「為替介入は金利政策を伴わないと無力」「インフレを抑えるのが至上命令の米国はドル売介入をそう簡単には許さない」,「米国がドル売り介入を許すのは日銀が崖っぷちにいることを米国も認識している証拠」他

2023年08月17日

1.「為替介入は金利政策を伴わないと無力」

ドル売り介入を期待している向きもいるようだが、為替介入は金利政策を伴わなければ効かない。長年マーケットにいた私のような人間には常識(超短期的な瞬間的ドル安は除く)。円安進行を多少遅らせる程度。日銀は長短金利とも引き上げられない。米国も利下げが出来る状態ではない。だからドル売り介入は効かない。

1992年、ソロスファンドがなぜ英国中央銀行に勝ったのか?ドイツ・英国とも金利を動かせなかったから。 通貨統合に加入するには英国は1ポンド2.95マルク で固定、最低でもド2.77マルク を保つ必要があった しかし ポンドは2.77マルクを割ろう、割ろうとしていた。英国はポンドの買い支え介入でしのごうとしたが、ソロスは「英、独ともに金利を動かせない。なら介入だけでは2.77マルク維持は不可能」と見破り、大量のポンド売りを仕掛け英国中央銀行に勝ったのだ。もしイギリスが利上げをしドイツが利下げをすれば この介入は効果があったはずだ。しかし イギリスは当時景気が非常に悪く利上げができない。ドイツは 東西統合のあとで ンフレが加速していて金利を下げられない。ソロスは「金利政策を伴わない介入の効果は無し」と見破り、英国中央銀行に大勝、大儲けをしたのである。効かない介入は、時に逆方向(この場合は円安)の加速エンジンになる。

 

2,「インフレを抑えるのが至上命令の米国はドル売介入をそう簡単には許さない」

為替がCPI にいかに大きな影響を与えるのかは日本のバブル期の数字を見ればわかる。狂乱経済と言われ本来なら物価高騰のはずが当時CPIが異常に低かったのは、円が毎年30円から40円ずつ強くなっていたから。この事実が意味することは「インフレを抑えるのが至上命令の米国はドル売る介入をそう簡単には許さない」ということ。 0000

 

3,「米国がドル売り介入を許すのは日銀が崖っぷちにいることを米国も認識している証拠」

米国は基本、為替による為替操作を許さない。加えて今はインフレを抑えるのが至上命令。それには強いドルが非常に重要。自国通貨高は力強いインフレ抑制要因だからだ。他国に簡単にドル売りを許すはずがない。それでもドル売介入を日本に許すのなら米国も日銀が崖ぷちにいることを認識している証拠。

 

4.「FOMC議事要旨:『著しい』インフレリスク、追加引き締め正当化も」

日のブルムバーグニュースによれば7月のFOMCでは「インフレリスクも」ではない。「『著しい』インフレリスク」が懸念されていたそうだ。サマーズ元財務長官や米金融界の大物が、相次いでさらなる米長期金利上昇を予想するのは当たり前だ。1年前の米金融界の言葉は「FED には逆らうな」だったはずだ。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-08-16/RZHWOLDWRGG001?srnd=cojp-v2-markets

 

5.「米長期金利は4.75%以上にとサマーズ氏」

昨日のブルムバーグニュースによれば「元財務長官のサマーズ氏は『米国の財政状況やインフレ率などの要素を考慮すれば、今後10年で10年債利回りは4.75%もしくはそれ以上になる公算が大きい』と語った」そうだ。こうなってくると日米政策金利が縮小することなど未来永劫に無い。もっとも日銀が長短金利のコントロースを失って政策金利は低くても市場金利が暴騰する可能性はある(住宅ローンを変動で借りている人はここら辺を注意しなければならない)この時は確かに日米金利差は縮小するが、日銀が金利をコントロース出来ないとは、日銀の自死であり、信用失墜。円も信用失墜だから金利差縮小など円高要因には全くならない。日本人、外国人が円から逃げ出す。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-08-16/RZHOPODWLU6801?srnd=cojp-v2-markets

 

6.「現状は財政規律をないがしろにしてきた当然の帰結」

先ほど以下のリツイートが私のtwitterに来た。

「何故、金融界は、如何して現在の様になったか?此れを検証しないのか?私はコレが不思議なのです。原因精査が無ければ、大戦の時の様に又同じ事を離返します。 何故、現状困った困ったと言って 原因精査をしないのでしょう。コレが公務員の体質なのでしょう」

以下のように回答した。

「検証などしなくても頭脳明晰の人達や史を学んだ人は皆わかっている。バラマキで財政赤字を世界最大(対GDP)に拡大し、その結果の財政破綻を回避するために禁じ手中の禁じ手と世界中で言われていた財政ファイナンス(=異次元緩和=統合政府絵論の実践)をしたから。歴史が教える当然の帰結)

 

7.「悲惨な現状を作り出した人々」

先ほど以下のリツイートが私のtwitterに来た。

「有難う御座います。素人なのでスミマセン。では、原因はパズーカとその一味ですね。此れ程の混乱を起こして、誰も責任を取るどころか、報酬を手にしたわけですね。此れって、社会常識に照らして誤りではありませんか? 公務員に責任は無いのですか?」

以下のように回答した。

「公務員よりも黒田元日銀総裁、若田部副総裁、そして財政バラマキをはやした『財政バラマキ』論者、『財政バラマキ論国会議員』、『もっと財政出しても大丈夫』論者、MMT論者、『統合政府で考えれば財政は大丈夫』論者の無責任な発言で社会のポピュリズム風潮を作りだしたエセ無責任論者たちの罪が大きいでしょうね」。