人には理解できないだろうねえ」

 

3.「インフレ税は財務省の既定路線か?」

一昨日、私のtwitterに以下の質問が来た。「日銀破綻とそれに端を発するハイパーインフレは、財務省の既定路線のように思える。結局のところ、その最大の受益者は天文学な債務を負った彼ら(財務省=日本政府)だから。今頃、不都合な真実を知る者(財務官僚ら)は外貨建てのポートフォリオをせっせと築いている気がする」

以下のように回答した。「日銀や財務省のお偉方は、7%くらいのインフレを10年続けるつもりだったのではないかと思っています。増税を嫌がる国民相手では増税と分からないインフレ(債権者から債務者への実質的な富の移行ということで経済学的にはインフレ税といい増税と同じ効果)政策しかないと思っていたと思うのです。しかしながら、日銀が異次元緩和の開始でインフレ制御手段を失ってしまったのです。ブレーキの無い車の爆走です。その結果、7%でとまらずハイパーインフレ一直線と言うのが私の考えです。財政ファイナンスを過激にやった国が必ずや陥る罠です」

4,「法定準備率の引き上げで日銀は金融引締めが出来るか?」

一昨日、私のtwitterに以下の質問が来た。「いざとなれば、法定準備率引き上げたり(法定準備は金利0%)、超過準備の利子率0.1%からの引き下げも可能では?」

以下のように回答した。「日銀の当座預金への付利引き上げは市中の金利をそれ以上に誘導するための方策です(それしかインフレに対抗するための市中金利引き上げの方法がない)。一部金利などにマイナスなどつけたら市中金利はビクとも動かなくなります。高め誘導できなくなるということです。法定準備以外の日銀当座預金残高全部に高い金利を付利しなければ、市中金利の高め誘導など出来ません。法定準備率を大幅に上げたら、ただでさえ青色吐息の市中銀行の業績悪化で金融システム不安の発生です」

 

5.「日本は緊縮財政国か?」

昨日、私のtwitterに以下の質問が来た。「日本は長期のデフレだったから世界と比べて所得が増えないつまりGDPが増えませんでした。 なぜデフレだったのでしょうか? 単純です。財政支出の伸びが世界と比べて低かったからです。 つまり財政支出とGDPの成長率には相関があります」

以下のように回答した。「世界最大の(対GDP)借金国の国・日本が緊縮財政国だと言ったら世界中から大笑いされるだけ。体重250㎏の人が「僕、皆の中で一番やせです」と言うのと同じ。世界1の放漫経済国と言うのが正しい。もし、もっと財政出動したいのならば消費税をあと30~40%%くらい上げれば健全財政国と言われるが)。

 

6・「政府が債務を増やすことによって経済は成長するのか?」

一昨日、MMT教祖の一人が以下のツイートをしていた。「経済が成長しているから政府債務が増えても問題ない。ではなく、政府債務が増えるから、経済が成長するのです。この因果関係を逆に捉えている人が非常に多い。政府債務とは国内への通貨供給になり、政府が通貨供給することで、経済成長が初めて発生するのです」

以下のようにリツイートしておいた。「それでは財政均衡(=国債を発行してはいけない)を憲法で制定しているスイスやドイツは経済成長を憲法で否定していることになるのですな」

 

7,「健全財政の必要性」

一昨日、私のtwitterに以下の質問が来た。「昭和21年の預金封鎖&健全財政の必要性を再認識とおっしゃるが本当ですか?何か事実がありますか」

以下のように回答した。「預金封鎖&親券発行の翌年の昭和22年に出来た財政法の第4条を読んでみたまえ!」

注:・財政法第4条;『国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。 但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる』

 

8.「そもそも財務省は、どのようにして、この防大に溜まった借金地獄から抜け出ようとしたのか?」

一昨日、私のtwitterに以下のリツイートをいただいた。「日銀破綻とそれに端を発するハイパーインフレは、財務省の既定路線のように思える。結局のところ、その最大の受益者は天文学な債務を負った彼ら(財務省=日本政府)だから。今頃、不都合な真実を知る者(財務官僚ら)は外貨建てのポートフォリオをせっせと築いている気がする」

以下のように回答した。「日銀や財務省のお偉方は、7%くらいのインフレを10年続けるつもりだったのではないかと思っています。増税を嫌がる国民相手では増税と分からないインフレ(債権者から債務者への実質的な富の移行ということで経済学的にはインフレ税といい増税と同じ効果)政策しかないと思っていたと思うのです

しかしながら、日銀が異次元緩和の開始でインフレ制御手段を失ってしまったのです。ブレーキの無い車の爆走です。その結果、7%でとまらずハイパーインフレ一直線と言うのが私の考えです。財政ファイナンスを過激にやった国が必ずや陥る罠です」

