1.「明け方に仕掛け?」
明け方、マーケットが超薄い時に円買仕掛けが入ったようだが、そこまで追いつめられたか。次のドル買い介入が最後の円安防止の砦か(海辺の砂の砦と同じだと思うが)。これが効かなければ(効いてもほんの一時的だと思うが)、それこそ円安防衛は何もなくなり、ズドーンと大幅円安が進みそう。「円ジャブジャブ」のファンダメンタルズには財務省としても勝てない。
2.「フィッチの米国債格下げ」
先ほど、私のtwitterに以下のリツイートが入った。
「(明け方のドル売りは)これ(フィッチ、米国債を格下げ)が原因だと思いますがいかがでしょうか
https://nikkei.com/article/DGXZQOGN0208F0S3A800C2000000/?n_cid=SNSTW001&n_tw=1690927528
以下のように返信した。
「そうですかね?これなら米金利上昇でドル高でしょう。ちなみにAの日本で2段階の格下げがあったら(=BBはジャンク債入り)、日本経済OUT 、円紙切れ化ですから間違いなく円暴落です。格付機関幹部が日経新聞のインタビューに答えてイタリアより財政の悪い日本がBBBのイタリアより上位なのは日銀がYCC で国債を買い支えているからと言っていた記憶があります。」
3,「今、大規模財政出動をしたらどうなるか?」
先ほど、私のtwitterに以下のリツイートが入った。
「これはないなw。コストプッシュインフレとか悪性のインフレなんだから、政府はバンバン出さないといけないターン。こういう人は、自分の範囲で見るし、そもそもミクロ経済でマクロ経済を見るから、頓珍漢なんだよね」
以下のように回答した。
「今、そんなことで国債増発したら国債入札で未達、デフォルト(=財政破綻)。日銀により多く国債を買わせデフォルト回避しようとすれば、お金が更にじゃぶじゃぶ(日銀が国債を買うとは日銀当座預金残高を増やす=お金をばらまく)になり円は希薄化(=インフレ急加速)、円暴落、ハイパーインフレへ」
3「(僭越ながら)もし私が日銀総裁になったならば」
今、私のtwitterに以下のリツイートをいただいた。
「もし仮に藤巻さんが総裁をどうして引き受けなければならなくなったら、何しますか?」
以下の回答を返信した。
「今ならば、秘密裏に新中央銀行の設立準備です。国民にはかなりの痛みが伴いますが、ここまでくれば選択肢は他にありません。出口が無いのですから。黒田氏の時なら何度も書いていますが伝統的金融政策の継続です。すなわちマイナス金利政策です(但し黒田さんが取ったマイナス金利政策とは180度違います)」
4.「米国の国債入札発表」
今晩、米財務省が四半期定例入札予定を発表する。2021年初め以来の増額が見込まれているとのこと。増額となればドル債の金利上昇だろう。日米金利差拡大。ただ日本と違い、増発分は市中が消化してくれるのが米国の強み。中央銀行が買い入れてお金をばらまかなくて済む。お金を回収する国(米国)とバラマキ続ける国の通貨の価値には大きな差が出てくる。
5.「雨宮元日銀副総裁の日本金融学会での講演」
先日、私のtwitterに以下のリツイートが来た。
「暴落したのは通貨ではなく、藤巻らが宣う誤った貨幣観に基づいた財政運営をしてきた経済自体です。 もう一度、通貨の仕組みを学ぶことをおすすめします。 家計簿と国家財政を一緒にしてはなりませんよ」
以下のように回答した。
「貨幣観などという言葉を使うのなら、せめて雨宮元日銀副総裁が日本金融学会で行った講演を聞きなさい。私の貨幣観と全く同じだしこれがオーソドックスな金融論です。貴兄が尊敬するド素人集団教祖の珍説ではありません。日本の誇る金融学者が集まる学会での特別講演で皆、当然納得」
https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2018/ko181020a.htm
6.「財政ファイナンスの弊害」
昨日、元日銀理事の山本謙三さんからブログが送られてきた。毎回、彼のブログは非常に勉強になることが多いのだが、3月31日の原稿を再掲したい。
「財政法第5条は、日銀による国債引き受けを禁じている。日本だけでなく、ほとんどの国が中央銀行の財政ファイナンスを禁止している。これは、いったん中央銀行が国債の引き受けにより、政府に資金供与を始めると、財政規律を失わせ、ひいては通貨の増発に歯止めが効かなくなるからだ。財政ファイナンスの禁止は、人類の知恵である」「いまの日銀の国債購入は、法的には市中からの買い入れであり、財政法第5条でいう国債引き受けではないと解されている。日銀も「財政ファイナンスとは目的が違う」と主張している。それでも、新規国債発行の93%に相当する市中買い入れ額が、財政ファイナンスに近いものであることに疑いはない」
「中央銀行が財政の資金繰りの面倒を見続ければ、いずれその国の通貨は信用されなくなり、為替相場の下落とともに物価の高騰が起きる。過去の歴史が教えるところだ」
「同時に、財政規律の緩みがもたらす深刻さは、ハイパーインフレの可能性だけではない。非効率な財政支出が増え、日本経済全体の生産性を押し下げるリスクも見逃せない」「非効率な財政支出の拡大は、大きな政府を生み、民間企業の活力を阻害する。異次元緩和が長く続く間に、日本経済が市場経済からどんどんと遠ざかっている」
https://www.kyinitiative.jp/column_opinion/2023/03/01/post2278/#more-2278
7.「情け納屋、日銀審議委員」
昨日の朝日新聞朝刊で(異次元緩和導入時の)議事録公開に関して、原朝日新聞編集委員が記事を書かれている。さすが舌鋒鋭い。他の新聞でここまで本質をついていたのかな?原編集委員曰く「他の会合メンバーの多くも渋々ではなく、(異次元緩和)導入に前向きな意見を述べていたことだ 。前任の白川方明総裁時代には行きすぎた緩和に慎重だった審議員たちも 黒田体制下でがらりと変わった。それは経済の変化にともなうものでも、政策本位の見直しもなかろう」
まさに日本人サラリーマン体質のあらわれ。審議員が小粒だとは言われていたけど、情けなや。国会議員も日銀審議委員も職を逃がさないよう必死。米系企業に勤務しているとこんなことは感じなかった。終身雇用制の非常に大きい弊害だと思っている。国会議員も日銀審議委員も終身雇用ではないが、労働市場が流動化していないのでひたすら現職場の評判を気にする(次の職場に移りにくくなる)(
原編集委員は以下のようなことも述べている。「(異次元緩和は)勝てないと分かっていた戦争をはじめ、 なかなか止められなかった太平洋戦争の「失敗の本質」。 議事録から浮かび上がるのは、黒田日銀が同じような過ちを繰り返したのではないかという疑いだ」
8,「やっと同じような主張が」
先日、私のtwitterに以下のリツイートをいただいた。
「藤巻さんが長年訴えてきた主張に追随した記事が散見するようになりました」
https://shueisha.online/culture/148782
以下のように回答した。
「そうですね。やっとエコノミスト、アナリストでも公言する人が出てきましたね。皆わかってはいても企業に勤めているとこういう話は公表しにくいですからね。私ならぼこぼこにされても痛くもかゆくもありませんがサラリーマンだと勤務先がぼこぼこにされるとビジネスに影響が出てきてしまいますからね」