「『統合政府論で考えれば財政は健全』論はトンデモ理論」「『財政ファイナンス』とは英語では『マネタイゼーション』なぜか?」「日銀の財政ファイナンスは異次元」他

2023年06月22日

1.「『統合政府論で考えれば財政は健全』論はトンデモ理論」

「財政ファイナンスの定義は、中央銀行による政府への信用供与(=貸金)である。中央銀行が国債を買うとは、まさに国に貸金をしているのだから財政ファイナンスそのもの。そしてそれはまさに統合政府論の実践だ。「統合政府論で考えれば財政は健全」論は財政ファイナンスは素晴らしいというトンデモ理論。

 

2.「『財政ファイナンス』とは英語では『マネタイゼーション』なぜか?」

統合政府では政府の資産と日銀の負債が残る。すなわち政府の負債(国債)が統合政府では「発行銀行券+日銀当座預金」という負債に変わる。だから英語では財政ファイナンスをマネタイゼーションと言う。負債が国債からお金に変わるからだ。オーソドックスな金融論では財政ファイナンス(=マネタイゼーション)は、お金の供給過多で価値が棄損し、ハイパーインフレを招くので禁じ手中の禁じ手と言われている。

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3.「日銀の財政ファイナンスは異次元」

「FRBも日銀と同じことをしているのになぜフジマキは日銀だけが危ない」と言い張るのか?との質問がたまに来る。回答は日本の財政ファインナンスの程度が米国はじめとする他の中央銀行に比べても桁外れにすさまじいからだ。以下の表は政府の年間の国債発行額と、中央銀行の毎年の国債購入額を比べた表。いかに日銀の財政ファイナンスが他国に比べて異常な規模かが分かる。

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4.「連日の如水会館」

一昨日は、三木会主催で主として一橋大学のOB向け講演会@如水会館。前回は矢野前財務省財務次官だから、日本の財政に非常なる危機感を持っている人間の講演が続いたわけだ。昨日はG9の会@如水会館。一橋大卒業のマーケット関係者の会でもう20年以上続いている。一昔前は、マーケットで名の通っていたバイサイドのメンバーばかりの集まりだったから皆、ここでの議論の中身を知りたがっていたと思うが、今は老人のたわごとと思われているのかも(笑)。105