1,「日銀総裁をだれが何をやっても日本円は紙くずに」
本日プレジデントオンラインに拙稿が載りました。「だれが何をやっても日本円は紙くずになってしまう…日銀総裁が「東大の経済学者」となった本当の理由」とのタイトルです。無料で全文読めます。マーケットを見誤らないために是非読んでいただければと思います。
https://president.jp/articles/-/66766
2.「学者として矜持はどこへ?」
本日のプレジデントオンラインの拙稿は「なぜ植田さんは総裁職を引き受けたのか?」とかの内容。YTT 解除の衝撃を甘く見過ぎたせいだと思います。無料で全文読めます。昨日の国会問答を見てやはり苦しいな。学者として矜持はどこへ?」と思いました。
3.「地獄は本当に待っていないのか?」
本日の日経新聞1面に載っていた「日銀内部で大規模緩和の立案に携わってきた内田氏は出口について『当初から考えている。適切に対応することはできる』と自信を示した」の記述は、は長男・藤巻健太の質問に対する答弁だが、こんなに断言して大丈夫か?健太は2001年3月の日銀政策員会・金融決定会合を参照し、植田総裁候補は、その時、量的緩和では「長期国債買いオペの増額と思う。それでうまくいかないと地獄になる」かつ「出口のストラテジーが無い」とも発言している。この植田総裁候補の発言は最初に小規模な量的緩和開始を検討した時の発言だ
その後、黒田日銀が大規模な量的緩和を行った。小規模緩和の時に、植田総裁候補が「地獄」という強い言葉を使い、出口のストラテジーが無いと言っているが、内田副総裁候補は「地獄から逃れられる」と考えているのか?」と質問した。それに対し内田候補は「出口はある」と断言したのだ。大丈夫?
(取っていた私のメモ書きなので、多少間違いがあるいるかもしれない。もうすぐ出ると思われる議事録、衆議院TV でご確認いただきたい)
https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/record_2001/gjrk010319a.pdf
4,「今後長期金利が上昇した場合、金融システム不安や生保の経営に問題が生じないのか?」
「今後長期金利が上昇した場合、金融システム不安や生保の経営に問題が生じないのか?」との健太の質問に対し、内田副総裁候補は「地銀・生保とも健全である。心配には及ばない」と答弁された。たしかにそう答えるしかないだろう。「問題ある」と答えれば、即「取り付け騒ぎ」が起きてしまうからだ。しかし、内田副総裁候補が「問題ない」と答えたのは、長期金利が現状の場合であり長期金利がさらに上昇した場合、本当に大丈夫と言えるのか?日銀は長期金利を上げられない。円安ドル高進行でインフレが加速しないのだろうか?
5,「債務超過に対し引当金・準部備金を積んでいるから大丈夫か?」
どなたの質問か忘れたが’(確か前原さんだったと思う)、植田総裁候補は「出口には、金利引き上げと、保有国債売却という方法があるが、今回は日銀当座預金への付利金利引き上げになると思われる」と答えられた。そして「その場合、債務超過に一時的になる可能性もあるが、そのために引当金や準備金を積んでいる」と答弁された。しかし引当金や準備金は約11兆円しかない。日銀当座預金残高は502兆円もある、1%金利を上げたら5兆円の支払い金利増だ。通貨発行“損”で引当金や準備金の約11兆円など簡単に吹っ飛ぶ。ましてや米国のように4,5%に上げたら、すさまじい損の垂れ流し。
6.「国会とは何を討議すべき場所か?」
国会は、国民の(生命と財産の)生死に係る「財政・外交・防衛問題」を専門的知識のある人・見識のあると思われる方が議論すべき場で、週刊誌の続きを議論する場でもなければ、補備の身近な問題を議論する場(地方議会に任せるべき)だと思う。その点で、昨日の総裁・副総裁候補の国会質疑は良かった。
7,「日銀総裁・副総裁の国会同意は必要か?」
昨日の総裁・副総裁候補の国会質疑は良かった。さらに深い議論を財政金融委員会・予算委員会でお願いしたい。そうは言う反面、日銀総裁・副総裁の同意人事は必要なのかとの疑問が残る。日銀は政治からは独立すべきだからだ。政治家は次回自分が選挙に受かるかが最大興味で、短期の景気しか興味がない。しかも同意人事があると日銀を子会社とみてしまう。統合政府化(=財政ファイナンス)だ。これこそが、今、日銀がつぶれるか否かの瀬戸際に立っている最大の原因だ。財政ファイナンスが財政規律を失わせ、ハイパーインフレを導き、国民を地獄に墜ちいらせるのは歴史が証明している。