「次期日銀総裁という恐ろしい仕事を誰が引き受けるのか?」「恐ろしいニュースが続出」他

2022年12月30日

1「次期日銀総裁という恐ろしい仕事を誰が引き受けるのか?」

12月には次期日銀総裁が決まるだろうと聞いていたのにまだ決まらない。

雨宮副総裁や中曾元副総裁が固辞しているという話も流れる中、一昨日、産経新聞が第3の男として山口広秀元副総裁の名が挙がってきたとの記事を出したそうだ。

私は(日銀の財務を熟知している)雨宮副総裁が次期総裁職を固辞したら、本当に日銀はやばいと思った方がいいと書いてきた。異次元緩和から、誰も出口を描けないからだ。物価上昇がより深刻になっても、日銀は何にも出来ない、

金利を自ら上げれば、その場で自死してしまうし、上げなくても市中金利が上昇して「日銀無能扱い」の末にマーケットに殺されてしまうからだ。そんな国民の怨嗟を招くような仕事は、日銀の財務事情を知れば知るほど引き受ける人はいないだろう。もし、山口さんが総裁職を引き受けた場合には上記の私の分析は少し揺らぐ。しかし逆に山口さんも固辞されるようだったら、「日銀危なし」の私の考えは確信に変わる。

 

2,「恐ろしいニュースが続出」

昨日、昨日と日経新聞が、マーケット欄等の目立たないページで、日銀と外国人投機筋との攻防戦に触れている。昨日の「国債市場にゆがみ消えず」や本日の

「市場VS日銀、攻防年越し」とのニュースで、0.5%の最終防衛ライン(=債務超過防衛ライン)を破られるか否か関係のニュースだ。これは、今、日本が直面している最大の危機問題だと思うが、マスコミも政治家も為替マーケットも、なんとも能天気なものだ。深刻さをわかってないのだろうな。日本経済、円がThe endになるかもしれない瀬戸際の戦いなのに。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO67261510Z21C22A2EN8000/

 

3.「米国の粘着インフレ」

「粘着インフレ」とはよく言ったものだ。すばらしい表現力。感心。FRBは昨年「インフレは一時的」と分析し大誤り、今年は、その失敗の穴埋めで急激な利上げを行った。又、早すぎる上げ幅縮小を開始してしまった。今回の世界的インフレは、コロナ禍対策(日本は平時から)でお金をばらまいたせいだから。QT(量的引き締め)を完了させないことには収まりっこない。FRB が、こんな生半可な意思決定をしていたら、粘着インフレは長く続くだろう、それどころか、私は相変わらず「サタデイ・ナイトスペシャル(長期金利20%、FFレート24%)」の再現リスクは大きいと思っている。

本日の日経新聞いわく「問題はその後だ。米ゴールドマン・サックスは政策金利が23年中に5%台に高まり、25年末時点でも3.5~3.75%までしか下がらないと予測する。引き締め的な金利水準が少なくともあと3年続くことになる」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN274Y20X21C22A2000000/

 

4.「日米経済格差」の根本原因が、グランドキャニオンに行けばわかる訳」

「日米経済格差」の根本原因が、グランドキャニオンに行けばわかる訳」が昨日。

ダイヤモンドオンラインにアップされました。無料で読めます。

本稿は、拙著『超インフレ時代の「お金の守り方」ドル高はここまで進む』(PHPビジネス新書)から一部を抜粋、再編集したもの。今年2か月間、米国に滞在しての感想を書いたもの。日米の経済格差がますます開いてきた。その上に日銀財務が最悪。それが円安の理由だが、本稿はその前半部分に焦点を当てた記述の一部。

https://diamond.jp/articles/-/315040

 

5.「為替介入は「愚の骨頂」と断言できる理由、効果を信じているのは素人だけ」

「為替介入は「愚の骨頂」と断言できる理由、効果を信じているのは素人だけ」が昨日、ダイヤモンドオンラインにアップされました。無料で読めます。

本稿は、拙著『超インフレ時代の「お金の守り方」ドル高はここまで進む』(PHPビジネス新書)から一部を抜粋、再編集したものです。なお、これはデイトレーディングの話をしているわけではありませんのであしからず。

https://diamond.jp/articles/-/315041

 

6,「言葉で為替を動かせるか?」

昨日、以下のリツイートが私のSNSに来た。

「よっぽど円安に誘導したいのかね?」

以下のように回答した。

「何言っているのやら?ファンダメンタルズに反して言葉だけで為替が動くのなら日銀は金利など動かさなくてもいいし為替介入も不要。私の何千倍も影響力のある日銀総裁が「円安になる」「円高になる」と言えば誘導できるのだから。米国大統領も口だけでドルを誘導できる?そんなわけないでしょうが」