1.「日銀の財務の大幅悪化を懸念」(元日銀政策委員会委員)
元日銀政策委員会委員)(2001年~2011年)の須田美矢子先生が日銀の財務の大幅悪化を懸念しているとの論考を出した。河村小百合さんといい、須田先生といい、日銀の内部にいた人からの危機の報告はいかに危機が迫っているかの証左でもある。円の終わりが近いともいえる。須田美矢子先生は国際金融が専門で私も若い頃、先生の「国際金融論」という教科書を読んだ記憶がある
須田先生曰く「財政が厳しい中、出口戦略とそれに伴う財務の悪化は政府にとっても関心事だ。それら情報発信が海外と比べて非常に少なく、日銀は出口のシミュレーションと、財務や納付金の見込みについての試算を示し、課題を国民と共有すべきだ」。私が参議院議員時代、「出口のシミュレーションを示せ」と何度も黒田前総裁に迫ったのに総裁は「時期尚早」と逃げまくってきた。日銀もそろそろ年貢を納めてシミュレーション結果を出ざるを得なくなるだろう。といっても、今となっては、出した途端に市場は総崩れで、日銀と円はThe ENDになろうが。
https://diamond.jp/articles/-/328536
2.「きらやか銀行とじもホールディングスへの公的資金導入」
「きらやか銀行とじもホールディングスへの公的資金導入」問題を全国紙で読むとone of themのニュースに思えるが、NHK の以下のwebニュースを読むと、大変なニュースであることがよくわかる。公的資金導入の最初の一例にすぎず、長期金利などこれ以上上がったら、同じような地銀、第2地銀が続々と出てきそうだ。多くの地銀が立ち直れるとしたら国内金利が上昇せず、国債評価損が増えないという前提でしかありえない。米国は政策金利を5%近くに上げ、長期金利が4%近くまで上昇して初めてシリコンバレー銀行問題が発生したが、日本では金利がさらにシミ程度上がると問題行がごろごろ、となりそうだ。その中でも一番の大手は日本銀行。インフレが加速しても日銀は金利を上げるどころか何もできない。信用失墜。それは円の紙くず化を意味する。財政規律を無視し、お金をバラマキ、円の価値を希薄化させた衝撃はかくも大きい。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230615/k10014099061000.html
3.「基軸通貨としての地位の確保は最大の国益」
昨日、以下のようなリツイートが私のtwitterに来た。「アメリカは到底返済不可能な対外負債を抱えており、トランプ復帰とともに紙くずにするでしょう。バイデンは偽物で猿芝居の最中。そんな馬鹿なってことが起こってる。マスコミは一切触れないけど、これに気づかないのはもはや間抜け。藤巻さんが言う日銀のXデイより、こっちのXデイのほうが先」
以下の回答をした。
「中央銀行がお金を供給しすぎるとその価値は下落する。モノやサービスと同じで供給過多になるからだ。円が今、弱くなっている理由でもある。お金の価値を保とうとすれば各中央銀行はその経済の拡大スピードと同じスピードでしかお金を供給できない。
ところが世界の基軸通貨を供給する中央銀行(FRB)では話が違ってくる。自国経済の拡大ではなく世界経済の拡大に応じて紙幣を印刷できるのだ。巨大な額のドルを毎年刷れる。その刷ったドルで世界中のモノやサービスを買えるのだからこんなおいしい話はない(注・基軸通貨であればMMTの「紙幣を刷れば何それを財源に出来る」論は「貨幣の希薄化があまり起こらないので」多少は受け入れられる点もある)
世界の基軸通貨としての地位は最大の国益。簡単に手放すわけがない。基軸通貨であるためには強くなければならない。またインフレ対応策としても強いドルが必要。そう簡単に米国がドル売り介入を日本に許すわけがない理由だ」