「AMEBAニュース」「日銀存亡の攻防戦。0.5%の最後の防衛ラインが破られるのは目前」「この恐るべき事態に私たちはもっと敏感に、もっと強い警戒心を働かせるべきではなかろうか」他

2022年12月22日

1.「AMEBAニュース」

一昨日出演のABEMAプライムでの発言が、現在AMEBAニュースでトップ記事になっています。お読みいただければ幸いです。

https://times.abema.tv/articles/-/10061293

 

.「日銀存亡の攻防戦。0.5%の最後の防衛ラインが破られるのは目前」

今、日銀は物価とか景気とかに関して何も考えていない、と言うか考える余裕がない。唯一、頭の中にあるのは、自身の存亡に関してだけ。しかし、日銀の存亡は国民生活にとんでもないほどに大きな影響(円の紙くず化)を与えるから、日銀は物価とか、そんな小さなこと(?)に、かまっていられないのかもしれない。

日銀は10年国債金利の許容変動幅を±0.1%、±0.2%、±0.25%と順次引き上げていった。一見、物価上昇に対する対応のように見えなくもないが、本質は組織防衛戦だ。そして0.25%では、無制限の指値オペまでして必死の防衛態勢を敷いた。これは「保有国債が評価損に陥るか否か」の防衛ラインで、極めて重要なラインだったからだ。しかし外国勢の売り仕掛けに負けて、このまま継続すれば、とんでもないことの国債購入を強いられることになる。したがって防衛ラインをやむを得ず下げた。許容変動幅0.5%は最後の防衛ラインだ。その後ろは崖だ。なぜなら0.5%は日銀が引当金、準備金のすべてを食って債務超過に墜ちるラインだからだ。しかし0.25%防衛欄を押し破った外国勢は既に0.46%まで迫ってきた。0.5%の最後の防衛ラインが破られるのは目前だ。債務超過。私が、円の紙くず化が近いという理由。

 

3.「行き詰まった異次元緩和」

昨日の朝日新聞1面トップ記事の開設「行き詰まった異次元緩和」という原真人編集委員の解説は厳しくそして端的に一昨日の利上げを解説している。原編集委員曰く「とは言え世界最悪の借金依存状態にある日本政府が 23兆円近い国債増発を伴う総合経済対策を打てるのも、防衛費を5年間で17兆円増額しようという計画が進められるのも、日銀という『打ち出の小づち』の存在を前提にしたものだ。岸田政権や黒日銀がそれをやめ、本格的に政策転換する覚悟をしたとは考えにくい (略)世論の強い風当たりを感じている日銀の内部には、急速に政策転換論が浮上している。予算編成で国債価格の安定に救われてきた財務省にも、異次元緩和への過度な依存がむしろ財政を劣化させつつあることに危機感が募っている」

 

4.「この恐るべき事態に私たちはもっと敏感に、もっと強い警戒心を働かせるべきではなかろうか」

朝日新聞 原真人編集委員のこの論考も必読。「この恐るべき事態に私たちはもっと敏感に、もっと強い警戒心を働かせるべきではなかろうか」という最後の締めは素晴らしい。「この恐るべき事態」に気が付いている日本人は、まだほんの少数。朝日新聞を読んで「この恐るべき事態」に気が付き対策を練った読者は近き将来救われたと感謝するだろう。ちなみに原さんは日経新聞から朝日新聞への転職組。日経新聞は惜しい人材を失った。

原編集委員曰く「政府が紙幣を自由に発行できるようになると放漫財政に陥り、財政破綻(はたん)するケースが増えるというのが歴史の教訓だ。そこで人類の知恵が生み出したのが、日銀のような中央銀行システムだった。政府財政とは独立した中央銀行が通貨発行政策をつかさどる。そのほうが結局は国家経済も財政も安定するという考えにもとづくものだった、いま日銀が政府の借金事情にあわせて国債の半分を買い支えている事態は、そんな中央銀行の役割を放棄して、政府の「打ち出の小づち」に成り下がっているのに等しいのではないか」 https://www.asahi.com/articles/ASQDP01D3QDNULZU01L.html?iref=pc_ss_dat

 

5.「オリンピックは果たしてやってよかったのだろうか?」

オリンピックの東京開催が決まり日本中が湧いた翌日、私は当時レギュラーコメンテーターだったフジテレビ [特ダネ]に出演した。当然この日のメイントピックは東京開催。コメントを求められた私は「どうせ税金の多額投入が必要になる。財政がこんな厳しい折、オリンピックやっていいんですかね」と発言した。当然スタジオ中が凍りついた。番組後、友人からもブログでも「空気を読め」と非難ゴウゴウだった。でも「空気は読むものではない、吸うものだ」と返信した。開催で黒字になるのなら開催大賛成だが、多額の税金を投入するのだから今でも当時のコメントは正しかったと今でも思っている。今後、あの経費も消費増税又はハイパーインフレという実質税金で国民が負担するのだから。それに選手が「金(きん)」を狙っていた一方、関係者は「金(かね)」を狙っての開催だったということが分かってきたのだから。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO67041440R21C22A2CM0000/