1.「ドル買い介入は山火事の鎮火に向かう水鉄砲」
1ドル=144円を突破してきた。長期金利が1%に到達したら、多くの金融機関が債務超過で危険領域に入るので日銀は長期金利を上げられない。そのため必死に長期債の爆買いでお金をじゃぶじゃぶに供給、結果、円の供給過多で円価値の希薄化。これではドル売り介入は山火事鎮火に向かう水鉄砲。
2,「景気が良くなりマネーサプライが増えると大変」
先ほど私のTwitterに以下の質問が来た
「藤巻健史様 いつもご教授ありがとうございます😊
質問があります。貨幣乗数は結果であって、意図を持ってコントロール出来るものではないと思いますが、いかがですか?…」
以下のように回答した。
「貨幣乗数はMBとMSから導き出される結果であり、中央銀行等が直接紺とr-る出来るものではありません。ただ景気が良くなれば銀行の融資による信用創造でMS が伸びますから間接的にコントロールが出来るともいえます。逆に言うと日銀はこれだけMB を拡大しているのですから、景気が良くなるとMS はとんでもなく増大(=眞貨幣乗数の上昇)します。お金がもうジャブジャブもいいところと言う状態に。私が景気が良くなれば日本は終わりと言い続得てきた理由の一つです」
3,「国債入札の応札倍率が高ければ安心か?」
先ほど私のTwitterに以下の質問が来た
「紙クズ円の30年債の応札倍率が3.5倍と高かったのはどうしてですか?」
以下のように回答した。
「生保が入札したからに過ぎないでしょう。強烈な創業者社長でない限り、サラリーマン社長では実際に円が紙くず化するまで「平時が継続する」との前提に基づいた意思決定しか出来ないからです。もう一点覚えて奥歯きことは、入札倍率が高いことには何の意味もないという点。ただ低い応札倍率は大問題。私が現役で入札に参加していた時は、いつもインテンショナルOBを目指していたからです。全く入札しないと大蔵省の覚えが悪くなる。全く買う気のないことが分かる離れた入札だと大蔵省に失礼だ。でも入札に成功してしまうと面倒だから買いたくはない。したがってギリギリ入札失敗のところで入札をする。ただ相場に強気の時は、大量にインテンショナルOBを入れて、相場が強そうなイメージを市場に植え付ける(でも入札では買いたくない)と言うオペレーションをしていました。その意味で入札倍率が高い時でもそれ自体からは何の意味をくみ取れないというのです。ただ逆に応札倍率が小さい時は要注意です。そのような操作が出来ず、本当に国債に市場の興味がない証拠となるからです。もちろん未達となれば日本経済は一巻の終わりです。
4.「円高論者も円安論に変更か?」
先ほど私のTwitterに以下のコメントが来た
「唐鎌大輔さんの記事。日銀が追い込まれている状況が改めてよく分かる記事です。 今後、日銀が警戒すべきは「円安(円売り)で引き締めが煽られる」という最も忌避したかった状況ではないかと思います」
以下のように回答した。
「唐鎌さんね~。(日経新聞に利用されたのかもしれないが)1~2年前は『円高予想と言えば唐鎌さん』との評価だったからな~。今更~、という感がしないでもないが。もっともMMTerや『統合政府論で考えれば財政大丈夫』論者とは違ってオーソドックスな金融論をきちんと学ばれていたのは事実」