 

9.「元財務官僚小笠原誠治氏の名言集(続)」

  • 日本は、長らく経常収支が黒字状態を続けていたので、頭の切り替えが必要です

ね。つまり、戦後の外貨がお宝だった時代の発想に戻らざるを得ないということです。となると、否が応でも本当の「緊縮財政」が余儀なくされるでしょう。今のようなバラマキも、もう長くは続かないでしょう。

  • 「財政赤字が問題ないならば、インフレ率が高くなり過ぎるまで、ガンガン財政出

動すれば良いのです」と言うMMT教祖のtwitterへの記入に対し小笠原氏答えていわく「財政赤字が続くようであれば、お金の使い方が荒すぎるか、税収が不足しているかのどちらかだよね。そして、国債を発行することは、徴税の繰り延べに過ぎないから、いつかはどうやって国民が税を負担するか決着をつけなければいけないの。あんたらダチョウだよ。見たくないものから目を背けるだけ」

  • いずれにしても、国が借金を返済すると国民が貧しくなるから、国は借金を返済すべきでないなどと言えば、国の借金は膨らむばかり。これを亡国の思想と言わずしてなんと言うべきなのか?
  • 三橋真理教のみなさん、こんばんは。本日もいろいろと罵声にご助言ありがとう。でもね、会計を勉強しろとか、貨幣論の本を読めとか…そんなんじゃなく、お前の言っていることは、ここが矛盾ているって、核心に迫って欲しい。そもそも大蔵省は公認会計士の試験を担当していた役所でもあるのを忘れずに。
  • 三橋真理教の信者たちは、都合の悪い事実には目を背ける。その典型が終戦後の預金封鎖だ。この出来事について、彼らはそれをどのように考えるのか?あれは財政破綻ではないと言うのなら、それでも結構だが、財政破綻以外の何物でもない。政府は、その反省から健全財政の必要性を再認識したのだ。
  • 弱い者の味方、貧しい人の味方のように見える経世済民派が、日本が財政破綻することなどあり得ないから、大丈夫、まだまだ国債を発行すべし、と。で、そんなことを言っているのが、三橋、藤井、高橋、森永…なんて面々なのだが、よく信じられますね、と言いたい。

 

10 「沖縄旅行」

一昨日、昨日と1泊2日で沖縄旅行。暖かく神経が弛緩した。今までムーンリバーは見たことがあるが「サン・リバー(太陽光が一直線に川のように海を照らす)」を見たのは生まれて初めて。昨日は沖縄の源泉かけ流し温泉に行き、昨晩遅く帰京。今回の旅行の一番のイベントは那覇空港で見た自衛隊の4機のF15が急発進していったのを見たこと。離陸直後の90%の急上昇がすごかった。離陸時からアフターバーナー(注:大量の燃料を消費するため、高推力が必要な時のみ使用される)を使用していたから、よほどの緊急事態だったのか?それとも訓練か?どういうときにアフターバーナーを使うのか元沖縄総司令だった親戚の彰夫さんと今度飲むとき、聞いてみよう。

ちなみに防衛費増強のための増税なら私は喜んで増税に応じる。(政治家の票獲得のために行う)結果平等主義のバラまきのための増税はとんでもない。

 沖縄① 沖縄②

 

11.「とんでもない『旅行割』と『ふるさと納税還付』」

今回の沖縄旅行は「ふるさと納税返礼金」でもらった旅行券が11月末で期限切れになるのでギリギリで行ったもの。予定していなかったが、旅行割も使えたから使わせてもらった。これで旅行割を使うのは2回目。来月もう1回使わせてもらう。昨日の日帰り温泉は貸し切り風呂。8000円だが旅行割のクーポン6000円分をこれに充てたから2000円で入れた。「悪法も法」という概念と同じだし、「間違った政策だから私は使わない」などとかっこつけるつもりもないから使ったが、「旅行割」と「ふるさと納税」は最悪の政策だと思っている。

まず「ふるさと納税」。3割の還付があるということは、日本全体でみると地方税は3割余っているということ。3割減税しろ! 旅行割、ばらまいた原資は消費税(またはハイパーインフレ税)で、国民全員から徴求することになる。我々、金と暇のある高齢者が遊ぶためのお金を、旅行に行く時間も余裕をない現役世代がじゃ羅ってくれるのだ。こんな再分配はやめるべし、国の本来の仕事は「国民の財産と生命を守る」こと。本当に生きていけない人のセーフティーネット確立は極めて重要だが過度の再分配は国を弱くするだけ。過度の再分配は社会主義国家の国の仕事ではあるが資本主義国家のメインの仕事ではない。単に政治家の票あつめ手段。