1.「世界中の中央銀行が物価安定を回復するために強力かつ断固とした行動。あれ~日銀は?」
昨晩のブルムバーグニュース。「ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、『世界的な高インフレ環境において、世界中の中央銀行が物価安定を回復するために強力かつ断固とした行動をとっている』と述べた」。その一方、日銀は唯一、物価安定に軟弱な態度を示すどころか、インフレ加速のために更なる金融緩和(=お金を更にばらまき続ける)に注力している。そのうえ、金融政策を中立に戻す手段さえ失っている。これではどの通貨に対しても、円の暴落は間違いない。私は6か月後のドル/円を400円~500円、もしくはそれを越して天文学的数字になると予想する。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-26/RWV7L4T1UM0W01?srnd=cojp-v2
2「世界の中銀の中でも日銀が最悪」
本日の日経新聞に載ったファイナンシャルタイムズの記事。インフレに悪戦苦闘している英国の新聞のせいもあろうが、やはり論説が鋭い。いわく「多くの先進国は景気低迷期によくみられる相当規模の財政赤字を垂れ流しており、これがインフレに拍車をかけている(藤巻注:藤巻はこれこそ世界的なインフレの最大の原因だと思っている)」「金利の上昇は、ユーロ圏ではイタリアといった債務水準が高い国の財政の安定性を脅かしている」「まず何より明らかなのは、インフレは債券の実質価値を低下させるため、貸し手(投資家)から借り手(発行体)に対し、恣意的な富の移転を生む(藤巻注:貸しては国民、日本最大の借り手は国。したがってインフレは税金と同じ)「投資家は中銀の対応にまだ期待しているようだが、それが成功する可能性は高くないことを承知しておくべきだ(藤巻注:日銀は一番悲惨で私は日銀と円の消滅を予想している)
私は日銀と円の消滅を予想しているがゆえに6か月後のドル/円を400円~500円、もしくはそれを通り越して天文学的数字になると予想する。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB250OE0V20C23A6000000/
3「ドル売り介入は円暴落の引き金になりうる」
昨年11月、12月の前回の介入時に比べて為替介入の効果は著しく低下しており、逆に、介入に効果が無いと市場が判断すれば、円暴落の引き金になると予想する。介入額なぞ世界の為替取引に対して微々たるものだからだ。それにドル売りには保有外貨準備額までしか玉がないという致命的欠陥がある。
昨年11月、12月の介入時には、欧米中央銀行の今年中の利下げ期待、日本の量的緩和の方向変換を多くの欧米人が信じていた。介入を機に円高にベクトルがチェンジするとの期待もあった。ゆえに介入もそれなりの効果があった。しかし今や、そのような期待は欧米人の間でもほとんどなくなってしまった。ドル高円安に乗り遅れたり、逆にショートポジションを持ってしまった欧米機関も多いと思われる。彼らは、完璧に押し目買いスタンスだとも聞く。
私は6か月後のドル/円を400円~500円、もしくはそれを越して天文学的数字になると予想する。
4.「あまり鋭さのないお人好しの仕事」
大蔵省の財務官としてプラザ合意に尽力した大場智満市が亡くなったそうだ。ご冥福をお祈りいたします。私が現役の頃の大場さんは強面で(私の印象だけかも知れない)私クラスでは近寄りがたい雰囲気があった。しかしその反面ユーモアに富み、欧米社会で通用する紳士だった。1998年8月24日の日経新聞夕刊に出ていた大場さんのエッセイを私の2番目の本「タイヤキのしっぽはマーケットにくれてやる」(日本経済新聞社)に引用させていただいたことがある。「半年後の為替相場予想を聞かれたとき ジョークでかわすとかどが立たない。 天国へ昇ったとき、だれもが神様が決めてくれた仕事をする。ただ神様は忙しいので代理をおくることがある。その日はアインシュタイン博士が代理であった。最初に天国に昇ってきた男は、抜群の天才であった。この男には相対性原理をさらに発展させることになった。 次に天国に昇ってきた秀才は、核兵器の廃絶を立案することになった。 最後にあまり鋭さのないお人好しが天国へ昇ってきた 博士はしばらく考えた末にこう言った。「あなたには半年後の為替相場の予想をしてもらいましょう」」