1「27.28日の日銀政策決定会合での変更はシミ程度。その理由」
「27.28日の日銀政策決定会合では、ミ程度の政策変更しか出来ない。政策変更を織り込んでいる為替市場は足を掬われドル/円は急騰するだろう。FRB が6月に利上げを一時休止した主因は銀行破綻問題だ。日本ではシミ程度の政策変更で米国以上の悲惨が起きる。だから政策変更できない。異次元財政ファイナンスの結果だ
2.「当局者が『危ない』と言った瞬間に財政や通貨の信用秩序は崩壊しかねない。 だから『真実』を公の場で言うことはできない」
以下原朝日新聞編集委員の新書「アベノミクスは何を殺したか」(朝日新聞出版)より。
3人の論者で最初に登場するのは リフレ論をめぐる岩田沖が大論争の当事者である翁邦雄氏、次に白川方明元日銀総裁、 三番目が私、サブタイトルは「異次元緩和の危うさを最も激しく問うた」 次に前日銀副総裁の中曽宏氏と続く。原編集委員は、私の章では「この問い(藤巻注:異次元緩和の危うさ)に対し最も悲観的な見通しを持っている 経済専門家はおそらく藤巻健史だろう かって米モルガン銀行東京支店長の時代に『伝説のディーラー 』と呼ばれたほどマーケットに精通した市場のプロフェッショナルであり 参院議員を務めていた際には安倍や黒田に異次元緩和の危うさを最も 厳しく問い続けた人である」 「このインタビューをしたのは2020年4月だったが その後の経済状況は藤巻がここまでここで見立てたシナリオ通りにほぼ進んだ(略) ところがこの後局面がガラリと変わる 政府日銀による大規模な為替介入が行われたためだ(略) 一見すると、藤巻が鳴らした警鐘は杞憂に終わったようにも見える。 だが、 そう単純には言えない。安心するには早すぎるだろう。ある政府関係者はのちに、私にこう打ち明けた。『為替介入での海外ファンド勢との攻防は、本当に薄氷の戦いだった』(略)だが先ほどの政府関係者はいう。『一つ間違えば一ドルが200円を超えていてもおかしくなかった。そのくらい市場の圧力が強かった』と。 政府・日銀の介入があれば簡単に海外ファンドの売り圧力など跳ね返せる、と言えるほど通貨円を取りまく状況は盤石ではない。 藤巻が警告する危機のマグマは相変わらず消えうせてはいない。いまだ沸々とくすぶっている」
次章の前日銀副総裁とのインタビューの章の冒頭でも原編集委員は私の主張に触れてくれている。「藤巻が語った日本経済の近未来は、おそらく経済専門家のなかでも突出して悲観的だろう では、藤巻の予測はありえないかと言えば、それは違う。当局者のなかには同じように日本経済が悲観的なシナリオに向かうのではないかと恐れている幹部たちが、実は少なくない。そのことを私はこの10年の取材の中で実感している。 だが当局者社からその種のメッセージが出てくることはほとんどない。 彼らが「危ない」と言った瞬間に財政や通貨の信用秩序は崩壊しかねない。 だから『真実』を公の場で言うことはできないと考えているのだ。とはいえ、当局者からも抑制的に警鐘が鳴らされることはある 2022年におこなった中曾宏のインタビューはその一つだ。
3.「債務総額VS GDP」
昨晩、以下のリツイートが私のtwitterにきた。
「債務の対GDP比が大きいなら積極財政しなきゃならない罠。政府が使ったカネはGDPに最低一度は乗るんだから、債務の対GDP比が1.0を超えていたら借金増やしても使えば対GDP比は減るのは自明で、債務の対GDP比が大きいから緊縮なんて『自分は分数わかりません』と吹聴しているようなものだよねw」
以下のように返信した。
「人に分数を知らないというより、貴兄自身が小学校教育をやり直したほうがいいと思いますがね。毎年赤字を垂れ流している国家が財政出動をすると大きくなるのはGDPだけですか?財政出動をしたら、多少分母が増えるにしても分子の借金額も大きくなりませんか?25年前の1997年の借金総額は369兆円。今の借金総額は270兆円。900兆円増えました(分子)。財政規律を無視して放漫財政を継続した結果です。分母のGDPはせいぜい数十兆円増。このことは財政規律を無視した財政出動がひたすら国家を危機(=デフォルト又はそれを回避するためのハイパーインフレ)に向かって驀進させる説明にも」。
4.「無税国家が成立する?」
昨晩池戸某という自称経済評論家から以下のリツイートが私のtwitterにきた。昨日もあまりにアホな主張を繰り返し送ってきた方なので、少し強い調子となりました。
「私自身は無税国家も可能だと考えています。思っているほど、インフレ率は上昇しない計量シミュレーション結果になっています。+2〜3%程度の上昇に留まるでしょう。自国通貨建て国債である限り、日本で債務不履行、財源破綻は起きないです」
以下のように返信した。
「ここまで言う?確かに無税国家が出来たら理想でしょうが人類何千年の歴史でそんな国にありました?石油の収入で国家財政を賄い無税にしたブルネイは記憶にありますが。私は一橋大学で毎年約400人の学生を、早稲田の大学院でも6年間教えましたが貴兄のようなトンチンカン学生は一人もいなかったですな」