「『バラマかれ続ける通貨(円』と『回収されていく通貨(ドル)』の差が為替を決める」「米国長期金利はまだまだ上がる」「山火事対処に感じる日米の国力の差」他

2023年08月12日

1.「バラマかれ続ける通貨(円)」と「回収されていく通貨(ドル)」の差が為替を決める

ずいぶん前から書いているが、今後のドル/円の方向を決めるのは、金利差よりも「バラマかれ続ける通貨(円)」VS「回収されていく通貨(ドル)」の違いだと思っている。この要因の方が金利差よりも通貨の需給、信任に対する影響が格段に大きいからだ。

 

2.「苦しい日銀。金利を押さえつければ円は大幅続落。押さえつけなければ日本経済はThe End」

8月1日の拙稿を再掲する。「昨晩のブルムバーグによると、BBHのウィン・シン氏は「自由な資本フローを確保しながら、金利や為替をコントロールすることはできない(略)これが行き着く先は為替レートで、そこに圧力がかかることになる。対円でドルを買うべきだと、私はかつてないほど確信を強めている」と話したそうだ。私やヘッジファンドの雄・ダリオ氏も同じロジックを展開する。お金をバラマキ過ぎた国でインフレが加速した日本のような国の場合、(金融機関や日銀の債務超過を恐れて)金利の上昇を抑えようとすれば国債を爆買いし、お金をばらまかざるを得ない。しかしそれは通貨(円)価値の棄損で通貨(円)は暴落する。一方、金利を抑えず、長期金利の1%超えを許せば多くの機関が債務超過になり、日本経済は滅茶苦茶。円の暴落どころか、日銀、財政も崩壊する。いずれにしても円は暴落

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-07-31/RYO022DWLU6801?srnd=cojp-v2

 

3「米国長期金利はまだまだ上がる」

米10年金利はじりじりと上昇し、昨日はついに4.156 %まできた。しかし昨晩のブルムバーグ記事によると、著名債券投資家のビル・グロース氏は「利回り4.5%が適正水準」と言っているそうだ。8月3日には、やはり著名なアックマン氏が「長期債は買われ過ぎ(=金利が低すぎる)」と言って話題になった。米国の大物たちが米長期金利の上振れ予想をし始めているようだ。これは私がインフレ対策としてTMV (債券ベアファンド:長期金利が上昇すると価格上昇)がいいと言ってきた方向と合致する。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-08-11/RZ8ORRDWRGG001?srnd=cojp-v2

 

4,「なんで生保が日本の30年債買うのかね~?」

昨日の日経新聞によると「ある生保の運用責任者は「(主な投資対象の)30年債で利回りが1.5~2%に近づくと投資妙味が増す」と話しているようだ。一部の生保はすでに買い増しに動いたもようだとも書いてある。アホじゃないの?と私は思うけどね~。

日本の30年債が1.5 %で米国債が4.26%なら、貴兄はどちらを買うか?私なら間違いなく米国債だね。

米国30年債の方が毎年2.76%多く金利を貰えるのだ。30年間で82.8%多く貰える。これは(単利で考えても)満期の時に為替で82.8%やられてやっと双方の総合利益額が一緒になるということ。すなわち30年後に1ドル=25円以上なら米国30年債投資の方が日本国債30年物より結果が良かったことになる。私が現役時代、部下に『投資するなら自分の金ならその商品に投資するか否かを考えてから会社の金を投資しろ』と指導していた理由。儲けそこないを(予想配当率で)顧客に押し付けられるからこその30年日本国債投資だと私は思うんですがね~。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73536640Q3A810C2EE9000/

 

5.「だらしない」

最近、どうもシャツのおへその前のボタンが外れているのに気がつくことが多くなった。年とって身だしなみがだらしなくなったと思ったが違った。体つきがだらしなくなった結果だった。

 

6,「山火事対処に感じる日米の国力の差」

3月に仕事で出かけたハワイの街に山火事が迫ったので一昨日は一日中、PC の前でモニターしていた。ギリギリのところで鎮火したので、本当にヤレヤレ。知人で被害を受けた人の連絡は今のところない。被害にあわれた方々には心からの哀悼の意を表します。

最近米国から帰国した次男の「ラハイナの街(一時はハワイ王朝と首都)が無くなっちゃった」とのラインの一報後、PC に張り付いた。

次男がいろいろな情報の入手の仕方を教えてくれたので、ひやひやしながらも情報飢餓感は無く平静心が保てた。衛星を通じた火事情報で山火事の拡散がリアルタイムでわかった。

ラハイナ火事1

ラハイナ火事3

フライト24で消防ヘリの軌跡をモニターし火の勢いが強い場所が想定できた。

ラハイナ火事2

ラハイナ火事4

スペースX の衛星電話の存在が火にまかれた方の数をかなり減らしたのではなかろうか。私が気にしていた町からは逃げ道として2本の太い道がある。しかし北回りの1本は舗装されてもおらず、普段は使われないラフロード。多くの人がこの道を使って逃げたそうだが、火事に関する衛星情報に簡単にアクセスでき、衛星電話が普及していたからこそ、この道の様子が分かり避難路として使用できたはずだ。これが日本で起きたら今回のハワイの比ではない大惨事になったのではなかろうか?この山火事をモニターしていて、日本と米国では、いろいろな面で差がついてしまったな~と思わざるを得ない。