1.「楽観論から悲観論へ」
先週金曜日の雇用統計後のマーケットの楽観的動きには疑問が多い、しかし、週末には、昨日紹介したロイター記事といい、ブルムバーグにも悲観的な論考が数多く出てきた。それもかなり悲観的な論考が。逆CPI ショックという一つの指標で舞い上がっていた市場は、元の基調に戻る可能性がある。
2,「サマーズ氏、市場の予想上回る利上げ必要に」
昨日のブルムバーグ記事。元米国財務大臣でハーバード大学学長のサマーズ氏はターミナルレート6%を予想しているが、それが当たれば、米長期国債を多量保有している邦銀はアウト、ドル円は急騰で日銀もアウトで円は紙くず化。邦銀は、早く短期債の保有にシフトし、為替ヘッジを外した方が良い、
サマーズ氏は11月の雇用統計後に「(ターミナルレート)は6%がわれわれが書くことができるシナリオだ」として「5%は最善の予測ではない」と指摘した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-04/RMC9ILT1UM0W01?srnd=cojp-v2
3.「FRBに憂慮すべきデータ、賃金急増で金利ピーク引き上げ検討も」
昨日のブブルムバーグ記事。ウィルミントン・トラストのシニアエコノミスト、レア・トーマス氏は「米金融当局は政策金利のピーク水準を引き上げ、より長期にわたってその状態を維持せざるを得ない可能性がある」と指摘した。
スウォンク氏は「インフレはがんのようなもので、治療しなければ他に転移し何度も再発するような厄介なものになる」と指摘。その上で、利上げという「治療」によって「2023年は荒れた年になる」と予想した。
この分析が当たれば、米長期国債を多量保有している邦銀はアウト、ドル円は急騰で日銀もアウトで円は紙くず化。邦銀は、早く短期債の保有にシフトし、為替ヘッジを外した方が良い、
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-04/RMDJAEDWX2PU01?srnd=cojp-v2
4「インフレ率、今後10年は5%を予想」
昨日のブルムバーグ記事。「インフレ率、今後10年は5%を覚悟-マクロストラテジストが提言」。インフレ率が今後10年は5%続ならFF レートは5~7%となるだろう。長期金利は当然それ以上に上昇する。
この論考、考えられなくもない。うがった見方かもしれないが、FRB も米政府もそれを狙っているのかもしれない。
私は以前から、何度も「日銀・財務省のお偉方は今後10年間、7%のインフレを継続したいと思っているに違いない。増税が出来ない以上、それが唯一の財政再建方法(=インフレ税)だからだ。10年間、7%のインフレが継続すれば、名目1251兆円の名目の借金額は同じだが、実質では半減するからだ。しかしながら日銀がインフレ対応手段を喪失した日本では、インフレが7%以上に加速するのを止める術(すべ)がない。ブレーキの無い車でアクセルを踏みこんでいる状態だからだ。だからハイパーインフレ一直線となる」と書いてきた。しかし、それは日本の話で米国は違う。たいした財政ファイナンスを行っていないからFRB はまインフレをコントロールする手段を持っている。その手段でインフレを7%に抑え、7%インフレを10年間継続したら、財政再建達成となり米国の黄金時代が継続する。ただし、それをやったら、日本はいちころ。日銀は莫大な債務超過で円紙くず化は必至。新中央銀行の設立へ。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-04/RMDCZ9DWRGG001
5.昨日、私のtwitterに以下のリツイートが来た。銀行員だという。大丈夫か、こんな行員を雇っている銀行?社員教育が必要だ。
「日銀の外貨評価益37兆円、ETFの含み益も15兆円くらいあるはずです。国債の含み損の9千億、どうでもいいわ」
以下のように返事した。
「何を言っているのやら?数字はきちんと見る!数字のフェークは最悪。日銀の外貨資産は9月末で8兆9000億円しかないのに、どうやって37兆円も評価益が出る?国債の評価損は10年金利が0.245%の9月末の数字。今後1%上昇すれば28.8兆円、2%上昇すれば52.7兆円というとんでもない評価損。が発生する」
6「10年国債とは,10年後から償還が始まり,60年以内に償還する国債、か?」
昨日、私のtwitterに以下のリツイートが来た。先日、対談した経済評論家の荻原博子さんも同じことを言っていたので「違う」と注意をしておいた。
貰ったリツイートは以下の通り。「10年国債とは,10年後から償還が始まり,60年以内に償還する国債です. 米国や英国など他の国では,償還期限がありません」
以下の通り返事した
「基本のキを勉強しなさい。あなたの言って尾いることは会計基準。2年国債は2年で償還。2年国債は2年で償還。2年国債を買ったら。60年かけて償還されるなら誰もそんな国債を買わないよ」
7「1ドル200円で日本経済の夜は空ける」
昨日、私が2002年1月に書いた「1ドル200円で日本経済の夜は空ける」の表紙の写真付きで「来年は理想郷にたどり着きますね。ワクワク」というリツイートが来た。
以下のように返信した。
「これを書いた2002年1月なら、円安こそ日本経済回復の唯一の手法だった。だから円安に誘導する手法(外貨預金に対する税制改革、日本国債のドル建て発行、マイナス金利政策(黒田日銀のマイナス金利政策とは180度違う)等を提案し、円安誘導を説いた。しかし誰も聞いてくれず(安倍政権のブレイン浜田教授だけは絶賛してくれたが)日本は時間を無駄に費やしバラマキと財政ファイナンスで日銀財務が極端に劣化してしまった。そんな状態になった今、円安にしたら、円安を止める手段もなくなりハイパーインフレまっしぐら。円安誘導という最強の武器を毒物に変えてしまった。