1.「何かあったのか劇場 その2」
昨日も書いたように日銀総裁職は、日銀内部者にとっては垂涎の的。平時に就任依頼がったのに拒否する人など考えられない。本日の日経ベリタスの記事によれば、やはり、総裁候補だった雨宮副総裁も中曽宏前日銀副総裁も、現時点では総裁人事と距離を置いているとのこと。この記事にあるように「プロパーとして総裁を務めた3人(速水優氏、福井俊彦氏、白川方明氏)は、いずれもいったん外部で仕事をしてから日銀に戻った」のは事実だが、それは、日銀を離れる時、総裁職が日銀の番ではなかったり(昨日も書いたように総裁職は日銀と大蔵省OBが替わりばんこに就く暗黙の了解が存在した)、日銀退任当時は総裁候補ではなかったに過ぎない。雨宮氏のように昔から絶対的エースで将来の総裁候補と目されていた人で、今回は日銀の番であるのみ総裁職をけって、一度外に出るなどは通常はあり得ない。「あまりにも日銀の財務状況が悪く、異次元に厳しい仕事」となることが、内部事情を知っていれば知っているほどわかるからだろう」と考えるのが普通ではないか?雨宮氏は、残務整理機構となる現日銀ではなく、新しく創設されるであろう新中央銀行の総裁職を狙った方がいい。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD300060Q2A231C2000000/
2.「新しい中央銀行が出来るなら」
新しい中央銀行が出来るのなら、現在の円は紙くず。今のうちにドルに換え、新通貨が出た後に、ドルを新通貨に戻すのが賢明。私の予想が当たるなら1ドル=120円でドルを買おうとも1ドル150円でドルに買おうとも、財産を守る意味では誤差の範囲。デイトレーディングの発想は捨てるべき時。今はもう、日米金利差縮小で円高などという次元の話ではなくなっている。もっとも今後、私はますます日米金利差は開いていくと思っているが。昨晩の米国10年金利は3.88%へと、さらにと上昇している。
3「日銀がやっていること、もうハチャメチャ、末期症状か」
本日の日経新聞3面の記事。日銀の長期国債国購入額が12月に過去最高の17兆円という購入額を記録したそうだ。長期金利の許容変動幅を拡大した後も、外国勢の国債売りが続き、非常に苦しい攻防戦が続いている証左。国債の爆買いとは、すさまじい量的緩和を意味する。これほどの量的緩和をするのだから記録的デフレへ懸念からと思いきや、日経1面には、「日銀、物価見通し上げへ」の記事。もう日銀がやっていることは正反対のもう滅茶苦茶。黒田総裁退任まで、何とか日銀をつぶさないようにしようと考えているとしか思えない。ちなみに12月の日銀の国債の購入額の17兆円であるが、これは12月20日に増額を決めた「月間9兆円程度」の目標よりはるかに大きく、また政府の12月の長期国債発行額の15兆円弱(1年債3,5兆円を含む)よりも大きい。財政ファイナンスと言わないでなんというのか?滅茶苦茶と言わずになんというのか?私は日銀は「死に体」一歩手前だと思っている。それは円の終わりも見えてきたということ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB301O30Q2A231C2000000/
4.「次世代を考えない政治の劣化」
「政府がいくら赤字国債を出しても、子会社の日銀が引き受ければ国民負担ではないというジョークを、まともに信じる政治家が増えている。金利上昇で国債価格が下落しても、日銀が時価評価しなければ含み損はないという、市場経済を愚弄した発言もある」本日の日経新聞「大機小機」中の文章。まさにその通り、政治家の劣化がすさまじい。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO67271980Q2A231C2EN8000/
5.「いまの円高は一時的な調整に過ぎない…金融のプロが「1ドル=500円の大暴落に備えよ」と警告する理由」
昨日プレジデントオンラインに「いまの円高は一時的な調整に過ぎない…金融のプロが「1ドル=500円の大暴落に備えよ」と警告する理由」がアップされました。無料で読めます。
https://president.jp/articles/-/64769
6.「1ドル180~200円の円安を「まさか」と笑えない理由、“引き金”の正体とは」
本日、ダイヤモンドオンラインに「1ドル180~200円の円安を『まさか』と笑えない理由、“引き金”の正体とは」がアップされました。無料で読めます。
https://diamond.jp/articles/-/315042