「収まらない米インフレ」「日本のインフレは『糸の切れた凧』」「『時、すでに遅し』ではあるが正論」他

2023年06月04日

1.「収まらない米インフレ」

NYダウは先週金曜日$701上昇した。米国株価は少しでもポジティブなニュースが出るとすぐ大きく上昇する。世の中にお金がばらまかれ過ぎているからだ。株価や不動産の上昇は資産効果でそれらを保有している人たちの消費意欲を掻き立て、結果狂乱経済化なる。日本が1985年から90年に経験したバブル時代と同じだ。米国人は日本人より圧倒的に多くの国民が株を持っている。この資産効果は日本のバブル時より非常に大きい。

さらには日本のバブル時は毎年30円から40円もの円高が進行し、強烈なデフレ要因が存在した。今の米国には日本のバブル時のような強烈な自国通貨高が進行していない。したがってインフレが簡単に収まるわけがない。5月23日に米金融界の大物論客、ジミーダイモン(JP モルガン会長)の「10年債利回りが6~7%まで上昇する可能性に備えるべきだと」との発言(金曜日 3.69%)を軽視してはいけないと思う。私自身は1979年のボルカーのサタデイナイト・スペシャルの再来があると思っている(長期金利20%)。

 

2,「日本のインフレは『糸の切れた凧』」

日本ではインフレが加速しつつある。日銀が注目するコアCPIは昨年10月に2.5%と2%を超えてから11月2.8%、12月3.0%、今年1月3.2%、2月3.5%、3月3.8%、4月4.1%とどう見ても急速にかつ着に加速している、何をどう分析すると、植田日銀総裁の予想するようにコアCPIが今年後半から2%以下になるのか教えてもらいたい。さらには株価がバブル後最高値を記録するなど、資産インフレが加速している。

(注・資産価格(ストック)の上昇はインフレとは言わない。資産インフレと言う。インフレとはフローの観点の話だ)

まさにCPIが0.5%だったにもかかわらず経済が狂乱したバブル期の進行当時と同じ状況だ。バブル期はドル/円で毎年30円から40円ずつ円高が進み強烈なデフレ要因がインフレを相殺したが、今はむしろ円安傾向でインフレを加速させる。

さらには日銀は「中立より少し引き締め気味」の金融政策を継続しているわけではない。史上最高規模の超ド級の金融緩和を継続するどころか加速させている。世界と逆行。今やばらまかれたお金の量は他国とは桁違いだ。

そして最悪なことに日銀はインフレを制御する方策を今や全く持っていない。「統合政府論」の実践である財政ファイナンスを行ってしまったからだ。まさに日本のインフレは「糸の切れた凧」のような状態だ。

早く日本にインフレを制御できる能力を持つ新しい中央銀行を創設せよ(=現在の円の紙くず化が残念ながら不可欠)、個人はドルを買って危機に備えよ、と説く理由。

 

3.「『時、すでに遅し』ではあるが正論」

昨日の日経新聞。「時、すでに遅し」ではあるが正論。いわく「それでも政府債務残高の国内総生産(GDP)比が120%台程度の米国が、これほどまで歳出削減を話し合っている事実は重い」「翻って日本。債務残高のGDP比は260%と米国の2倍強だ(中略)しかし与野党・政府そろって財政規律の緩みを直視しない国はどうなるか」

答えは円の価値の失墜でハイパーインフレ。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA297WP0Z20C23A5000000/

 

4.「空軍士官学校卒業式」

バイデン米大統領が1日、コロラド州の空軍士官学校の卒業式に出席した際、こけた。この卒業式に、ボストン在住の次男夫婦が出席していた。次男の嫁さんが仲良くなった方のお嬢さん・みくちゃん(父:米国人、母:日本人)が、卒業するからだ。ご招待いただいた。空軍士官と聞くと、語感から怖そうなイメージだが写真で見ると、なかなかチャーミングな女性。この卒業式には、なかなか出席できるものでない。いい機会をいただいたと感謝!それにしてもドン天の中でも模範飛行をする米軍はさすが。強いわけだ、

US Air Force

US Air Forcew 2

US air force3

5.「Patとのお別れ」

私が肉親以外で、世界で最も尊敬するJPモルガン時代のボス、マーカス・マイヤーの奥さんPatが亡くなった。マーカス・マイヤーはスイスの小学校卒だが、けた外れに頭が良く、JP モルガンでトップ5にまで昇進した。いずれ会長かと皆が思っていたが、突然引退して、その後は夫婦で自由な人生を謳歌していた。マーカスは私にとって仕事上の尊敬する偉大な師だっただけでなく、私たち家族はマーカス夫婦の人生感から様々な薫陶を受けた。日本人からは見たことも聞いたこともない人生感で、スケールが大きいとしか言いようがない。外資で働きこのような人生感に触れえたことは、私の人生の宝だ。日本人の人生観が世界の常識ではないことを嫌と言うほど感じさせてもらった。

一時は世界中に6つの家を持っていて、私はNY の家、スイスの家、ウイーンの家、イタリアタスカニ―の家、ザルツブルグの家に泊めてもらった。Patは何時でも優しく大歓迎してくれた。マーカス夫婦も日本へのセンチメンタルジャーニーの際には2週間強、我が家に泊まり、家族で一緒に九州の温泉に行ったりもした。

マーカスから来たpatが亡くなったことの(ごく少数向け)連絡メール(素晴らしい思い出の写真付き)は彼等の人生観を表しているようにも思う。JPモルガンで彼に仕えた人たちで私のSNS を読んでくれている同胞たちのために、ここに一部を記す。

Pat has had a happy, peaceful farewell with**, **, **, **and **. She has been smiling and was so happy to see them all.

This morning Pat peacefully sailed away for her last rest.

I would like to thank Pat‘s care taking team for their fantastic empathic help my wife has received from them over the last year. My thanks also goes to Dr * for her support.

I take all the good memories with me I have had since 1967 with my Dear wife, Patricia Lynne Meier-Rogan.

Dear Family and Friends, join me to celebrate the life of Patricia with all our memories.