「罪作りな記事になるか?」「本日の政策会合の予想」「長く深刻な円安進行の始まりか?」他

2023年07月28日

1.「罪作りな記事になるか?」

ブルムバーグ記事。日経の「日銀YCC修正案を議論」との報道で円高が進行したとのこと。さて、さて、このニュースで円を買ってしまった人にとって罪作りの記事となるのか否か?私は何も修正できないから単に「議論はした」とのエクスキューズのような気がしているが。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-07-27/RYGTJST0AFB401?srnd=cojp-v2-markets

2.「本日の政策会合の予想」

本日の日銀金融政策会合では何も政策修正は行わないだろう、と言うより出来ない。シミ以上の修正をしたら、本日をもって日銀も政府も$/円もぶっ飛んでしまうからだ(注:円は紙くず化)。長期金利の0.1 %くらいの上振容認は出るかもしれないが昨日の米長期金利は0.16%の上昇。一昨日の金利差に戻るだけ。

 

3.「長く深刻な円安進行の始まりか?」

本日の日銀会合を契機に長く深刻な円安進行が開始されると思う。海外勢もそろそろ「金融政策は修正しないのではなく出来ない(=やれば政府も日銀も円もおしまい)」と気が付くだろう。円安進行しインフレ激化。結果YCC放棄で巨大債務超過、ハイパーインフレ。もし今日少しでも円が上昇したら、最後の円売りのチャンスか。

 

4「NY株13連騰 36年半ぶり」

昨日の日経夕刊1面トップ記事。昨日は237ドル下げたが、それまでは13連騰。これはじゃぶじゃぶになったお金の回収が進んでいないからだ。1985年~90年までの日本のバブルを思い出す。当時の日本では毎年30円~40円ずつ円高が進んでいたからそのデフレ効果でCPIは低位安定。一方、今の米国は$高が進行していないから資産効果を相殺するデフレ要因がない。インフレはこれからが本番だと私は思っている。私は1980年のボルカ―のサタデイナイトスペシャル(MSのコントロールに主眼を置き金利上昇を放置。結果、10年金利は20%に上昇)の再来を想定している。TMV(債券ベアファンド:長期金利が上昇すると儲かる投信) も年初来最高値に近づいてきた

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73091200X20C23A7MM0000/

 

5「強い国のリスク資産を買え」

「20数年前からしばらくの間は「お金持ちになりたかったら「強い国のリスク資産を買え。今は米株と米国不動産」だと本にも書きまくり、講演会で言いまくっていたが孤立無援。為替だけ見て「フジマキキ大外,逆神」と言う人が大部分だったが、ごく少数の私のリコメンデーションに従った人は喜びをかみしめている(為替は同レベルでも米株は7倍、米不動産も3~4倍)。なお、現在私は株は日米とも買いも売りもしていない。ともに、もう少し上昇するとは思うが、いつ大暴落するかがわからない。この歳になると、現役の時のように夜中に最低20回は起きてボードをチェックする生活をする気にはなれないからだ。

 

6.「池田信夫氏の主張は?」

一昨日、私の池田信夫先生からFB に以下のコメントを書き込まれた。

「『(中央銀行の)一時的でない債務超過』が問題なら、政府が無利子の永久債で借り替え、日銀がそれを日銀券でmonetizeすればいい。これはターナーも国民民主も提案している話。日銀の財務が問題ないというのは、世界のマクロ経済学者の共通認識です」

以下のように回答した。

「無理です。そんなことしたらじゃぶじゃぶになったお金の回収が出来ずインフレは未来永劫終わりません。日銀は収入ゼロとなり日銀当座預金の付利金利を引き上げられたら損の垂れ流し。日銀の通貨発行”損”は未来永劫続き、日銀アウトです。円も紙くず化します。また『日銀がそれを日銀券でmonetizeすればいい』とおっしゃいますが、そんなことはできません。今、やっている『日銀当座預金』を増やすのと違って日銀券は日銀が能動的には増やせないからです。日銀の倉庫に眠っている日銀券は単なるブツであって『日銀発行券』ではありません。『日銀発行券』となるのは国民がATM等でお金引き降ろして倉庫から出た後にすぎません。銀行券が増えるのは、休日前に現金の使用が増えるとかあまりの低金利でタンス預金が増えるとかいう国民からの能動的アクションのときのみで当局がコントロール出来るものではないのです」