「1ドル500円の理由」
昨日、日経新聞の「格下げリスク」の記事に触れた。この記事には「政府債務が対GDP 比147%のイタリア(トリプルB)よりも、264%とはるかに悪い日本(シングルAプラス)の格付けが「まし」な理由も書いてある。日銀が財政ファイナンスを行っているからだ。
注意すべきは、格付けとは「倒産確率」という点だ。CDS同様、ハイパーインフレのリスクは考慮に入れてない。したがって自国で紙幣を刷れる日本の方が、ユーロを刷れないイタリアよりも格付けが上なのだ。
しかし、日銀が財政ファイナンス(=国債の爆買い)を辞めて長期金利が1%まで上昇すると格下げの可能性があると日経は書いている。日銀が財政ファイナンスを辞めれば1%の上昇で済むわけが無い、私は10%どころか20%くらいまで跳ね上がると思っている。当然、日本国債はジャンク債の格付けとなる。その弊害はこの記事に書かれている。
すなわち格付けの観点からも(まだまだ他に理由が山ほどある)日銀は国債の爆買いを辞められないのだ。緩和からの出口が全くないということ。世界各国がばらまき過ぎたお金の回収に入っているとき、日銀はひたすら円をバラマキ続ける。バランスシートは拡大し続ける。他の選択肢はない。日銀破綻への道(1ドル天文学的な数字=円の紙切れ化)の過程で1ドル500円になると私がいう理由だ。こんな時に「テクニカル分析で円高」とか「日米金利差が縮小し円高」などと考えるのはいかがなものか?
0.25%から12月20日に後退させた0.5%という防衛ラインを日銀が破られると次に何が起きるかを先週の週末にプレジデントオンライン向けに書いた。1両日中にアップされるはず。アップされたら通知いたします。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB226ZQ0S2A221C2000000/