1.「日銀の詭弁を垂れ流すマスコミや一部評論家」
1月はまだ半分しか過ぎていないのに、日銀は16兆2409億円と昨年12月の史上最高の17兆266億円に次ぐ勢いで国債を購入している。日銀の国債購入とは量的緩和のこと。こんな滅茶苦茶な資金投入は、ものすごいデフレの時にそこから脱却しようとする際にしか行わないオペレーションだ。ところが今は企業物価が年9.7%上昇と41年ぶりの高騰をしている時代なのだ。これでは日銀がいかに国債購入継続の正当性を主張したところで、それが詭弁なのは明々白々。国債購入継続の理由は購入を辞めて金利が高騰したら、大変なことが起こるからだ。他になんの理由がある?日銀の債務超過、円の大暴落が心配なのだ。マスコミや一部評論家はどうしてこんな簡単なロジックが分からず、日銀の詭弁をそのまま垂れ流すのだろう?理由はアホなのか、それともーー。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1639B0W3A110C2000000/
2.「日銀に対応策はない」
Web 版には載っていないが、日経新聞の紙面には「大和証券の岩下真理氏は『これほどまでに 市場へのコントロールがきかなくなっている日銀は初めて見たという市場参加者が多い』 と指摘。『市場への介入を強めた異次元緩和のコストを今、払わされている状況』と見る 日銀は難しい対応を迫られている」(日経新聞)。私が異次元緩和開始以来、「ジリ貧を逃れようとしてドカ貧になる」と警告してきたとおりだ。日経新聞には「日銀は難しい対応を迫られている」とあるが、時。すでに遅し。もう対応策はない。ハイパーインフレへの道(=円紙くず化)まっしぐらだ。究極の財政再建で、政府は大助かりだが、国民は地獄だ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1639B0W3A110C2000000/
3.「YCCを放棄すれば格付け低下」
何度説明しても「CDS レートが低い。日本は信用されている」と食ってかってくる人がいる。CDS レートは国の資金繰り倒産の確率であり、日本が低くて当たり前だ。日銀が財政ファイナンスで必要な時に好きなだけ紙幣を刷っている以上、資金繰倒産は起こりっこない。しかしそれは紙幣価値の棄損、すなわちハイパーインフレを引き起こす。CDSレートはそのリスクを考慮に入れた数字ではない。
格付けも同じだ。国の倒産確率に過ぎず、ハイパーインフレのリスクは考慮に入れていない。ところで、1~2か月前に日経新聞に格付け機関首脳へのインタビュー記事が載っていた。対GDP比で借金がはるかに多い日本の格付けがイタリアより高いのは日銀が国債購入をしているからとの話だった。日銀が国債購入を継続している限り、政府は資金繰り倒産をする確率が低いからだ。しかし逆に言えば、日銀が、大量の国債購入を辞めれば、格付けは下がる。自発的にYCC(=国債の爆買い)は辞められない、ということ。
もし、ヘッジファンドVS日銀の戦いで日銀が敗れても、長期金利は上昇し、格付けは下がるだろう。いずれにしろ、これ以上の格付け低下が起きれば日本経済はアウトだ。日銀は、どんなに物価上昇が継続しようと国債購入を継続し、ヘッジファンドに打ち勝たねばならない。だからハチャメチな行動に毎日出ている。円暴落の危機と、極めて苦しい戦いを行っている。それなのに世間に危機感が無いのはどうしてだろう。もう日銀は体をなしてない。私は近いうちに円は紙くず化するだろうという理由だ。オーソソックスな金融論、先人の知恵を無視してきた人災だ。
4「緩和見込むトレーダーの見方は誤り、利上げは続く」
昨日のbloomberg記事。「リセッションが起きそうだから金融引き締めをやめる」は誤り。インフレを納めるためにはリセッションが不可欠。QT(お金の回収)の完結が不可欠。日本はQTどころか巨額のQE(お金のバラマキ)を実行中。巨額のQEを辞めるめどさえつかない。もうハチャメチャ。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-16/ROKRF7DWLU6801?srnd=cojp-v2
5.「オーソドックスな金融論に精通されていれば心配になるのは当然」
元日本経済新聞記者で1980年代後半のバブル期以降、主に金融資本市場取材に従事。日経QUICKニュース社(NQN)のデスク、部長をされていた方から以下リツイートをいただいた。「日本は1971年のニクソンショックでブレトンウッズ体制が崩壊し、各国が外為市場を閉鎖する中で1ドル360円を守ろうと巨額のドル買い円売りをし、その後の狂乱物価の原因の一つになった。 状況が急変しても政策変更が遅れるミスを今回も繰り返し、大幅に余剰な円の価値が棄損しないか非常に心配だ。」以下のように返信した、「ご経歴からしてオーソドックスな金融論に精通されていらっしゃる方だと思います。心配になるのは当然ですよね」