1.「日銀 ついに最終ステージに突入か」
9月末で日銀保有国債が8749億円の含み損となったそうだ。必死で指値オペをして長期金利上昇を防いでいたので、なんとか評価損の発生を防げていたのかと思っていたが、すでに8749億円もの評価損。さらに日経新聞が「超長期金利は足元でさらに上昇しており、含み損も拡大しているとみられる」と書いているように、今日の評価損は9月末より拡大していると思われる。
それどころか、日銀は莫大な量の国債を持っているのだから、今後も長期金利が少しでも上昇していくととんでもない評価損が追加発生していくことになる。しかも短期政策金利をも引き上げざるをえない状況(物価上昇等で)に追いやられると莫大なマイナスのシニョリッジ(通貨発行損)も発生する。時価評価での債務超過はますます拡大していき、長期にわたってプラスのシニョリッジで穴埋めできないということ。債務超過は大きくなるわ、通過発行損も拡大していくわ、で、日銀はとんでもない状況についに突入したということ。財政ファイナンスの限界がついに来つつあるということ、
他国の中央銀行も評価損が発生し始めているが、日銀の状況は、それらの中央銀行に比べても段違いに悪い。
日経新聞は黒田総裁の言うとおりに、簿価会計だから「当面大丈夫」のように書くが、日銀を評価する格付け会社や外資の信用調査部門は時価評価で信用判断を行う。
先日、英国の年金が危ないとなり相場が急落したのも、市場が時価評価をした結果だ。英年金は時価評価など発表していないはずなのに、だ。日経新聞は「ただ、含み損が拡大するにつれ、市場が日銀の財務状況に不安を感じ始めれば、金利や為替などにも影響が及ぶ可能性がある」と書くが、市場とは、そんなに甘っちょろいものではない。日銀の信用が失墜すれば、その発行する通貨の信用も失墜する。いよいよイエローゾーンからレッドゾーンに入った。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB271VF0X21C22A1000000/
2「日銀インパール作戦」
日銀の引当金+準備金は9月末で11.1兆円しかない。あとほんの少しの長期金利上昇で、時価会計で債務超過だ。
この状態でQE(量的緩和)を辞めれば長期金利が跳ね上がり、とんでもない額の債務超過となる。
しかしながらこのレベルで国債を更に買い進めれば(=QEを継続)(長期金利が今より下がらない限り)将来の債務超過額は更にドでかくなる。まさに日銀インパール作戦、