「金利の上昇を抑えようとお金をばらまけば円の価値の希薄化」「短期金利も上げられない以上、円暴落は不可避」

2023年08月01日

1.「金利の上昇を抑えようとお金をばらまけば円の価値の希薄化」

昨晩のブルムバーグによると、BBHのウィン・シン氏は「自由な資本フローを確保しながら、金利や為替をコントロールすることはできない(略)これが行き着く先は為替レートで、そこに圧力がかかることになる。対円でドルを買うべきだと、私はかつてないほど確信を強めている」と話したそうだ。それにしてはずいぶんおとなしい予想だが、方向性と理由は私と同じ。昨日ご紹介したヘッジファンドの雄・ダリオ氏とも同じロジックでもある。お金をバラマキ過ぎた国でインフレが加速した日本のような国の場合、金利の上昇を抑えようとすれば国債を爆買いし、お金をばらまかざるを得ない。しかしそれは通貨(円)価値の棄損で通貨(円)は暴落する。一方、長期金利の1%超えを許せば多くの機関が債務超過になり、日本経済は滅茶苦茶。円の暴落どころか、日銀、財政も崩壊する。いずれにしても円は暴落

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-07-31/RYO022DWLU6801?srnd=cojp-v2

 

2.「短期金利も上げられない以上、円暴落は不可避」

「見切り発車の黒田緩和、物価2% 根拠・出口論は素通り」

昨日、異次元緩和を開始した時の議事録が発表になった。私が国会議員時代、何度も黒田日銀総裁に出口を聞いたが、「時期尚早」としかお答えにならなかった。そこで私は彼に「Mr. 時期尚早」と揶揄していた。そりゃ、そうだろう、検討もしていなかったのだから。異次元開始直後、私は「日限はどういう方法で出口を出るのだろうか?」と不思議だった。伝統的な金利引上手法は、異次元緩和をした以上、使えない。私には思いつかなった。ところが後から量的緩和を始めた(ただし日銀に比べると極めてささやかな規模)米国FRBが方法を見つけた。さすがFRB だと思った。FRB 当座預金の付利金利を上げていく方法だった。しかしFRB は高金利の債券を保有しているからかなり付利金利を上げても損の垂れ流しにならない。日銀は、ほんの少し日銀当座預金付利金利を上げたら損の垂れ流し、債務超過。短期金利も上げられない以上、円暴落は不可避。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB310BW0R30C23A7000000/